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[2021.07.09]

岩下の新生姜ミュージアム
~狂わしきピンクの不思議空間~



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1978年、岩下食品の当時の社長・岩下邦夫が台湾出張の際、飛行機内で食べた現地の生姜漬けの美味しさに感銘を受けた。
その味を日本でも広めようと、長年の研究・開発を経て誕生したのが、1987年発売のロングセラー商品「岩下の新生姜」(※1)だ。

※1:台湾のみで栽培される特別な生姜「本島姜(ペンタオジャン)」を使用した酢漬け。
日本でも栽培を試みたそうだが、現地と同様には育たなかった為、 独自の冷蔵システムで鮮度を保ちながら台湾から輸送する事で、商品化に成功したという。


1990年代のCM(※2)で人気に火が付き、2015年にはとうとう、栃木県栃木市の本社近くに「岩下の新生姜ミュージアム」がオープン。
食品会社の博物館と聞くと、社史や商品の関連資料ばかり並ぶ、いかにもお堅い展示空間のイメージ(偏見)だが、ここはさにあらず。

※2:「いーわしーたのーしんしょうが♪」というフレーズの印象的なCMが、テレビやラジオでお茶の間に流れまくり、否が応でも多くの日本人の脳内に商品名が刷り込まれていった。


元々この建物は「岩下記念館」という先代社長・岩下邦夫氏の私設美術館だったそうだが、 息子の和了氏(※3)が“岩下の新生姜のあるシアワセ”を感じられる施設へと大胆にリニューアル。
館内はピンクの新生姜カラーで溢れ、商品パッケージなどの展示の他にも、様々な見所があるのだ。

※3:同氏はツイッターの個人垢で新生姜関連の投稿をエゴサ&ファボリツしまくるなど、SNSの活用にも積極的だが、 ミュージアム自体もツイッターなどからの声を受けて作られたものらしい。入場無料。

頭に被って記念撮影も出来る、 世界最大の新生姜のヘッド(長さ5m)。


生姜の神が祀られた「ジンジャー神社」。




社殿手前の両端には狛犬ならぬ狛鹿の「イワシカ」が置かれている。




新生姜とラブラブなひと時が過ごせる「新生姜の部屋」。


「アルパカ広場」や、新生姜料理だけのカフェなどもあったりする。


やたらアルパカのぬいぐるみが置かれていたが、これはキャラクターの「アルパカッソ」。
つぶらな瞳に現社長で館長の岩下和了氏(訪問時にご挨拶させて頂いた)が一目惚れし、コラボで誕生した「岩下の新生姜アルパカ」らしい。


案外ツッコミ所が多く、ニュージンジャーのニュー珍スポットと見る向きも。




2017年の訪問時はちょうど開館2周年の記念日で、エントランスには巨大なバースデーケーキ風オブジェが設置されていた。






「ダメよ~」と断らなかったのか、お笑い芸人「日本エレキテル連合」が1日館長を務め、 ご当地ゆるキャラ「さのまる」と「たかうじ」もウロウロしていた。


岩下食品では、食の“おいしさ”とは味の良さだけではなく、様々な記憶や環境などで複合的に感じるものと捉えている模様。
館内のアミューズメント性も、来館者が新生姜を食べる時、楽しい記憶と共に新しい“おいしさ”を味わって欲しいからだという。


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