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2016年の春、我々は中央ヨーロッパ視察の旅に出た。
10日間に及ぶ複数ヶ国に跨る遠征は、省エネ志向の当サイトとしては過去最大規模のものとなった。
今回の旅のテーマはズバリ、「オカルトアート」。
一体それはどういうものなのか?追って説明していきたい。
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チェコ プラハ
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中世の街並みをそのまま残し、「百塔の街」「黄金の街」、そして「魔法の都」などの様々な別名を持つチェコ共和国の首都プラハ。 GWを少しフライングし、日本から空路10数時間の移動を経て、我々の旅はここからスタートした。
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ルドルフ2世の公式肖像画▲
その変人ぶりから“魔術王”の異名を持ち、多くの錬金術師のパトロンとなった。
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16世紀、プラハはドイツ諸侯らが寄り集まった神聖ローマ帝国の首都であった。
ウィーンからの遷都を行い、プラハ城に居を構えたハプスブルク家の皇帝ルドルフ2世(1576-1612)は、
政治には無関心(無能)であったが教養に富み、文化人としては才能のある人物だった。
彼はとりわけ、芸術や学問、錬金術に興味を示し、
ヨーロッパ各地より多数の芸術家や学者、錬金術師、魔術師をプラハに招いて自身の庇護下に置いた。
その中には、人工生命体ホムンクルスの研究で知られる伝説の錬金術師パラケルススの弟子や、
惑星運動の「ケプラーの法則」で有名な天文学者ヨハネス・ケプラーもいた。
錬金術師らはプラハ城内の「黄金の小道」と呼ばれる場所の家に住まわされ、
ルドルフ2世も部屋にこもって一緒に錬金術の実験にのめり込み、
城はさながらマジックキャッスルと化した。
もっとも、錬金術と言うと今でこそ魔法の様なイメージが強いが、
当時は錬金術と化学の境界は曖昧で、この時の鉛を金に変える研究の副産物が、近代化学の発展のきっかけを生み出したのである。
その事は、近代科学の父と評されるアイザック・ニュートンが錬金術師でもあった事や、
化学を意味する「ケミストリー(chemistry)」という言葉自体が、
錬金術を意味する「alchemy(アルケミー)」に由来するという事などが物語っている。
欧州近代文化の基礎となり、芸術上の革新運動を展開したルネサンスの時期は、
それまで教会の権威により封じ込まれていた異端の思想が解き放たれたオカルティックな時代でもあった。
ルドルフ2世は、このプラハの地で自分なりのルネサンスを行い、
結果的には芸術と魔術が咲き乱れる帝国の首都として、大いに文化的な繁栄を遂げる事となったのである。
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まあそんな訳で、プラハというのはおとぎの国のイメージに違わず、
かつて「魔法の都」と呼ばれた名残が今もあちこちに残されており、
ハリポタや幽霊伝説で有名なロンドンなどに比べるとマイナーながらも、
結構オカルティックな土地柄だったりするのである。
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思えば、神秘的な事象(Occult)と芸術(Art)という二つの要素は、実に密接な関係にあると言える。
アートの語源であるラテン語のアルス(ars)は、技術・技巧を意味するギリシャ語のテクネ(techne)の訳語であり、
テクニック(Technic)やテクノロジー(Technology)の語源でもある。
芸術とは即ち、技術と想像力の結晶であり、
テクノロジーの発展に伴い、新たな芸術文化が生まれ、そしてその時代ごとの怪異や超常現象の観測に繋がる訳だ。
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例えば、写真技術の発明により、死者に思いを馳せる為に、生きている人々と故人の姿を合成する技術師が登場し、
その作品が心霊写真の走りとなった。
録音・録画技術の発明により、音声に怪しい声が入り込み、動画の中でUFOやUMA、幽霊らしきものの姿が映り込むようになった。 インターネットが普及すると、
やがて蠢くネット・ミームの中で、くねくねに八尺様、ジョン・タイターやスレンダーマン、This manといった、
現実とフィクションとの境界が曖昧な都市伝説のキャラクターが続々と誕生した(それは今も増殖中だ)。
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小難しい話は抜きにして、オカルトとアートの関わりを示す具体例は、これまで当サイトで取り上げてきた内容を率直に振り返ってみても、「混ぜるな危険」と言いたくなる程、自明の理である。
ナチス・ドイツの悪名高き総統アドルフ・ヒトラーは、青年時代の画家になる夢に破れた結果、
ロンギヌスの槍を片手に聖杯とシャンバラを探し求め、オカルト帝国による世界征服を目論んだ。
偉大な芸術家レオナルド・ダ・ヴィンチは、キリスト教のタブーを自身の作品である宗教絵画の中に隠した。
泣く少年の絵は火事現場で焼け残り、陰鬱な歌は聞く者を自殺の衝動へと駆り立て、
聖母マリア像は血の涙を流し、人形やぬいぐるみは独りでに動き出した。
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本項で用いる「Occult Arts(オカルトアート)」なる言葉は、文字通り“神秘的な芸術”を意味するところが大きいが、
他にも“秘術・錬金術”という風に意訳する事ができ、魔法アイテムや曰くつきの芸術品・工芸品といったアーティファクトの他、
単純に見た目が狂気じみてダークサイドと化してしまったような代物まで、様々なニュアンスを含んでいる(そういう事にした)。
長ったらしくなったが、今回我々は以上のような“何かそれっぽいもの”を可能な限り探し求めていく次第である。
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ユーロをチェコ・コルナに換金するの忘れてた。一瞬金貸してくれ。 |
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ったく、シャキッとしなさいよ。 ラテ・マキアートだか何だか知らないけどさー。 |
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プラハ幽霊伝説博物館 |
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プラハと言えばカレル橋である。異論は既読スルーとする。
旅行関係の宣伝媒体ではほぼ確実にここの写真が掲載されているし、
何処の国なのかパッと分からなくても、いかにもヨーロッパ的な景色の一つとして、
なんとなく見た事がある人も多いと思う。
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楽しい観光だと思った?残念!ここからが地獄でした! |
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くっそ、可愛い女の子のコラ画像みたいなノリでこの野郎・・・! |
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この美しい景色を台無しにする憎たらしさだわ・・・! |
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この記事には暴力シーンやグロテスクな表現が含まれています。
と言っても大した事はありません。ただのゲームのパロディーです。
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この有名観光地がある歴史地区のマラーストラナ(城下町)には、
橋の目の前という好立地にも関わらず、チラ見されてはことごとく観光客にスルーされる怪しい施設がある。
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モステツカー通りのジュエリーと洋食器のブランドショップに挟まれる形で、その博物館の入口はひっそりとあった。 正面から見ると道路標識で覆われ、歩道を進んでいても気付かずに通り過ぎてしまいそうだ。
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「プラハ幽霊と伝説の博物館」。
一応看板は出ているが、何があるのかいまいち伝わってこず、なかなか入りづらい雰囲気だった。
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入口脇のショーウィンドウには、
とりあえず不気味な感じだという事は察せられる、謎の手首のオブジェや書類などが展示してある。
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おや、通路に誰かいるぞ。
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『ロード・オブ・ザ・リング』の闇の軍勢っぽい人形。
試しにちょっと覗いてみようと軽い気持ちで入ってきた者達を、まずここで半分は引き返えさせるであろう不気味な威圧感である。
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なんという負のオーラ・・・!
これではSNSに投稿してリア充アピールする事が困難じゃな・・・!
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どうやらこの先に進めるのは、休暇という貴重な時間を犠牲にする覚悟がある
選ばれし者だけのようですな・・・! |
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この先は一体どれだけおどろおどろしい禁断の地なのだろうと思いながら進んだところ、
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意外に普通のアパートビルの吹き抜けっぽい構造で拍子抜けした。
博物館はこの建物の一部に入居しているようで、立て看板の矢印の指す扉の向こうが入場受付であった。
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プラハっ娘のお姉さんに入場料を支払い中に入ると、
そこには闇の図書館といった感じの異空間が広がっていた。
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お姉さんに「写真撮っていい?」って聞いたら、「今日すっぴんだからごめんね」とか言われて一瞬焦ったな・・・。
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お互い「えっ」「えっ」みたいになりましたからね・・・。 |
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巨大な本を広げるアンデッド系モンスター。
先程の通路にいた奴と似ているが、どうやらこのダークファンタジーな路線のままでいくようだ。
(一応、ゲニウス・ロキ=その土地に宿った霊的存在という事らしい) |
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説明っぽい表記もチェコ語で全然読めませんからね・・・。 |
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壁にはどういう訳か、取り込まれてしまったような人々の姿が。
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こちらは鼻が痒くて掻いてる状態で呪われてしまったらしい。
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いまいちコンセプトが理解出来ないまま恐る恐る進んでいく。
場内には絶えず、チープな感じの不気味な囁き声や笑い声のBGMが流れ続けており、大衆向けの観光地では無い事が段々と実感させられてきた。
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パイプオルガンとだらしない感じの骸骨。
それっぽいものをとりあえず並べてみました感が漂い、不安を覚え始める。
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1コルナ4.5円で大人140コルナだったので、630円くらいですかね。 |
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リアルぬりかべの様な魔術師っぽいおっさん。
明らかに呪いをかける側に見えるが、誤って自らも平面世界の住人と化してしまったパターンのやつなのだろうか。
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壁に穴が空いてると思って覗いてみると、おっさんのデスマスクでビックリ。
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チェコらしく、部屋の中央には大きなマリオネットの舞台があった。
だから何なのかはもちろん分からない。
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こちらも2.5次元の住人といった感じのご婦人。
親切な事に壁の中からハンカチを貸してくれようとしていた。
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部屋の奥まで辿り着くと、物置小屋のセットの様なものがあった。
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小屋からは不吉な感じで縛り首用の縄が垂れ下がっていた。
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小屋の窓を覗くと、小さなフィギュアが拷問されてる様子が展示されており、とても悪趣味なリカちゃんハウスの様であった。
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小屋の隣は、恐らく錬金術か何かの実験を再現したと思われる怪しいスペースとなっていた。
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赤々と光る手形に触れると、さも実験装置が作動したかのように、
パイプから水が流れてくるだけのちょっとした仕掛けがあった。
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室内は大体、コンビニよりは少し奥行きがあるくらいの広さだろうか。 入って早々に折り返す程度の展示規模で、「なんだ、こんなもんか」と少し後悔の気持ちが過ぎったものの・・・
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すぐに地下室に続く階段を発見して一安心した。
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研ナオコっぽいおばけにメンチ切られながら螺旋階段を降りていく。
果たして、この先に一体どんな空間が広がっているのだろうか?
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!!?
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階段の下に変質者がいた。 |
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うわあ・・・。腕を踏んづけて転びそうになりましたよ・・・。 |
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一応、反対に回り込んでみたが、図らずも幽霊ではなく人間の闇を目撃してしまった。
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なるほど、地下(アングラ)だからローアングラーという訳か。 |
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変態野郎のいる奥はちょっとした空間になっていたが、行き止まりだった。
ここは12世紀に作られた地下室を利用したものらしい。
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よく見ると地面が人型に盛り上がっており、
日本ではドラクエで有名なゴーレムの姿があった。
16世紀のプラハはオカルトに傾倒した皇帝の雰囲気を反映して、
町全体が多くの伝説や迷信に溢れていた。
ユダヤ神秘思想「カバラ」の研究も盛んで、
伝説によると律法学者のラビ・レーフが、
キリスト教徒からユダヤのゲットー(居住地区)を守る為、
カバラの奥義を行い、人造人間ゴーレムを造りだしたと言われている。
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反対側に進んでいくと、メインストリートっぽい方に出た。
あとで公式サイトを見て知ったが、この地下道にはプラハで有名な25体の幽霊が潜んでいるらしい。
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これ見よがしにアクロバティックなポーズの骸骨君。
放置プレイされ過ぎたドMの末路なのだろうか。
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ったく、とりあえず骸骨出しておけばOKという風潮じゃな・・・。 |
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まあ、このサイトも大体そんな感じですけどね・・・。 |
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だから何であたし達は毎回の様にお化け屋敷みたいな場所にいるのよ!? |
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壁際の足元ではさり気なく、顔色の悪いおっさんが休憩していた。
あまりにもローカルネタなようなので、ちょっとどんなモンスターなのかは不明である。
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こうして見ると便器にケツがハマって抜けないようにも見えますね。 |
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!!?
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おっさんがもの凄く怪死している。
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手足の間接がグニョングニョンでえらい事になってますがな。 |
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ちーん。 |
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アーチの屋根の上では小人みたいな奴が見張っていたが、
遠くてよく見えない。
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壁に取り込まれるシスターらしき人物と、顔色の悪いモンスター。
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チェコの伝説はこれ系のネタがやたら多いようじゃな。 |
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パッと見だとむしろ、シスターの方が凄い術でモンスターを翻弄しているように見えるけどね。 |
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見上げればそこにはゴブリン。
心なしか中指を立ててファッキューしてるようにも見えるが、さすがに気のせいだと信じたい。
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コイツはあれか、夜中にこっそり靴を作ってくれるやつだっけ? |
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そうでしたっけ? 確かに凶悪そうな面の割りになかなかオシャレ度が高い奴ですね。 |
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さらに、頭上には悪魔というか、角の生えたおっさんが飛んでたりするから、なかなか油断できない。
そう言えばこの近くには、かつて悪魔メフィストフェレスと契約した事で有名な魔術師のファウスト博士が住んでいたそうで、
もしかしたらそれと何か関係があるのかもしれない。
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真下から見上げるとこんな感じ。
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何なのよ、この加齢臭が漂ってきそうなダンジョンは。 |
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通路を進んでいくと、また前方に誰かがいる。
なんというか、急に出現する場合も驚くが、あからさまに遠くから見えているタイプの恐怖感は、
『バイオハザード』とかのホラーゲームのものに近い印象だった。
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だとしたら、ロケットランチャーが無きゃ我々ゲームオーバーですよ。 |
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ゴチャゴチャとマニアックな事言ってないで早く前に進みなさいよ。 |
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近づくと、明らかに何かに感染したような土色の肌と、
いかにも狂信者という感じの正気を失った表情でヤバい雰囲気。
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修学旅行の夜に廊下で見回りしている恐い先生にも見えるな。 |
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夜更かしバレたら十字架でひっぱたかれるんでしょうか・・・。 |
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僅かに開いた扉の隙間から覗くと、首チョンパのテンプル騎士団がいた。
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何やら曇った窓があったので覗いてみると・・・
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そろそろ見飽きてきた惨殺死体とご対面。
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ここは幽霊よりも死体かおっさんの方が多いな・・・。 |
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色々な意味で恐ろしいところに来ちゃったわね・・・。 |
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通路を右手に折れると再び階段が見えてきた。
どうやらいよいよクライマックスらしい。
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かれこれ30分くらい撮ってるが、一向に他の客が来ないな。 |
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もしや我々はいつの間にか、次元の狭間に飛ばされてしまったのかもしれませんぞ・・・。 |
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何よそのナントカの神隠しみたいなクソ状況は・・・。 |
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壁の隙間から中を覗くと、ウォータースプライト(水の精)がいた。
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野性のおじさんが悲しそうにこちらを見てるぞ・・・。 |
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ドブにハマって出られないみたいになってますね・・・。 |
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こちらは天井付近を漂う不気味な赤ちゃん。
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こいつに至っては、もはや被害者なのか加害者なのか分からない。
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ここに来てシーツを被ったみたいなオーソドックスな幽霊が出現。
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こりゃいよいよ文化祭っぽくなってきましたね・・・。 |
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演出がスタミナ切れしちゃってるじゃないのよ・・・。 |
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これまでの埋め合わせをするかの如く虚空を彷徨う幽霊。
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と、その時である! 我々はここの頭上に、他にも何かがいる事に気付いた。
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!!?
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来る~きっと来る~♪きっと来る~♪ |
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ポマードポマードポマード!!! (※対・口裂け女用の呪文) |
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ゴゴゴゴゴ・・・
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なんというシリアルキラー顔・・・! 間違いなく一連の殺人事件の犯人じゃろう・・・! |
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もう睨まれただけで呪い殺されそうですってばよ・・・! |
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生きてようが死んでようが、結局人間の負の感情はおっかないって事ね・・・。 |
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階段を登りきったところで暗幕があり、
ようやくこのヘッポコなダンジョンの出口に辿り着いた。 しかし、この最後の最後に思わぬサプライズが発生。
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扉が開かない。
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こうして我々は来た道をバカみたいに引き返し、
人間界に無事生還を果たした。 決して行く事はオススメしないが、ちょっとした時間潰しにはなかなか面白い施設ではあった。
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まさかラストで、あんなどんでん返しのホラー展開になるとはな・・・! |
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本当に返されちゃってますがな・・・!
リアル脱出ゲームじゃあるまいし勘弁してほしいですよ・・・。 |
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もしかしてさー、あたし達が今日初めて来た客だったんじゃない? |
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なお、数々の恐怖を乗り越えゴール(扉の向こう側)まで辿り着いた勇者には、
栄えある来館記念の記帳が行えます。
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「出口の鍵開けとけよ」と書きたいところだったが、
チェコ語も英語もとっさに分からなかった為、お約束の内容を書いておきました。
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オマケ
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プラハと言えば、浦沢直樹のサスペンス漫画『MONSTER』の主要舞台の一つである。異論は既読スルーとする。
作中では登場人物達が謎を解く為の手がかりとして、「チェドック橋の3匹のカエル」という重要なキーワードが登場する。
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チェドック橋というのは架空の場所だが、カレル橋の橋塔のすぐ近くのレストランが、
その“3匹のカエル”が指し示す家のモデルになったとされている。
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実際にはカエルではなく、3匹のダチョウだった。
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いやいや、何だよダチョウって!? カエルの方が一般的でいいやんけ! |
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事実は小説・・・いや漫画よりも奇なりという事ですね・・・。 |
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