> 魔界冒険記 > 魔界地図 -WONDER WORLD- > Article


[2021.03.25]

バレンシーア
~怪しさ三つ星級の24時間レストラン~



  • このエントリーをはてなブックマークに追加

徳島県徳島市を流れる園瀬川の畔に、西洋彫刻やレリーフなどのオブジェが多数並ぶ、ゴチャゴチャした外観の怪しい建物がある。










こう見えてミュージアムやアンティークショップではなく、地元で裏名所(珍スポット)として知られるレストラン「バレンシーア」なのだ。








店の裏には事務所のビルがあり、周辺にやはりオブジェが多数設置されていたが、 こちらは何処かで見た事のあるキャラの姿も。




「マイナスイオン店内発生中!」と、真偽不明のPRが書かれた入口から一歩入ると、そこには外以上に怪しい異空間が広がっている。


店内は中央が吹き抜けで、ネオンに照らされた様々な調度品が所狭しと並び、キャバレーやダイナーっぽいアダルトな雰囲気。


個人経営では珍しい年中無休・24時間営業。
店主の松永夫妻が交代でずっと接客し続ける為(※1)、時にテレビで紹介される事も。

※1:1分以上呼ばれないと、レジ裏でスリープモードになる事も多いようだが。


なんと1986年の開店から30年以上に渡って、1日も休まずに店を営業し続けているという。


元々は喫茶店「バレンシア」だった店舗をオーナーから松永氏が借り、コレクションのアンティークを並べるなどして、自分好みに改装したそうだ。




店名が多分スペイン(バレンシア州)由来だからか、ドン・キホーテらしき騎士やサンチョらしき農夫、ロシナンテらしき馬の像もあり、大胆にスペースを取っている。




それでいて、料理の食品サンプルや漫画の本棚が複数置かれるなど、庶民的な漫画喫茶の要素も目立ち、なかなかのカオスぶりだ。


また、天井付近のモニターには、意外にも若手アーティストのMV(音楽番組専門チャンネル)が延々と映し出されていた。


珍スポらしく、トイレもオブジェ多めなので油断ならない。


席に着くと「魔法銘水」なるオリジナルお冷がペットボトルで出される。
同店が特別な方法で作っている凄い水で、料理も全てこれを使って調理しているらしい。
また、この水のおかげで、店主の松永夫妻は年中無休で元気に働けているのだとか(ちなみに1本200円で販売している)。


宗教臭に不安を覚えつつ開くメニューには、 豊富な料理名に混じって、パチモンキャラのおもちゃ付きお子様ランチがあり、見た目だけでなく中身までヤバい事を思い知らされる。


2016年の訪問時はモーニングセットを注文したが、普通に美味しかった。
ただ、この店の料理は基本的に他店よりもボリュームが多めのようだ。


また、店主・松永氏の独特な持論に基づいた、妙に意識が高い健康志向の案内(※2)が各所に掲示され、怪しい印象に拍車をかける(※3)。

※2:“21世紀のライフスタイル”を謳い、 「食品の中に含まれる不純物、化学物質などはゼロに近く除去できています」と宣言していたり、 美肌効果があるとして「+80円で全メニューに海洋性コラーゲンを追加可能」などの情報が、メニューや壁に掲示されている。

※3:壁のあちこちには、マイナスイオンを発生させる棒が備え付けられており、会員になる事で使用可能らしい(ただし会員のなり方は不明)。




しかしそれでも、不思議と店の居心地は良く、隠れ家的な魅力がある為、昼夜問わず多くの人々に親しまれているようだ。


■関連記事
スプーンアート~カオス過ぎる信州一のおもしろカフェ~
クアパレス~豪華絢爛な宮殿風呂ベルサイ湯~
パワーブレンドTANAKA~超能力で味を変えるたこ焼き屋~

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んだ人は、多分こんな記事も読んでいます。

Back number

Maps

Archives

News Headline

ページのトップへ戻る
inserted by FC2 system