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[2020.07.05]

長命ヘルシン酢醸造
~夢のお告げで描かれた岩龍神~



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桜島と錦江湾を望む山肌に、極彩色の巨大な龍が泳いでいる。


ここは、鹿児島県霧島市の「長命ヘルシン酢醸造」(※1)。
特産品の純米黒酢を製造・直売しているメーカーでありながら、世界平和と健康長寿を祈願する珍パワースポットでもあるのだ。

※1:ヘルシンとは、同地の主力商品である黒酢ドリンク「ヘルシン酢」を指す。
黒酢に純ハチミツを加えた誰でも飲み易い味になっている。売店や自販機で購入可能。


醸造所の会長・山下芳文氏はある朝、“山で暴れる龍”の夢を見た。


そこで2000年10月、東京から美術家・高橋アキラ氏を呼び、 裏山に全長約150mに及ぶ龍神の岩絵「龍の神石(かせき)」(岩龍神、隼人龍とも)を描かせ、その姿を大迫力で再現したのである(※2)。

※2:会長は以前から「斜面の岩が何かの形に見える」とは思っていたらしいが、 夢をきっかけに覚醒し、脳内世界を具現化し始める行為はまさに“珍スポあるある”だ。
彩色の際は、岩を動かしたり削ったりは一切せず、自然のままの形状を活かし、下書き無しの一発描きだったとか。




黒酢を飲む者の健康を祈った作品でもあり、 翌年2月には、霧島神宮/明治神宮/北海道神宮から賜った御霊の入魂式が行われた。


実際にご利益があるかは不明だが、少なくとも国道を通る人々を驚かせつつ、 黒酢販売の客寄せ効果は存分に発揮しているという。
ちなみに、夜はライトアップされるらしい。


敷地内に一歩入ると、約1000個の黒酢のカメ壷がズラッと並ぶ光景に圧倒される。さながら龍の卵(ドラゴンボール)のようだ。


古来より伝わるお酢の醸造方法で、カメ壷に麹と玄米、天然の湧き水を入れ、野外に置いて自然発酵させている。






それらを横目に参道の坂を上ると、鳥居の先に金色の神仏像や祠が乱立し、宗教テーマパークの如き賑やかな雰囲気が漂う。








手作りした像や、参拝者が奉納した像を設置するうちにカオス化したらしい。


ここからの眺めは良く、桜島と錦江湾(鹿児島湾)の他、テレビ番組でたまに取り上げられる巨大スーパー「A-Zはやと」も近くに見える。






また、龍神の背中(参道の頂上)には、天照大神(アマテラスオオミカミ)像が鎮座している。




天気が良い日は、ここから宮崎方面に、“天孫降臨の地”とされる霧島連山の高千穂峰も見える。
元日には初日の出を見に人が集まるというから、何かとおめでたい感じの場所のようだ。




かと思えば、 各所に怪しい日本語のメッセージや、しれっと会長や二宮金次郎像も紛れるなどの見所(ツッコミ所)も。






龍神伝説が多い同地域を象徴する、実に摩訶不思議な山なのだ。


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