静岡県熱海市にある錦ヶ浦は、断崖絶壁が続く景勝地として知られているが、 その風光明媚さとは裏腹に、B級ファンには見逃せない珍妙で貴重なお宝の数々が眠っている場所でもあるのだ。
熱海秘宝館
かつての温泉リゾートの代名詞であった熱海も、不況の煽りを受けて廃墟だらけと化している中、 町を見下ろすアタミロープウェイ山頂駅に隣接するこの熱海秘宝館は今も健在。
長年に渡り大人のアミューズメント施設として営業を続け、ある意味では定番の観光地となっている為、自分のお父さんお母さんが昔冷かしに足を運んだという人も結構多いかもしれない。
さあ、この勢いでお次は世界の秘密が拝める禁断の花園、秘宝館に乗り込むぜい!
いや、そんな勢いないですから・・・。もうヘトヘトですから精神的に・・・。
ちょっとハードスケジュール過ぎだろ今日・・・。 ろくにメシ食う時間もねえじゃねーか!
正面エントランス部分に印象的に設置されている妖姫マーメイド像。 なんと数千万かけて作られたサイボット(サイボーグロボット)らしく、以前は歌に合わせて口を動かし、楽器も奏でたというが、 今では動かなくなり、お肌の色も何だか黒ずんでしまっている。
ってか乳首黒いなオイ!おっぱい揉まれ過ぎたんかいのー!?
頼むから誰かこのテンション高いバカ野郎を黙らせろ。
丸くなるどころか年々キャラが酷くなってますね・・・。
受付の横の展示スペースの入口付近には、浦島太郎を送り届けた立派な亀頭カメがあった。
さて、このエロスの殿堂、有料展示ゾーンは撮影禁止との事で、残念ながら 写真をお見せする事が出来ない。ぶっちゃけ前を行く観光客が普通に写メっていたので知らずに一部撮影してしまったのだが(言い訳)、 掲載してもどうせモザイク祭りと化してしまうので基本的にはガッツリ割愛する。
この先に一体どんなお宝が待ち受けているというんじゃ・・・!?
秘宝館ってくらいですから隠すべきものばっかなんでしょうな・・・。
ば、バカな、入館料1700円だと・・・!?
ご当地ネタである「お宮の松」をエロ化したものを始め、 迸る熱いパトスにより生み出された様々な機械仕掛けの展示品が笑いを誘う。
セックスシンボルとして秘宝館のお約束となっているマリリン・モンロー像。 手前のハンドルを回すと、セクシーボイスと一緒にちょっとした仕掛けが作動するアナログ仕様がなんとも微笑ましい。
脱力感溢れるエロスを、 動画でもどうぞ。
・・・・・。
終盤のゲームコーナーに設置してあった「男女対抗もぐら叩き」なるマシン。一見何処にでもありそうな普通の遊具に見えるが・・・?
アレ、ナニかがニョキニョキ生えてくるぞ?
オラオラオラー!こちとら徹夜明けなんだよー!
モグラの形が公序良俗的にギリギリじゃないですかーい!
おいコラ、もっと優しく扱ってあげろやー!!
館内を抜けた先にある、展望台からの熱海を見下ろす眺め。 こうして見ていると、なんとなく「アタミは滅びぬ!何度でも蘇るさ!」という言葉が脳内をよぎったが、それは疲れていたからだろうか。
男同士で秘宝館・・・なんか急に虚しい気持ちになってきた・・・。
今更かよッ!?
オメーが来たがったんだろうがッ!
熱海城
熱海秘宝館のすぐ目の前には、 熱海城が雄々しく聳え立っている。 この城は歴史的に実在したものではなく、 1959年(昭和34年)に海抜100mの錦ヶ浦山頂に建てられた観光施設である。 外観は5層だが内部は9階建ての鉄筋コンクリート造りで、天守を模した建築となっている。
どうでもいいが、今回の記事タイトル出来の悪いAVみたいな感じだけど大丈夫かな?
ダメでしょう。恐らく貴重な女性読者もドン引きでしょう。
ふーん、しかし熱海に城があるなんて知らなかったぜ。
駐車場から伸びる階段で高い城壁を登っていく。ここからの見晴らしもなかなか良い。 海と山に囲まれた天然の要塞として、城郭を築くには絶好のロケーションである事から、 戦国時代の北条氏などの名将達も築城を希望しながらも、果たし得なかったと伝えられているとかいないとか。
威風堂々とした見た目の風格とは裏腹に、観光施設っぽさが全面に出た入口に 軽く拍子抜けしながらも、そりゃそうだと自分達に言い聞かせながら進む。
インフォメーションがちょっと多いだろ・・・。
バリアフリーまで行き届いてるじゃないですか・・・。
そうそう、こーいう普通の感じの観光がしたかったんだよ。
入った途端いきなり出オチの様に置いてある巨大な金のシャチホコ。 早速B級感が漂ってきていい感じだ。なんでも、この城の天守閣にあるシャチホコは日本一の大きさを誇るらしい。
妙に気合の入った無料マッサージコーナーを横目に奥へ進むと・・・
なんか漢字が多くて読めないが、ボスキャラがつけてそうなイカつい鎧が展示されていたりする。
歴史を感じさせる刀剣も多数並べられている。 こういう部分だけ見るとマトモな民俗資料館の様だ。
やべえ、さては珍スポットのチョイスをミスったか・・・!?
むしろ普通はこれでいいはずなんですが・・・。 ちょっと前までいた秘宝館とのギャップが激しいですね・・・。
入場料900円に見合う内容なんだろうな・・・?
1階の奥まで進むとバルコニーに出れた。穏やかに吹く春の海風が心地よい。
なんとここ、ジェット足湯が設置されているではないか。
これは足湯ソムリエとしてスルーする訳にはいくまい!
試飲するんかい!?
温泉はそれほどでもないくせに足湯は好きだよな・・・。
ここからは再び、どんよりとした熱海の町の景色がよく見渡せる。
海抜120mのオーシャンビューを貸切状態で入る足湯は実に気持ちがよく、ついつい長居してしまった。 ここはオススメだ。
ほう、これは何時間でもいれるレベルじゃな!
そんなにいたら脳までふやけちまいますよ。あ、もう手遅れか。
そうそう、こーいう普通の感じの観光がしたかったんだよ。旅の疲れも癒されるってもんだぜ。
その他、1階はお土産品売り場くらいしかなかったので、サクッと順路の矢印に従いエレベーターで最上階のパノラマ展望天守閣へ。ここも眺めはいいが、先ほどの足湯のあった場所の方が屋根の無い分、開放感があって良かった様に思う。
以降の順路は下の階へ降りていく流れ。 5階の江戸体験コーナーで駆け足で
どうだ?イケてるだろ?俺がやるとシャレオツだろ?
シャレオツというより囚人乙といった感じですが、なかなか江戸スタイルがお似合いですよ。
そのままタイムスリップしても問題なさそうじゃな。
4階でエレベーターを降りると、 通路の両壁に奇妙な絵がかけられた謎のフロアとなっていた。
どうやら江戸時代に作られた判じ絵というもののパネル展らしく、 つまりフロア全体を使ったなぞなぞコーナーらしい。
なんじゃこの絵は、サルとウンコが描かれてるぞ。何が言いたいのかサッパリじゃな。
ウンコじゃなくて濁点ですよ!答えは台所用品のザルって事ですよ!
サッパリなのはオメーの方だろ!
クイズの答えを紙に書いて1階の売店で提出すると、全問正解で熱海城オリジナルグッズが貰えるらしい。
こんなの真面目にやる奴いるのか・・・?
それにしても、なんと贅沢なスペースの使い方でしょうか・・・。
ただのダジャレばっかじゃねーかよ・・・。
3階は何故かシャッターで閉鎖されてて物悲しくなりますた。
2階は日本城郭資料館。日本全国のお城に関する資料が展示されている。 真面目な雰囲気のフロアだが、なんとここには、 マッチ棒で制作されたという、大阪城や名古屋城などの名城の模型があるのだ。
安土城のジオラマもよく出来ている。 ちなみに金のシャチホコを初めて乗せたのもこの城らしい。
こちらは江戸城のジオラマ。広大な敷地が実に精巧に再現されている。
さて、地下1階に下りてくると、これまでの江戸情緒は何処吹く風といった感じで、結構ゴージャスな無料遊戯施設があった。
急に若者に擦り寄ってきた感じじゃな・・・。
なんと贅沢なスペースの使い方でしょうか・・・。
おいおい、またモグラでも叩くってのか・・・?
スポーツ吹き矢なんていう、ちょっと見慣れない代物も。
テーブルの上には、吹き矢レクリエーション協会の公認用具が置いてあった。
何じゃよ、この衛生的に抵抗感のあるシステムは・・・。
メタボリックの解消にも役立つみたいですよ・・・。
つーか矢で狙う的がこの城なんだけどいいのかよ・・・。
温泉地にはありがちな卓球コーナーだってもちろんある。
さらにこちらは竹馬コーナーとフラフープコーナー。 この建物に入った時から思っていたのだが、なんかここ公民館の様な匂いがする。
やはりスペースの使い方がおかしいじゃろ・・・。
なんというおざなり感でしょうか・・・。
わざわざこんな場所まで来てやらんでもいいだろ・・・。
さらに奥の方にはとりあえず設置してみたといった感じの鉄道とお城の模型がありんした。
それにしても、不安になるくらい人がいない。 これだけ充実した機材を備えていながら、実にもったいない事だ。
無人にも関わらずゲーム機だけは全て起動しているこの光景からは、なんとなく文明崩壊直後の終末世界に迷い込んでしまったかの様な、不思議さと哀愁を感じさせる。
最近のゲーセンにもありそうなゲームも置いてあったりして、 結構頑張っているのに。
単純にここまで辿り着く奴がなかなかいないんじゃね?
それを言っちゃダメですよ・・・。確かに宝の持ち腐れ感はありますが・・・。
オラオラー!こちとらこの後も高速を運転して帰らなきゃなんねんだよコラー!
そして、何故か子供の遊び場であるはずの遊戯施設の隣には、春画の浮世絵ゾーンが併設されていた。歌麿や北斎などの著名な浮世絵師が書く芸術品が展示されているのだが、 せっかく脱したはずの秘宝館モードが蘇ってしまうというものだが、ここも撮影禁止との事なので割愛。
白昼夢から醒める思いで建物を抜け出し、 熱海城の駐車場の端っこまでやって来た。 別にオシッコしに来た訳ではなく、実はここには、 名古屋の有名なコンクリート像作家である故・浅野祥雲氏が作り上げた彫像が置かれているのだ。 (熱海城の天守閣の金のシャチホコも同氏が製作したものだという)
おっ、あった、あった!
えーと、何ですかこのサイヤ人みたいな謎の像は・・・?
まだなんかあるのかよ・・・。
特に説明書きもなく、完全に放置された感じでズラッと並ぶ彫像。
なんでこんな隠すように駐車場の端っこの草陰にあるんだよ・・・。
隠したかったんじゃないですか・・・?
知らない奴が見たら不気味でしょうがねえだろうな・・・。
作者の浅野祥雲氏というのは、日本の珍スポット界の父とも勝手に見なされている人物である。
その独特なテイストのコンクリート像作品は、多くの有名珍スポットの構成物として核を成しており、今後の探索記事でも彼の作品に触れる機会があると思われる為、なんとなく覚えておくといいかもしれない。
なお、この探索を行ったのは2012年春の事であり、 現在の熱海城とは内容が一部異なっている可能性がある。実際、当時は無かったトリックアート迷宮館という別館がオープンしているみたいだし、 定期的にイベントなどを催して人気を集めている模様なので、気になった人は是非足を運んでみてはいかがだろうか。
何かを得たような失ったような・・・そんな場所でしたね。
珍スポットってのはそーいうもんじゃぜ・・・。
もうそろそろ帰ろうぜ・・・。
帰りのサービスエリアで何故かトゥクトゥクを発見。 日本ではかなり台数が少ないはずだが、こんなところで遭遇するとは。
この前タイで見たばっかなのに、何このデジャヴ・・・。