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[2021.03.06]

三ツ石神社
~岩手の県名由来となった岩に残る鬼の手形~



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様々な理由から現在の名称になった日本の47都道府県は、改めて意識してみると、不思議な漢字の組み合わせが結構ある。
東北の「岩手」も当てはまると思うが、実は盛岡市に鎮座する「三ツ石神社」には、この“県名の由来になったモノ”が残されて‎いる。


住宅街に位置する同神社は小さく、一見普通の平穏な雰囲気。


しかし入口の鳥居付近には、確かに「鬼の手形 DEMONS’ HAND PRINTS IN THE ROCKS」なる禍々しい内容が(インバウンドに配慮しつつ)書かれた、 やや厨二テイストの看板が立っているのだ。


また、社名の通り、境内の奥に建つ拝殿の傍には、 注連縄と鎖が付いた巨大な花崗岩が3つ、デーンと立ち並んでいる。


これらはかつて岩手山が噴火した時に落ちてきたとされ、古くから「三ツ石様」と呼ばれ人々の信仰を集めてきたという。


伝説では昔々、この地に“羅刹”という鬼がいて、悪事を働いていた。


そこで困った村人達が神に祈願すると、たちまち鬼は3つの岩石に縛りつけられて降参し、 もう二度とこの地に来ないと誓う。


言わば“鬼滅の岩”という感じだろうか。
ちなみに、 鬼が「二度とこの地に来ない」と約束した事が、盛岡一帯の古い呼び名である「不来方(こずかた)」の由来にもなったという。


また、この時、鬼の退散を喜んだ村人達が、三ツ石の周りを「さんささんさ(さぁさぁ)」と何日も踊ったのが、 現在も毎年夏に盛岡で行われる“さんさ踊り”の起源とされている。


そして、伝説によれば、鬼は約束の証として、岩に手形を残して逃げ去ったという。


そう、この「岩の手形」から「岩手」の県名が誕生したという訳だ。
三ツ石様の合間を抜けた拝殿側面には、 手形のレプリカの如き絵が飾ってある(※1)。

※1:遠目から見ると、岩から削り取られた実際の手形のように見え、テンションが高まって一瞬惑わされるが、 あくまで写実的な絵である。


オリジナルも岩盤に一応残っているらしく(※2)、雨上がりなら浮き出て見えやすいようなので、興味のある人は全集中で探してみてほしい。

※2:訪問時は何処にあるのかよく分からなかった。よもやよもやだ。


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