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岡山県の中央に位置する自然豊かな吉備中央町は、保健・福祉などの機能が計画的に集積された通称「吉備高原都市」だ。
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つまり、介護施設も多い“癒し系の地域”なのだが、その片隅の里山には「癒しの散歩道 裕園」という名の珍スポットが存在する。
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ここは地元民・小林裕氏が、故郷への恩返しと自分の生きた証を残したいと考え、癒しをテーマに1人で15年かけて作った公園(※1)。
※1:正確には奥様のサポートもあり、夫婦二人三脚といった感じのようだ。
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東京ドーム程の広さの敷地を1999年から開拓し始め、約6000万円の費用で廃材などを利用して上物を建築。
土砂崩れに見舞われるなど紆余曲折を経て、2013年についにオープンした。
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高台に築かれたはその姿は、遠くから見ると城や要塞のようでもある。
奥の方にはまだ重機があり、どうやら現在も敷地の拡張工事は続いているようだ。
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広大な園内は、山の地形に沿った雄大な散歩道が伸びる多層構造で、桜や紅葉などの四季折々の美しい景色を堪能出来る。
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石畳や石垣で整備され、とても個人が作ったとは思えないクオリティー。 所々に小林氏が感銘を受けた俳優やスポーツ選手の言葉、自身の詩などのレリーフも飾られている。
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散歩道の随所には、「俊藤浩滋 映画資料館」を始め、
「映画の小径」(※3)、「画廊の小径」、「吉備の都(食事処)」、休憩所、土産屋、イベント広場(※4)、
大師堂など、様々な施設が立ち並んでいる。
※3:またの名は「裕館」。小林氏は石原裕次郎の大ファンらしい。
※4:150名が観覧可能で、時々イベントでプロの演歌歌手などがショーを開催するらしい。
なお、入園は無料だが、冬季と火・水・木曜、降水確率50%以上の日は休みなのでご注意を。
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まさに手作りテーマパークといった雰囲気が漂う。
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特に屋内回廊に並ぶ貴重な昭和の映画コレクション(実際に撮影で使用された道具や台本など)は印象深いが、
これらは小林氏と交流があった東映の俊藤浩滋プロデューサー(※5)から譲り受けたものだという。
※5:
「博徒」「昭和残侠伝」「緋牡丹博徒」シリーズなど、東映任侠映画の生みの親。
高倉健や菅原文太、松方弘樹などを育てた存在としても知られる。
ちなみに彼の娘は女優・富司純子(近年は映画『サマーウォーズ』の栄おばあちゃん役声優で知られる)で、
裕園の開館式典にもお祝いに駆け付けたという。
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中には同じく交流があった、名優・高倉健に関する品も。
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園内の建築は京都の町並みや寺社仏閣などをイメージしたらしく、仏像もあちこちにある。
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特に岡山のコンクリ像作家・中山森造が作った仁王像や登龍像は、独特な造形と迫力で目を引く。
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“平成の左甚五郎”(江戸時代の伝説的な彫刻職人)と評された左官職人で、
「世のため、人のため」に様々なコンクリ像を作って日本各地に寄贈(※6)。
建造中の裕園にも訪れ、4体の像を制作した。
※6:とりわけ岡山県内に多くの作品を残しており、吉備津神社にある桃太郎像の作者でもある。
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存在自体が映画的な裕園は、人々の心を癒し惹きつけてやまない。
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