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[2021.02.07]

荒俣ワンダー秘宝館
~妖怪博士が監修した驚異の部屋~



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2020年秋に開館した埼玉県所沢市の「角川武蔵野ミュージアム」では、 企画展『荒俣宏の妖怪伏魔殿2020』が開催中(※1)だが、 可能ならセットで常設展「荒俣ワンダー秘宝館」も訪れたいところだ。

※1:会場は1階のグランドギャラリー。会期は2020年11月6日(金)~2021年2月28日(日)。




こちらも監修は妖怪博士の作家・荒俣宏氏で、 同館4階「エディットタウン」なる本だらけの空間の片隅、書棚の奥に隠されている。


入口では、3Dアラマタサマのご尊顔が「ワンダー・・・」と呟きながら出迎え、右手に進むと「ワンダーの部屋 半信半疑の地獄」。




通路を挟んで向き合う壁棚に、 動物の頭蓋骨や剥製、人体模型、魔除けの民芸品など、古今東西の珍品が所狭しと並び、カオスながらもアカデミックな雰囲気が漂う。






主に西洋諸国には「ヴンダーカンマー(驚異の部屋)」と呼ばれる珍品を収蔵した観光施設があり、 それが本展示の基本コンセプトとなっているようだ(監修:荒俣宏/プロデュース:株式会社ウサギノネドコ)。
元々は中世の貴族達がコレクションの展示用に作ったもので、それが後の博物館の原型にもなった。


鼻行類の模型。
南太平洋のハイアイアイ群島にて、鼻で歩くという独自の進化を遂げた哺乳類・・・という体の架空の動物で、学論文を模したパロディー本として発表された為、多くの人々が釣られた。








“ワンダーは小さいものに宿る”として、珍しい昆虫標本や鉱物、マンモスの毛などの小物も多数陳列され、一部は触れる事も可能。






さらには、古き良き時代の心霊写真や、UFOの欠片、宇宙人の頭蓋骨やインプラントの破片、 ケサランパサラン、といった当サイト好みの如何わしい展示も充実。


江戸時代のうつろ舟のフィギュア。
享和3年(1803年)に常陸国(現・茨城県)の浜辺に漂着したとされる奇妙な小船で、 大きな御釜の様な円形をしており、中には1人の若い美女が木箱を抱えて乗っていたという。
その為、江戸時代に起きたUFO事件ではないかとも考えられている(詳細記事)。




天井からは昇天したワニの剥製が吊るされ、 一番奥ではライオンの剥製がパーテーション代わりになっており、力技の面白い空間演出となっている。


反対側には「サイエンスアートの部屋 生命の神殿」がある。






ガラス製の海の生き物や透明標本(※2)など、 科学と芸術を融合させたクリエイター達の作品が、薄闇の中で美しく浮かび上がっている。

※2:こちらは期間限定の展示らしいのでご注意を。



以上2つのエリアからなる発見と驚きに満ちた博物館が、今後多くの訪問者のセンス・オブ・ワンダーを刺激し続ける事だろう。


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『荒俣宏の妖怪伏魔殿2020』見学レポート

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