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東京・中野区の街、野方の駅前商店街には、終戦直後の闇市が起源の「野方文化マーケット」(※1)がひっそり取り残されている。
穴だらけのアーケード内は、U字型の通路沿いに古びた看板建築が軒を連ね、大半はシャッター状態だが今もテナントが複数営業中。
※1:全長は約50m程だろうか、元々は生鮮食品市場だった場所の成れの果てらしい。
この周辺は戦災を逃れた為、終戦後は闇市のバラックが多数作られたという歴史を持つ。
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強烈な場末感とパクチー臭(※2)に怯みつつ薄暗い通路を進むと、
意外にもポップでキッチュな装飾で溢れたド派手な外観の店が現れ、ノスタルジック気分が吹き飛ぶ。
※2:故に東南アジアのスラムにでも迷い込んだ気分にさせられたが、入口付近のケバブ&カレー屋から発せられたものと思われる。
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ここはその名も「駄民具ダミラ」。
駄民具=駄目で無駄な民具(※3)を専門で扱う行商雑貨屋だ。
※3:生活に全く必要とされず、すぐに捨てられたり、時にバカにされたりするような、あらゆる哀れな存在を指すという。
駄民具としてジャンル化する事で、価値を生み出さんとする試みのようだ。
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縁日の的屋っぽい店先には、「一体誰が買うんだ?」といった感じの謎のレトロ玩具や土産物、用途不明の日用品などがギッシリ。
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海外輸入と思しき怪しいクオリティーの代物や、有名キャラのパチモンくさいやつまで混じり、まさに闇市のようなカオスさである(※4)。
※4:訪問時、店主は留守だった為、目の前のケバブ&カレー屋にいた店番の方に応対して頂いた。
撮影許可も頂いたが、これだけ既にゴチャゴチャした外観なのに、店内の散らかり具合を急に気にされていたのが印象的であった。
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値段は大体数百円前後だが、店主お気に入りの非売品も多数。
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その為、店内は手狭ながら、以前は有料で入れる2階があり、ホラーとエロをテーマに集めたジャンクグッズや、
悪趣味ビデオの秘宝ショップが展示されていた(現在は物置化して入れない模様)。
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元々は埼玉を拠点にイベントなどで出店していたそうだが(売り歩きは継続中らしい)、
野方文化マーケットのテナントが開いた2017年6月に、商品の倉庫を兼ねて実店舗をオープンしたという(※5)。
好事家には宝の山に見えるに違いない、“雑貨の魔界”である。
※5:ダミラの入居以降、野方文化マーケットには他にも、「吊り橋ピュン」や「コヨーテ書店」といった個性的な店が続々オープン。
“文化”の名に相応しい新たなサブカルの基地と化し、定期的にイベントなども行われているようだ。
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