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アニメの巨大ロボが実物大でリアルに屹立する光景は、お台場などの有名観光地がもっぱら注目を集めている。
しかし、実は遠く離れた東北の福島県鏡石町にも、何故か同様(?)の存在が佇んでいたのだ(※1)。
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その場所は意外にも、「サッポロラーメンみどり」なる国道沿いの飲食店。
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地元で通称“ガンダムラーメン”と呼ばれる通り、
明らかに機動戦士っぽい造形の巨大ロボが、出オチの如く店先で客を出迎えているのだ。
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しかし、このカラフルなロボの名はあくまで「グレート」。
2009年にガンダムがお台場に立つ以前からあり、制作の参考にしたのかは不明だが、作品の関係者が取材に来た事もあるとか。
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ビームライフル(らしきもの)を上空に向けつつ「営業中」の看板を掲げるその姿は、
シュールながらも何処か歴戦の引退機体のような味わいがある。こういうのでいいんだよ。
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このグレートは、元技術者で物作りが好きな店主・緑川留雄氏が、健康維持の運動も兼ねて、2005年~2010年に制作。
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毎朝4、5時から開店前まで作業を行い、クレーンなどは使わずに、下から徐々に廃材(1ヶ月3000円程の予算)を積み重ねたという(※2)。
※2:図面は用いず頭の中で考えながら、全体のバランスを調整しつつ組み立て、5年2ヶ月で完成したそうだ。
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当初は暇な時間に行っていたロボ作りも、段々と寝る間を惜しんで没頭し、
最終的に店よりも優先するようになったそうだ。
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入口で別の国民的ロボも出迎える店内の様子は、意外と普通で少々拍子抜けだが・・・
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壁の一画には名物店らしくサイン色紙や写真がビッシリ貼られ、ガン・・・いやグレートの形態の変遷を伺い知れる。
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訪問時は背後の建物(※3)にもたれかかるようになっていたが、かつてはしっかり直立し、10m程の高さがあったようだ(※4)。
※3:同じオーナーが経営する「スナックみどり」の店舗。訪問時点で既に休業中だった模様。
※4:しかしビル4階建て程の高さは色々危険と判断し、脚部を自主的に解体したそうだ。
2011年の東日本大震災では一部ダメージを受け、左手に持っていた盾も落下。
以前は背中の開口部から内部に入って頭部まで上がれたが、それも入場不可になったという。
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緑川氏曰く、別にガンダムを意識したつもりはないという。
と言うか、そもそも床屋でプラモか何かを見るまで存在すら知らなかったそうだ。
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むしろ世代的には鉄腕アトムや鉄人28号などだが、それらはフォルムが丸いので、
廃材などで作るにあたり、角ばったデザインのロボットにした方が都合良かったとか。
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また、顔や体はダースベイダーやツタンカーメンの影響を受けているとの事で、とにかくガンダムでは無いようだ。
グレートという名も緑川氏がつけた訳ではなく、取材された新聞の記事により定着したらしい。
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ラーメンも普通に美味かったが、グルメサイトの☆の数なぞでは計れない、ニュータイプな体験が出来る老舗であった(※5)。
※5:なお、グレートは同店に現存せず、2019年10月に別の場所に移住したとの事。
理由は緑川氏がメンテナンスを行えなくなり、“このまま朽ち果ててしまうのは可哀想”という親心から、
貰い手を募集して無料で譲ったそうだ(ラーメン店も現在休業中)。
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