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[2021.04.27]

小田野フルーツ村
~魔改造された謎の果物農園~



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果樹栽培が盛んな山梨県山梨市の山間部、軽トラが本領発揮するであろう、入り組んだ農道を登った先に、とても奇妙な場所がある。


無人八百屋っぽい道端の小屋が目印で、内部には捻じれた木とマネキンの生首が融合した“何か”があり、コズミック・ホラー(※1)な存在感を放っている。

※1:クトゥルフ神話や、それを元ネタにもした諸星大二郎氏の漫画を思い出す異形の姿だ。


ここは、その名も「小田野フルーツ村」。




グーグルマップにも載らず(※2)、明らかに只ならぬ雰囲気だが、こう見えてブドウ狩りなど(※3)が出来る果物農園(直売所)なのだ。

※2:正式名は「高原フルーツ農園」で、訪問時は2018年だが、2021年現在も一向にマップ上に登録される気配はない。

※3:シーズンの9月からはブドウ、11月からはリンゴが穫れるという。








巨峰がたわわに実る樹木の天井に覆われた敷地内外には、バグった案山子のような人形が、そこかしこに点在。








そしてフリマの如く、仏像や彫刻、壺などの骨董品、民芸品などのオブジェがあちこちに配置され、なんともカオス。








案山子の頭部はやはりマネキンで、ビビッドなピンク色の髪の毛、星型のサングラスなどをつけ、半被を羽織り、妙にパリピっぽい感じになっている。




また、「うふふはまほうの言葉」「あれから40年」「みせかけの愛でもいいわ!!」「ずるい女にだまされた男・・・」「夢を持とうとした女がひとり」 「おーいと名前を呼ぶ声に振り返れば、そこには手を振る母の姿が・・・」など、 意味不明な手書きコピー(きみまろ&みつを風)の看板が乱立。




特に奥のブドウ畑は精神崩壊しそうになる情報量だ。
家畜や植物に音楽を聴かせて育てると、味が美味しくなる音響栽培という手法があるので、 これもそんな感じの特殊な環境下であえてブドウを育てているのか?・・・とも思ったが、別にそうでもないらしい。


これらは全て、農園を営む高原正富氏が自作したアートなのだ。






訪問客に少しでも楽しんでほしいというサービス精神と、目立つ事による宣伝効果の期待から増殖したそうだが、 行政の条例(※4)に阻まれ、以前に比べると作品はだいぶ撤去されたという。

※4:看板の面積に応じて税金を納めるよう言われた為、泣く泣く作品を多数どかしたという。




突然変異で生まれたような、濃厚な農園(パラダイス)だ。


なお、訪問時はお土産に甲州巨峰を購入。
しかし帰りの高速で後続車に追突された為(テールランプ破損の軽傷)、衝撃でだいぶ車内に散らばってしまった(写真は急いでかき集めたまさかの状態で撮影したもの)。
だが、それでも瑞々しくてとても美味しかった。


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