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[2013.09.10]

火事を招く『泣く少年』の絵
~呪われた無垢な眼差し~



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1985年、イギリスの南ヨークシャー州ではですね、奇妙な火事が頻繁に起こっていたんですよ。
いや、火事自体は別に普通なんですがね、現場の焼け跡がおかしいんだ。
って言うのもですね、家が全焼する程の火事であるにも関わらず、何故だかある1枚の絵画だけが、焦げる事さえなく、度々無傷で発見されたそうなんですよ。


『泣く少年(the crying boy)』の絵▲

別に特別なものが描いてある訳じゃないんですよ。
ただ、目から涙を流してこっちを見つめている、可愛らしい少年がキャンバスいっぱいに描かれてるだけなんですよ、ええ。
この『泣く少年(the crying boy)』の絵は、戦後のヴェネチアで旅行者向けに イタリア人画家のG・ブラゴリン (彼はフランチョット・セビリアとも名乗っていたがこれらは偽名で、実際には ブルーノ・アマディオというスペインの芸術家であり、絵が話題になる前の1981年に他界している)が描いたものと言われているんですよ。
絵にはいくつかシリーズがあって、1960年代から広く出回り、 既に複製画が市場に5万枚も売られているものみたいなんですね。

様々な種類がある『泣く少年』の絵シリーズ▲
家を燃やされた被害者としては、 「泣きたいのはむしろこっちだよ」といった感じだろう。
初めて『泣く少年』の絵について報じられた1985年9月4日付け『The Sun』の記事▲

でね、1985年9月4日に、イギリスの『The Sun』ってタブロイド紙が、南ヨークシャー州にある鉱山の町ロザラムで発生したロン・ホールとメリー・ホール夫妻の家が全焼した火災で、 何故か少年が描かれた安い絵が燃え残ったこの現象について報道したところ、読者の反響が凄まじく、問い合わせや同じ経験をした人からの電話が殺到したそうなんですよ。
例えばですね、ミッチャム在住のドナ・マンは、この絵を買ってから半年後に、自宅が火事に遭って全焼してしまい、壁に飾ってあった絵は全て燃え尽きたらしいんですがね、その『泣く少年』の絵だけは無傷で焼跡から発見されたそうなんですよ。
腹立ち紛れに、1枚だけ残ったこの絵も焼いてしまおうとしたそうなんですがね、どんなに火をつけても燃えないばかりか、うんざりした彼女が絵をゴミ箱に捨てようとしたら、何か見えない力によって押し戻されたらしいんですよ、ええ。
また、北ヨークシャー州キルバーン在住のサンドラ・クラスケは、絵を買った翌日に火事に見舞われ、その後も続けて2度火事に見舞われたそうなんですよ。
しかも彼女だけでなく、彼女の義理の姉や友人も、悲惨な火災に見舞われたそうです。

『泣く少年』の絵を持つ女性アンジェラ・ワーシントン▲
彼女の叔母は、1992年3月にこの絵を自宅に飾ったところ、 その翌日に3度の出火に見舞われたという。
また、決まって火事の起こる前の晩に、燃えさかる炎の中で、絵の中の少年が目をギラッと光らせて、「お前は焼けてしまう」と気味の悪い声で火事を予告する夢を見たそうなんですよ。
さらに、アパートが火事になり、何とか命拾いしたリーズに住むリンダ・フレミングは、火事が起こって逃げ出す際、ふと後ろを振り向くと『泣く少年』の絵の周囲だけが全く火の気がなく、少年が逃げる彼女をじーっと睨みつけていたそうなんですよ。
この様な出来事は数十件にものぼっているそうでしてね、絵が火事を招いたんじゃないかなんて噂され、 ヨークシャーの消防士達は決してこの絵を自宅に飾ろうとはしないそうです。
例えば、ロザラム消防署の役員であるアラン・ウィルキンソンは、 これらの火事は基本的に人間の不注意によって引き起こされたものと信じているものの、 『泣く少年』の絵だけが壁が崩れ家電製品が溶ける程の灼熱地獄を生き延びた事については説明出来ず気味悪がっているそうで、 彼の奥さんは「少年の涙が火を消しているんじゃないか」なんて斬新な自論を述べているみたいですね。

『The Sun』の企画で読者から送られた2500枚の『泣く少年』の絵が消防隊の監視下で焼却処分された▲
同誌の編集者であるケルビン・マッケンジーは、絵がこれだけ集まった理由としては、 夫婦のどちらかがこの絵を気味悪がり、処分する良い機会であったからという見方をしている。
この呪われた絵の存在は、イギリスで長年に渡り都市伝説として語られており、 絵の呪いを解くには、少年の絵の隣りに少女の絵をかけて一緒に飾らなければいけないだなんて言われているみたいなんですね。
また、一説には実はこの少年は、 画家のブルーノ・アマディオが1969年にスペインのマドリードの小さな通りをうろついていた際に偶然見つけた少年がモデルらしいんですね。
その少年は、とても悲しい表情をして一言も話さなかったらしく、 彼の素性を知るカトリックの司祭曰く、 彼はドン・ボニロという名の両親を火事で失った孤児らしく、 どうやら物に手を触れずに火をつける事が出来る超能力を持つ存在(パイロキネシスト、またはファイアスターター)だったそうなんですよ。
しかも、彼の両親が焼け死んだ時、その場から逃げ出す少年の姿が目撃されていたみたいなんですね。
司祭は少年に興味を示したアマディオに、 村で悪魔の子と呼ばれている少年に関わらないよう忠告したそうなんですがね、 それを無視して少年をモデルにして絵を描いた。
しかしその後、アマディオのアトリエで火災が発生して、少年は逃げだしてしまった。
それから10数年後、1976年にバルセロナ郊外で車が壁に衝突して炎上する事故があってドライバーは死亡し、 焼け残った免許証からドライバーが19歳になったドン・ボニロ少年である事が判明したってな話みたいなんですよ。
もっともこのエピソードについては信憑性が乏しく、 近年になって尾ひれがつけられた様な噂話程度のものらしいですがね。

実験で燃やされる『泣く少年』の絵の映像▲
呪いの正体が解明される日は来るのか?▲

さて、2010年に イギリスのコメディアンで作家でもあるスティーブ・パントがBBCラジオ4の番組『パント・パイ』において、 この絵の呪いの謎を解明する為に実験を行った。
研究の為に様々な物を燃やすワットフォードにある建築研究所で、 『泣く少年』の絵を燃やしたところ、炎は絵の周囲の額に燃え移ったものの、 やがて火は弱まり、結果的に絵の外側が焼け焦げるだけに留まったそうなんですよ。
しかしどうやら、絵自体にダメージが少なかったのは、 絵の後ろ側にある掛け紐が最初に燃える事で絵の前面が下に落ちて保護される為、 熱から守られやすい状況となるという事が判明したみたいなんですよ。
ただ、これを持って『泣く少年』の絵の謎が解明されたとは言い難く、 肝心の火事が引き起こされる原因も不明のままですし、 呪いによる被害は、今後もますます広がっていくのかもしれませんよ・・・。


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