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[2021.05.08]

石庭
~宮古島の神秘のパワースポット~



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世の中にはしばしば、夢に現れた神のお告げをきっかけに覚醒し(※1)、突如として、奇妙な創作活動に邁進し始める人々がいる。
それは独自の信念を具現化した聖地(パラダイス)となる場合があり、沖縄の宮古島にある「石庭」も、そんな神聖な場所の一つだ。

※1:珍スポットの誕生譚としては比較的ポピュラーな内容だ。
“映え”狙いの作為的な商業施設とは異なる、ナチュラル・ボーンの存在なので希少性は高い。
あえて何トンもの重さがある岩を主要素材にしてしまうなど、作者の常人離れしたバイタリティの高さも特徴的である。


同地は島の中心部、宮古空港からも程近い距離にある。


この空港内の広場に、「フナイマーク」なるパワースポットを作ってしまうくらい、 スピリチュアルに関心があった船井総研(※4)の創業者・船井幸雄氏が、著書で紹介した事で石庭は有名になった。

※4:正式名は(株)船井総合研究所。
業界で世界初の株式上場を果たしたコンサルティング会社。
現在の称号は(株)船井総研ホールディングス。


船井氏が夢で見た図形を元にしたフナイマークは、地面にモザイクタイルで描かれており、 中心に立つと良いエネルギーが集まるという。
島への到着時に旅の無事を祈ったり、帰りのフライトの待ち時間に気軽に立ち寄れる、知る人ぞ知るパワースポットだ。


1980年5月、地元に住む新城定吉氏が夢で啓示を受け、自宅の裏庭である広大な土地から石柱を掘り起こした(※2)。

※2:新城氏は元々無神論者だったそうだが、子供の頃から時々、白日夢や夢のお告げのようなものを見る事があったそうだ。
やがて50歳を過ぎた頃、目には見えない力=神の存在を悟り、庭の奥に御嶽(拝所)を整備。
そして60歳になった1980年、いつもつまずいて邪魔に思っていた石柱が、「自分を掘り起こしてほしい」と叫んでいるような、 不思議なエネルギーを感じ、1週間がかりで掘り起こしたのだという。


以降、次々に岩を見つけては並べ、たった1人の人力のみで30年以上かけ、560個超の奇岩が林立する庭園を築き上げたのだ。
惜しくも新城氏は2015年に94歳で亡くなられたが、彼が作った石庭は、今では“宮古島一のパワースポット”として注目を集めている。




そしてこちらが石庭の出入口。
見た目はジャングルだが個人の庭である為、「声を掛けてお入りください」という看板がある。




少し離れた新城邸で夫人に挨拶し、渡された地図(200円)を片手に内部へ。


敷地はなんと東京ドーム約1個分もあり、地図が無いと迷子になりそうなくらい広大。




鳥居のようなガジュマルの木々を抜けると、円形の芝生「太陽のサークル」を中心に、大小様々な石灰岩が随所に配置されている。


この庭は“地球のヘソ”に当たり、大地から天へ上昇する宇宙エネルギーが出ているらしい。




特にサークル内は一際強い為、靴を脱いで入るというルールを守れば、瞑想する事も可能らしい。


所々の岩盤には不思議な名前や格言のプレートが付けられている。
岩を掘り起こした時に神託された言葉らしく、やたら壮大な感じのスピリチュアル・メッセージが目立つ。


「島の隆起を教えた岩」「巨石を掘り起こすのに棒のテコの使用を教えた岩」「根付いた巨石でも起こし立てられる事を教えた岩」など、妙に説明的な表記も。


特に奥の「宇宙人」なんかは思わずアセンションしそうなセンスだ。




また、「天から神が昇り降りしていた場所跡」とされる石の階段や、大地の割れ目である陰陽の穴などがある。






何かを得られるかは個人差があると思うが、90歳頃までテコの原理で巨石を動かし続けた、 新城氏の超パワーは感じられる事だろう。



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