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[2021.07.04]

プラムの国・恐怖の洞窟
~農園テーマパークの手作りお化け屋敷~



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大自然に囲まれた秘境グンマーのみなかみ町には、古より地元民に「恐怖の洞窟」と呼ばれ、畏怖されてきた場所が存在する。
まるで死海文書(※1)でも隠されていそうなそこは、「プラムの国」という個人が築いたローカルなテーマパーク内に建っている。

※1:1947年以来、中東の死海周辺で発見された羊皮紙の古文書の総称。
約2000年前にヘブライ語(一部アラム語とギリシア語)で書かれた世界最古の旧約聖書の写本とされ、“20世紀最大の考古学的発見”と見做されている。
2021年3月には、世界各地に現れた謎のモノリスに続き、砂漠の断崖にある通称「恐怖の洞窟」で約60年ぶりに新たな断片が発見され、 “ゼーレのシナリオ通り”だとネットを賑わせた。


周辺の道路沿いには、「プラムの国」よりも「恐怖の洞窟」を推した看板が乱立し、既にヤバいオーラを放っていた。
フォントが3D風だったり、明らかにその辺に捨てられているようなものもあり、それぞれ細部が異なるのがまた厄介である。


のどかな畑のど真ん中にある「プラムの国」の入口。
その名の通り、基本はプラム狩りが楽しめる果樹園である。


しかし、広大な土地(※2)を持て余した事もあってか、園内には複数の“アトラクション”が設置されているのだ。

※2:1万平方mに及ぶ敷地は、「第一プラム園」と「第二プラム園」に大別されており(中間にショボい手作りの橋が架かる)、 7月中旬から9月にかけての収穫シーズンはプラム狩りが楽しめる。




入口付近には休憩所の他、「自転車おもしろ周回コース」なる場所もあったが、どう見てもだだっ広い畑そのもの。


猛犬に出迎えられつつ入場し、順路を進んでいくと・・・




崖下に遊具やウサギ小屋などが並ぶ「バラエティ広場」がある。




園主によると、プラムの短いシーズン外にも客を呼び、近隣の果樹園との差別化を図る為に、こうしたアトラクションを設けたらしい。


だが悲しいくらい誰もいない。


そしてアスレチックの奥に、ここからが本番と言わんばかりに、ひっそりと恐怖の洞窟の入口が。


黒いビニールハウス風の外観で、血文字の看板やドクロが示す通り、ここは地下5m、全長50mの手作りお化け屋敷なのである。




あまりの掘っ建て感に、別の意味で恐怖を覚えながら中に入ると、最新設備の遊園地では決して味わえない、独特な暗黒空間が展開。






ヒンヤリとした洞内には、園主が額に汗して作ったであろう、お化けや仕掛けが多数待ち構えているのだ。






魔改造されたマネキンなどのお化け達が次々登場。


狙ってか偶然なのか、そのボロさが返って迫力を放ち、客の不安感を増幅させる。






一見、低予算を創意工夫のDIYでカバーした文化祭風だが、センサーで動く機械仕掛けも多く、一応驚かされるので侮れない(※3)。

※3:洞窟は進化し続けるとの事なので、園主の気分によっては今後も新たな恐怖が出現するかもしれない。




とにかく客を怖がらせたいのか、後半には危険動物まで登場。


探検隊の隊長がいたら、きっと「落ち着けい!危機センサーを研ぎ澄ませ!」的な事を叫ぶに違いない。


それらの恐怖の末に辿り着くのが、この小さな出口。
大人は這って進む必要があり、体型によっては出られないという、最大の恐怖を味わう事になる。




別れの握手を求める謎の左手(※4)と、「衣服の汚れが気になるなら引き返せ」と書かれた看板が、オチとして客を戦慄&脱力させる。
あなたなら無事抜け出せるだろうか?(棒)

※4:怪し過ぎて罠のように思えるが、握っても別に何も起こらなかった。


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