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[2013.09.06]

シーサーペント
~船乗りに恐れられた伝説の大海蛇~



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シーサーペントとは、紀元前からギリシャ神話や伝説に登場する海の巨大な怪物で、嵐と共に現れて、船乗りを海中に引きずり込もうとする、とんでもない奴だ。
性格は獰猛で、魚類や哺乳類を捕食し、基本的には体長約20m、約1.5m間隔で茶色い輪模様がある巨大な海蛇の様だとされているが、目撃例によってその姿は様々だ。


シーサーペント(Sea Serpent)▲
中世から近代にかけて作られた世界地図では、 海洋部分にシーサーペントの姿が描かれている事もしばしば。
1964年12月に撮影されたシーサーペントらしき怪物の写真▲
オカルト雑誌等ではよく見かける定番の代物で、重油漏れみたいとも言われた。

1964年12月12日には、オーストラリアのクイーンズランド州沖合のホワイトサンデー島で、フランス人写真家のロベール・ル・セレックが巨大なオタマジャクシの様な生物の影を撮影している。
ル・セレックはその時、夫人と3人の子供、友人のル・オングとでキャンプしており、猛烈な嵐で4日間閉じ込められた後、彼らは海上に、小型ランチと手漕ぎボートで乗りだした。
すると子供が海中に変な物がいると叫び、ル・セレックが見てみると、水深2~3mの海底に、全長20~25m程の、真っ黒で一定の幅で茶色い輪模様がついてるウロコの無い蛇の様な生物が、微動だにせず横たわっていたそうだ。
ル・セレックはその姿をカメラに収め、友人のル・オングとそれを確かめる為、静かに水中に潜り、生物の6m手前まで接近した。
するとそこには、盛り上がった頭部に、縦についたまぶたがあり、青白い緑色の眼で睨む生物がいたそうで、突然、口を大きく開けて前進してきたそうだ。
驚いた2人が一目散に小型ランチに逃げると、生物は向きを変え、サンゴ礁の裂け目から、ゆっくりと泳ぎ去ったという。
夫人の観察によると、その生物の背中には、1m半程の大きな傷口が開いていて、そこから白っぽい肉質が見えたらしい。
もっともル・セレックは、以前に詐欺を行った事があり、インターポールに指名手配される様な人物で、1964年以前から、「金儲けの為に怪物の写真を撮る」とか言っていたって情報もある事から、この話は研究者達の間では相手にされていないそうだがな。

1848年、ディーダラス号の前に現れたシーサーペント▲
1639年にアメリカのマサチューセッツ州にあるアン岬で目撃されたというシーサーペント▲

近年最も有名な目撃例では、1848年8月6日に東インド諸島に向けて航海中のイギリス軍艦ディーダラス号が、希望峰とセント・ヘレナ島の中間でシーサーペントに遭遇している。
それは体長20m位で、海上に1.2m程頭を突き出し、毛とも海藻ともつかない、たてがみの様なのものが背中についており、艦長と士官4人、水兵3人に20分間も目撃され、その後、船の風下側をかすめる様に猛スピードで通過していったという。
すると、それまで穏やかだった天候が急変し、暴風雨が起こったと言われている。
後日、この事件は当時の新聞で大きく取り上げられ、艦長のピーター・マクヒーは、伝説のシーサーペントの目撃を名誉にかけて誓ったそうだ。

1734年にハンス・エジトによって記録されたシーサーペント▲
高く首を上げて潮を吹いたらしく、体表の一部には毛が生えていたという。
旧約聖書の『ヨブ記』、『イザヤ書』等に書かれている怪物レヴィアタン(リヴァイアサン)▲
姿形にも共通するところがあり、シーサーペントを思わせる存在だ。

1852年1月13日には、捕鯨船モノンガヘラ号が南太平洋の赤道近くを航海中、船首の前方800mの海中にうごめく異様な生物を発見した為、シーバリー船長は3艘のボートを送り、銛を打ちこんだ。
すると生物は一瞬海中に消えたかと思いきや、次の瞬間、3mはある巨大な頭がボートに向かって突進してきたそうだ。
ボートはひっくり返り、船乗り達は海に投げ出されると、生物は吠え声をあげたそうだ。
しかし、彼らは頑張って網を繰り出し、何とか生物との闘いに勝利した。
翌朝、生物の死体が海面に浮かび上がったその姿は、体長30m以上、胴の最大周囲15m、巨大なワニの様な頭で、長さ8cmの鋭い牙が24本生えており、茶色がかった灰色の体には、幅約1mの明るい縞目が全体にあったらしい。
その後、シーバリー船長は生物の頭部を切断し、大きな塩漬けの桶に入れ、近くにいた船に依頼し、報告書とともにニュー・ベッドフォードへ送ったという。

中世以降、デンマークの司教ポントピダンが『ノルウェー博物誌』で記したシーサーペント▲
1555年に描かれたシーサーペント▲

シーサーペントの正体は、漂う流木や海藻の固まりの誤認、深海魚のリュウグウノツカイや巨大ウナギ等の誤認が考えられるが、カナダのマニトバ大学の物理学者アームガード・レーン博士は、セイウチなどの海洋生物が蜃気楼によって見え方が変化し、巨大な怪物に見えるという説をあげている。
実際にニクロム線を挟み、電流を流す事で温度を上昇させる1mのアルミ板を2枚並べ、温度差を人工的に作って蜃気楼を発生させる実験を行った結果、縮小したセイウチの姿が3倍に見えたそうだ。
また、自然界で蜃気楼が発生しやすいのは静穏状態、つまり嵐の前の静けさの時なのだ。
また、シーサーペントの目撃報告は19世紀半ばから激減しているんだが、それは船舶の大型化が原因だと考えられるのだ。
海上で発生する蜃気楼は、最も大きな温度差が生じる海面から高さ約2~15m付近で目撃される事が多く、近代の船舶は海面から高さ20m以上あるので、蜃気楼を見る事が無くなったんだな。
この事からも、シーサーペントの正体は、蜃気楼による海洋生物の誤認が有力である。


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