> 魔界冒険記 > 魔界地図 -WONDER WORLD- > Article

[2020.03.04]

サッポロラーメンみどり
〜巨大ロボが防衛するグレートな店〜


  • このエントリーをはてなブックマークに追加

アニメの巨大ロボが実物大でリアルに屹立する光景は、お台場などの有名観光地がもっぱら注目を集めている。
しかし、実は遠く離れた福島県鏡石町の、「サッポロラーメンみどり」なる店の前にも、何故か同様(?)の存在が佇んでいたのだ(※1)。

地元で“ガンダムラーメン”と呼ばれる通り、明らかに機動戦士っぽい造形の見た目だが、このカラフルなロボの名はあくまで「グレート」。
何の変哲も無い国道沿いで、ビームライフル(らしきもの)を上空に向けつつ「営業中」の看板を掲げるその姿は、 シュールながらも何処か歴戦の引退機体のような味わいがある。こういうのでいいんだよ。

入口で別の国民的ロボも出迎える店内の様子は、意外と普通で少々拍子抜けだが、 壁の一画には名物店らしくサイン色紙や写真がビッシリ貼られ、ガン・・・いやグレートの形態の変遷を伺い知れる。
訪問時は背後の建物(※2)にもたれかかるようになっていたが、かつてはしっかり直立し、10m程の高さがあったようだ(※3)。

このグレートは、元技術者で物作りが好きな店主・緑川留雄氏が、 健康維持の運動も兼ねて、2005年〜2010年に制作(※4)。
毎朝4、5時から開店前まで作業を行い、クレーンなどは使わずに、下から徐々に廃材(1ヶ月3000円程の予算)を積み重ねたという。
ラーメンも普通に美味かったが、グルメサイトの☆の数なぞでは計れない、ニュータイプ(※5)な体験が出来る老舗であった(※6)。

※1:2009年にガンダムがお台場に立つ以前からあり、関係者が取材に来た事もあるらしい。
ちなみに鏡石駅前では巨大ネズミのオブジェに遭遇。そういう感じの町のようだ。

※2:同じオーナーが経営する「スナックみどり」の店舗。訪問時点で既に休業中だった模様。

※3:しかしビル4階建て程の高さは色々危険と判断し、脚部を自主的に解体したそうだ。
2011年の東日本大震災では一部ダメージを受け、左手に持っていた盾も落下。
以前は背中の開口部から内部に入って頭部まで上がれたが、それも入場不可になったという。

※4: 当初は暇な時間に行っていたロボ作りも、段々と寝る間を惜しんで店よりも優先するように。
図面は用いず頭の中で考えながら、全体のバランスを調整しつつ組み立て、5年2ヶ月で完成。
グレートという名は緑川氏がつけた訳ではなく、取材された新聞の記事により定着したらしい。

※5: 緑川氏曰く、別にガンダムを意識したつもりはなく(そもそも床屋でプラモか何かを見るまで知らなかった)、 むしろ世代的には鉄腕アトムや鉄人28号などだが、それらはフォルムが丸いので、 廃材などで作るにあたり、角ばったデザインのロボットにした方が都合良かったとか。
また、顔や体はダースベイダーやツタンカーメンの影響を受けているとの事で、とにかくガンダムでは無いようだ。

※6:なお、グレートは同店に現存せず、2019年10月に別の場所に移住したとの事。
理由は緑川氏がメンテナンスを行えなくなり、“このまま朽ち果ててしまうのは可哀想”という親心から、 貰い手を募集して無料で譲ったそうだ(ラーメン店も現在休業中)。

■関連記事
ネオ・トーキョー・サイバーパンク〜歌舞伎町の地下に広がる近未来パラダイス〜
北海道クレイジージャーニー:序〜エヴァンゲリオン・ネットカフェ〜
ヘンテコ・ロードサイダーズV〜路上のカオス&アートな物件5選〜
空と海と大地と呪われし人々(前編)
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んだ人は、多分こんな記事も読んでいます。

Back number

Maps

Archives

News Headline

ブログパーツ
ページのトップへ戻る
inserted by FC2 system