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2019年秋、“信州一ヤバい”と噂された長野県安曇野市のカフェ&ギャラリー「スプーンアート」が、惜しまれながら閉店した。
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JR大糸線・穂高駅前の交差点という、まあまあ人通りはある立地であったが、
建物外にまで滲み出た怪しい雰囲気などから、恐る恐る中を覗くだけでスルーする人も結構いた模様。 |
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閉店の少し前に急いで店に駆けつけると、名前の通りスプーンを素材としたアート作品を始め、
奇妙なオブジェが縦横無尽に展示されていた。
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ツッコミ所が多過ぎて、もはや匙を投げるレベルのカオスである。
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作品のモチーフは有名キャラから意味不明なものまで様々だが、 特に大量のスプーンで作られたエイリアンやウルトラマン、バルタン星人、そしてダチョウなどの等身大オブジェは圧巻。
その精巧さたるや、きっとあのユリ・ゲラーもビックリであろう。
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作者は“スプーンマン”こと店主で造形作家の松原弘己氏(※1)。
※1:分かりづらいが写真左下の男性。 |
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元々ラーメン店を営んでいた松原氏は、ある頃からリサイクル品を使った創作を開始すると、
“廃物アート”として作品がメディアに紹介されるなど話題になり、数々の賞を受賞。
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そして2004年にラーメン店を閉め、造形作家として作品造りに専念し、2009年に作品の展示を兼ねたカフェ「スプーンアート」をオープンした。
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動物や昆虫などを象った小型の作品も、店内の棚に多数並んでいた。
こうしたスプーンアート作品は、1998年頃に編み出された技法らしい。
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客がキョロキョロしながら席に座ると、松原氏が持ってくる傘の内側に書かれたメニューから飲食物を選び、チキンの玩具(押すと鳴く)をブザー代わりにして呼ぶという、斬新な注文システムとなっていた。
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訪問時は定番らしい「うんコーヒー」を注文したが、他にも「大人様ランチ」や「ゾンビセット」、「ドラキュラアイス」などの気になる料理も。
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2階もカオス度が高いギャラリーで、版権や時事ネタを弄ぶ攻めたオブジェの他、
センサーで作動する謎の仕掛けが見所。
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また、1階奥のトイレはまさかのお化け屋敷になっており・・・
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魑魅魍魎が便器を取り囲む光景には失禁せざるを得ない。
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張り紙には「トイレを使用した方 何を出したか申告して下さい!(18才~30代前半の女性の方のみ)」、「このトイレは呪われています。直ちに当店主人に抱きついてください(十八才~三十代前半女性のみ)」などと書かれ、なかなか目を見張るホラー演出となっていた。
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まるで“大人が全力でふざけた文化祭”のような空間だった。 閉店後スプーンアートの作品は、珍スポ界のなんでも引き取り屋である伊豆のまぼろし博覧会に寄贈されたらしい。今秋にも展示されるようだ。
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