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[2021.05.15]

珍宝館
~性神の使者が股間を刺激する性地~



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昭和のバブル期に絶頂を迎えた秘宝館系の施設は、平成に入ると衰退の一途を辿り、令和の現在は絶滅危惧種となっている(※1)。
展示内容がアダルトな為、大っぴらに細部を紹介しづらく、文字通り存在を秘されてしまう事も要因の一つかもしれない(※2)。

※1:アダルトな展示物が並ぶ施設自体は今も各地に点在するが、 薄暗い館内で機械仕掛けの人形が妖しく作動するような“秘宝館”は、もはや「熱海秘宝館」しか残っていない。

※2:東京五輪を開催する影響で、コンビニの雑誌コーナーからエロ本が撤去されるような、コンプライアンス(上っ面)に厳しい昨今ではなおさらである。
もっとも、コロナ禍で撤去の発端となったインバウンドまで消滅したのは皮肉な事だ。


だが、そんな大人の事情(放送コード)も物ともせず、館長のキャラが強烈なあまり、メディアに度々取り上げられるのが「珍宝館」だ。


珍スポにあまり興味がない人も、群馬県吉岡町の伊香保温泉付近にある同地の名くらいは、何かで聞いた事があるのではないだろうか。




1978年オープンの珍宝館は、3500点超の性的な珍品(万品)が並ぶ博物館だ。




特に“館長兼マン長”の「ちん子さん」(※3)によるピー音連発必至の下ネタ案内トークや、 客の股間に触れて子宝や性春を祈願する過激パフォーマンスが注目を浴び、長年愛されている。

※3:自称“性神の使者”で、フルネームは「清水ちいこ」。
彼女の名ガイドを体験すると、「男性はそそり立ち、女性は濡れや締まりが良くなる」との事。
ちなみに訪問時は不在だったので、正直ホッとした。


入ってすぐの場所に鎮座する、中庭の夫婦石(拝み所)。
ちん子さんが降臨し、エロ・パワーワードの連射をおっ始めるお立ち台だ。
館内最大のパワースポットでもあるらしく、彼女のゴッドハンドによりチン運やマン運を上昇させるという。


展示室は新館と旧館で構成されている。
順路の最初となる2012年竣工の新館は、秘宝館=薄暗い室内にある昭和の遺産のようなイメージを覆す、モダンな造りの明るい雰囲気。




ズラッと並ぶ性的な資料も、そこまでドぎついモノはなく、 性地巡礼の初心者でも楽しめる施設となっている。




お約束のマリリン・モンロー像も、ソフトなお色気要員として当然パンチラしている。










春画や陰陽石(珍石万石)が多数並ぶ中、「ベベ観音」(半裸)や「子宝観音」(全裸)などのセクシーな仏像も魅力を放つ。


続いて隣の旧館へ。入口の前には陰陽石が鎮座している。






こちらの館内は、木造の男根やエロ系の置物が多め。




ちん子さんは元々ご主人と食堂を営んでいたそうだが、珍品を集めて飾っていた事が高じて、ついには珍宝館を設立したという。






クライマックスは男女絡み合い木像の間。
「“ぱらいそ”さいくだ!」(※4)と言わんばかりに、 ウネウネした木彫りの全裸男女が壁いっぱいに連なり、摩訶不思議なエロ空間となっている。

※4:諸星大二郎の漫画『妖怪ハンター』の「生命の木」より。作品を象徴する有名台詞の一つ。




複数のラブドールと並んで、ちん子さんと一緒に記念撮影可能なプリクラや、アダルトグッズがゲット出来る1000円ガチャなどの意外な新要素も。


出口付近にはお土産処が。
ここだけで入手可能なオリジナルグッズも多数並び、 「Chinpokan」のロゴ入りTシャツなど、無駄にスタイリッシュなアパレル商品も豊富。


時代が変わっても、人々に精力を与え続けるパワースポットなのだ。





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