盗まれた聖杯を探して警察がパブをガサ入れ→しかし発見したモノは・・・？

ナンテオス聖杯▲ 何世紀にも渡り奇跡的な癒しの力があると信じられている、神秘的な木製のお椀。 もともと直径12ｃｍ、高さ10ｃｍの堅木のボウルのような形状であったそうだが、 今では大きく損傷して、半分くらいの破片しかない。

この程、イギリスのヘレフォードシャーの村のパブに、盗まれた聖杯があるとの通報を受け、警察がパブの家宅捜索を行ったそうです。
聖杯と言えば、キリストが最後の晩餐で飲食に使用したとされる器であり、 アーサー王やアドルフ・ヒトラー、インディ・ジョーンズなどが血眼で探し求めた事でお馴染みですが、 今回の捜索対象となったのは、今年7月にパブの近隣にある入院中の女性宅から、 何者かによって盗まれた「ナンテオス聖杯」と呼ばれるものみたいです。
ナンテオス聖杯は、キリストの死後、彼の遺体を引き取ったとされるアリマタヤのヨセフが、 ヘンリー8世の治世中、イギリスに持ち込んだという伝説があるものだそうでして、 19世紀以降、その杯で水を飲むと病気などを癒やす奇跡的な力があると信じられ、地元で崇敬されているらしいです。
ただし、聖杯を検査した科学者らは、製造年はキリストの死後数百年以上は経過しており、 使用されている素材も、中東の飲用容器に使われたと考えられるオリーブの木ではないとほぼ断定しているらしく、 実際には1400年代前後に作られたものではないかと考えられているそうです。

ナンテオス聖杯と同様の設計の14世紀の杯▲

ところで、 ナンテオスという名前は、この聖杯を一時期所有していたアベリステゥイスという町の屋敷「ナンテオス・マンション」にちなむそうです。
この屋敷に住んでいたパウエル家が1950年代まで聖杯を所有していたそうですが、 その後はウェールズの銀行の金庫に保管され、所有権はステッドマン家に移ったそうです。
そして、聖杯は2010年から、重病を患う女性（今回泥棒に入られた被害者）のもとに一時的に貸し出されていたのだそうです。
なお、肝心のナンテオス聖杯の行方ですが、残念ながらパブでの発見には至らなかったそうで、 その代わりになんとなく似ている木製のサラダボウルを発見したそうです。
今回家宅捜査を受けたパブ「Crown Inn」の女主人ダイ・フランクリンさん（58）もビックリしているらしく、 「私は誰かが極めて貴重なものを盗んだならば、それが私のパブで陳列されているなんて思えません。 警察にカップの写真を見せられましたが、それがもはや完全な形ではなかった為、 もし手元にあったら火にでも投げていたわ。うちの店でそれっぽいものと言ったら、サラダボウルくらいだわ」的な事をコメントしているそうです。

・・・失われた聖杯だと思った？残念、サラダボウルちゃんでしたー！と言ったところですかね。
それにしても一体誰がタレコミしたんでしょうか・・・。
とにかく一刻も早く聖杯が元の場所に戻る事を祈るばかりです。
うちのお味噌汁を飲む時に使うお椀にも雰囲気そっくりですけど。

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