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[2014.05.04]

台湾珍寺弾丸ツアー
〜四次元ゴッドが座する謎のカオス寺〜


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台湾の北部、台北縣石門郷には、普通の観光ガイドブックには絶対載らない、「どうしてこうなった」といった感じのエキセントリックな宗教施設がある。

金剛宮


東シナ海に沈む夕日の美しさが人気の観光地・淡水の駅からローカルバスに揺られる事1時間弱、台湾の最北端に位置する石門(シーメン)に到着。何処と無く伊豆みたいな雰囲気が漂う場所だ。
いやあ、台湾着いて財布の中に現金500円位しか入ってなかった事に気づいた時はマジどうなるかと思ったぜ!
何やってんですか・・・いくらなんでも海外ナメ過ぎですよ・・・。
カードがあったから良かったものの・・・。
コイツ空港のATMの機械がボロくて現金下ろせなかった時涙目になってたわよ。
おっと、昼のフライトまでに空港へ行かなきゃなんねーからサクサク行くぞ!
もう他に何処にも行く余裕が無いじゃないですか!
ちょっとギリギリじゃないのよ!
まだ全然ショッピングもおいしいもの食べてないのに!
どんなスケジューリングしてんのよこのバカ!

そう、私事ながら、実は台湾にはタイの帰りに飛行機の乗り継ぎで降り立ったのだが、 次のフライトまで何時間か余裕があるという事で、せっかくだから近場の珍スポットに寄る事にしたのだ。
しかし、近場と言っても空港のある台北中心部からは片道2時間はかかる場所に位置している為、計算上は一応可能だが、 タイトな旅程には変わらず気持ち的余裕などあったものではなく、 ノンビリと台湾名物のビンロウ売りのお姉ちゃんを撮影している場合ではないのだ。

という訳で、台湾について脇目もふらずに やってきたのがここ、その筋には有名な珍スポットである金剛宮。
敷地はなだらかな坂の上に位置し、高みの見物を決め込む偉そうなヒゲ面のおっさんの像が遠くからも目立っていた。
どうやら玉皇大帝という道教神らしい。
着いた着いた!ここが台湾の地獄寺、金剛宮じゃ!
だから寺巡りのサイトじゃないですよね・・・?
やっとタイの地獄巡りから脱出したと思ったのに、まだ続くのかよ!

門を通過し敷地の中へ。
早朝でヒト気も無いのにチカチカ点灯する電光掲示板と、神仏(媽祖)の彫像のアンマッチさになんとなく不安感を覚える。

反対側には何故か孫悟空(斉天大聖)がいて、怪しい奴が来ないか門の方に睨みをきかせていた。

普通の寺では無い事を伺わせる、龍の頭部を模した入口。
手前には早速TPOを無視したタイの神様ヤックが、恐い顔で威圧しながら訪れてくる者を待ち構えている。
入口が無理矢理それっぽくされた感が滲み出ていますね・・・。
摩訶不思議大冒険が始まりそうでワクワクするじゃねーか・・・。
こんな龍に飲み込まれたくないわ・・・。

この寺は1986年に創設されたもので、 基本的には道教の寺院がベースとなっているのだが、その他にも仏教、儒教、バラモン教などの異なる宗派の要素もゴチャ混ぜに取り込まれており、 地元の人も眉をひそめるようなカオスと化しているのだという。

入口の通路の真ん中で待ち受け、いきなり千手観音などの神仏像がもの凄く行く手を阻んできた。

怯まず先に進むと、長い坂道の通路が弧を描くようにしばらく続いており、 この寺の敷地が意外に広大である事を伺わせる。
また、この通路には台湾に伝わる様々な親孝行の場面を再現したブロンズ像が並んでいる。
油断するな、何処にB級ネタが仕込まれているか分からんぞ・・・!
信仰心というよりは、恐らく田舎に土地が余ってたから作っちゃいましたといった感じですね、これは・・・。
いやに静まり返ってるけど、本当にもうオープンしてるんでしょうね?

通路の先にあった八角形のお堂に設けられた祭壇の間。
中央にはこの寺的にもプッシュしているらしい四面佛(4つの顔を持つ仏様)が鎮座している。

部屋の壁に沿う様にして並ぶ道教の神々の像。
何本もの火の灯った蝋燭と、煙臭さが混じった花の香りが厳かな雰囲気を演出している。

酒瓶片手で飲み屋の大将みたいなラフな感じの神様も。
何故か外からはもの凄い形相でタイの神がコチラを覗いている。

どうなっているのか興味本位で外へ出てみると、お立ち台の上に乗っていた事実が判明。
見てはいけないものを見てしまった気持ちになった。

メインロビーと思われる場所まで来ると、 当たり前の様に犬が寝そべっていた。
そして近くにはオープン準備中といった感じの寺の関係者がおり、 我々の存在に気づくと間もなく電源を入れてくれたらしく、 寺の内部の仕掛けが起動し、お正月っぽい読経BGMが流れてきた。
朝一から変な外国人来ちゃったよみたいな顔されましたね・・・。
くっそ、ここだって変な寺のくせに生意気な!
出来ればやる気満々な感じじゃなくてたまたま寄った風で来たかったわよ。ってか来たくなかったわよ!

明かりが点灯すると、何かの場面を再現したと思われるジオラマの展示が現れた。
どうやら八仙洞という、約130年前に発見された台湾の遺跡の中で最も古い、旧石器時代の洞窟がモチーフとなっているらしい。

道教の祭壇。
格式高い雰囲気ながら、最近のお菓子が供えられているのが和む。

どういう訳か、死んだ様な表情でお神輿を担ぐキョンシー達。

敷地中央に位置する中庭の岩の上には、 様々な表情とポーズの十八羅漢像がズラリと並ぶ。
「ここから先に進みたくば我々を倒していくがよい!」とか言いそうじゃな!
聖者はそんな事言わねーよ!
なんなのよ、この気色悪い悪趣味な顔色悪いジジイ達の像はさ!
どんだけ悪いんですか!

金ピカのおっさん達の像にガンとばされながら、 幸福橋という名前の中庭にかかる細長い渡り廊下を進んでいく。

振り返って見るとこんな感じ。
左手に見える細長い建物はあとで行くとして、まずは敷地最奥部にある建物から入る。

別館の建物に入ると、デカい寝仏がゴロゴロしながら出迎えてくれた。 こんな顔の政治家がいた気がするが、はて誰だっただろうか。

1階の奥まで進むと、デーハーな装いの様々な神々が織り成す、 てんやわんやの不思議空間が繰り広げられていた。
道教がどのようにして現在の宗教的思想体系になったのかはよく分かっていないらしいが、 もともと複数の宗派の要素を取り込んで漢民族に土着した信仰という事で、 例え別の宗派の神がどさくさに紛れていたとしても、そんな細けえ事ァいいんだよと言った感じらしく、 要はご利益があるかどうかが肝心という事みたいだ。
こりゃもうカオスの一言に尽きますな・・・。
サイケ過ぎて目がチカチカしてきました・・・。
一般的な寺が実は大人し過ぎるのではないかという気すらしてくるな・・・。
マジなのかふざけてんのか、マジキチなのか、よく分からないわね・・・。

しかし2階に登るとこんな感じで、比較的大人しい造りであった。

ここらで気分転換しようと 窓から眺めてみた外の景色。
周囲には棚田が広がり、奥の方には海が見えるなかなか素敵なロケーションだ。

最上階の3階は五百羅漢像が所狭しと鎮座するディープなフロアとなっていた。
なんという試練の間・・・!ジャッキー・チェンの少林寺木人拳かよ!
小さな子供がいたらソッコーで泣き出しそうですな・・・。
まるで悪夢に入り込んでしまったみたいだわ・・・。

しかし怯んでいる時間は無く、ハゲオヤジ・ゾーンを突き進む。
通路は1本道だが、室内をグルッと回らせる造りになっており、ちょっとした迷路気分だ。
気をつけろ、どさくさに紛れて誰か攻撃してくるかもしれんぞ!
どんな寺だよ!とツッコミを入れたいとこですが、 あながち有り得なくも無い雰囲気ですからね・・・。
なんとなく加齢臭とか汗臭さが漂ってきそうだわ・・・!

続いて、先ほど後回しにした細長い建物に足を踏み入れると、 これまたいちいちツッコミを入れたくなるような、台湾民間信仰の神々を象ったオブジェが陳列された回廊となっていた。

中でもショッキングなのがこのオブジェ。
異端の画家ゴヤの黒い絵を髣髴とさせるカニバリズムっぷりである。

ここの地階は、お約束である機械仕掛けの地獄ゾーンになっている。

例の如く人が近づくとセンサーが反応し、 音響効果と共にライトアップされたオブジェが適当に動くお化け屋敷テイストである。

もっとも、ここの地獄は一本道の通路を進むだけの、比較的あっさりした造りになっていた。
タイの血みどろ地獄絵図に慣れちまったせいか、何か物足りない気がするな・・・!
マトモな社会人には有るまじき反社会的な感覚ですな・・・。
ダメな方にレベルアップしちゃってるじゃないのよ・・・。

いよいよ宴もたけなわ、このワンダーランドの中核を担う広々とした長い回廊にやって参りました。

回廊沿いには途中に吹き抜けの空間があり、 馬鹿デカい神々の像がデーンと置かれている。
これはキレているのか酔っ払っているのか、顔を真っ赤にした関羽の巨像。

さらにその隣には、入口にもあった媽祖の巨像も。
航海・漁業の守護神で、つまり海の女神といった感じの存在らしい。
もともと台湾に移り住んだ開拓民が、無事に航海を終えて島に辿り着けた事を感謝して、 あちこちに媽祖の廟祠を建てた為、台湾では最も親しまれている神だという。

こちらは玄天上帝の巨像。
武勇に優れた神らしく、北方守護の役割を担っているそうだ。
恐らく台湾が有事の際に雄々しく起動し、民を救うのだろう。(適当)

もうひとつあったデカいものとしては、 たくさんの神様らしき存在が乗っている金剛號なる船がワンルーム割いて展示されていた。
七福神の宝船みたいなものなのだろうか。

壁の前には、六十甲子神と呼ばれる60体以上のカラフルな道教の神仏がズラッと並べられている。
それにしても神々が多過ぎるだろ!霊界バーゲンセールかよ!
なんだかお地蔵様をポップにした様な感じですね。
肝心のご利益が全然ありそうには見えないけどね。

一体一体の顔は結構マンガチック。
六十甲子とは、年賀状でお馴染みの12支の干支の60年版というものらしく、それらが守り本尊として一堂に会しているという訳らしい。

さて、この六十甲子の端っこに、逆光に照らし出されて神々しさが増した、驚愕のオブジェがある。

その名も甲子太歳金辨大将軍。
実はこのクレイジーな像を撮影する為に台湾に来たと言っても過言ではないのだ。

ゴゴゴゴゴゴゴ・・・
ああダメだ、言うの我慢できねえ!しょうもねええー!!!
うわあああー!?目から手があー!手から目があー!
何よこの斬新なキモデブはああー!!?

まるで四次元時空から出現したかの様な異形のお姿。
このインパクトある神様は、 あらゆる方向を見渡す事が出来る存在という事らしく、 そのモデルは中国明代に書かれた『封神演義』に登場する楊任(ようじん)という武将だという。

楊任は中国最古の王朝・殷(いん)の第30代帝・紂王(ちゅうおう)に仕えていたが、 妲己(だっき)という悪女に夢中になった紂王に政治の腐敗を諫言したため、目をえぐられてしまった。
哀れに思った仙人が、飲めば不老不死の力を得て仙人になるという霊薬を楊任の目に入れたところ、 彼の目から手が生えて、手に目玉が出来たという。
もはやこれは、個性的とかそんな生易しいレベルのものではない・・・!アホじゃ・・・!
いや、アホはアンタでしょ何言ってんの。
これまで見てきた神々とは別次元の存在ですね・・・。
常人の想像力では及ばない、遥か地平の彼方の産物かと・・・。

それにしてもだだっ広い。
一体どうしたら、せっかくこれだけあるスペースに 奇妙なオブジェばかり設置しまくる心境になるのだろうか。

こちらも回廊沿いにある千手千眼観音が鎮座する間。

もはや先ほどの四次元ゴッドを目にした後ではいささかパンチ力に欠ける気もするが、 とは言え、これはこれで本来は小林幸子もビックリするレベルのキテいる造形物ではある。
神というのは何故こんなにもキテレツな姿形をしているのじゃ・・・。
それが神と呼ばれる存在たる由縁なんじゃないですかね・・・。
とりあえず、ろくな奴がいないのはよく分かったわ・・・。

窓から外を眺めると、屋根の上にもイカつい像があるではないか。
この辺りは1980年代後半にバブルで開発が行われたリゾート地の成れの果てらしく、 今ではあちこちに廃墟が見かけられるという。

有名な道教神を並べまくった祭壇。まるで台湾版の雛飾りである。

台湾における道教の信仰風景。
こういう様子を見ると、そういえばここ、一応寺だったんだなという事を思い出させる。

興奮と脱力のスピリチュアル体験が楽しめる金剛宮。
あなたも台湾に訪れた際には、是非立ち寄ってみてはいかが?
今回はスケジュールの都合上、残念ながらこれにて引き上げる事となったが、 台湾には他にも興味深い珍スポットが多く、日本からも比較的アクセスし易い魅力的な場所なので、今後も隙あらば探索してみたいと思う。
さーて、もう時間も無いしそろそろ日本に帰るか!
マジなの!?
マジで他は何処も寄らずに帰るつもりなの!?ねえ、ちょっと!
ガチでコンビニくらいしか行ってないですからね・・・。
まあ空港の免税店に寄るくらいの時間はあんじゃね?
んなッ!?
今度はもっとゆっくり来ましょうね・・・。


オマケ

淡水駅にあるパン屋の前で、露骨に物欲しそうな感じで店内を見つめるワン公がいた。

駅前で待つその姿はまるで忠犬ハチ公を髣髴とさせるが、 首輪も無く、特に飼い主に待たされている風でもない。
気にはなったが、そっとしておく事にした。

せっかく来たので、軽く観光地・淡水の眺めでも撮影しに。
駅前に広がる眺めがなんとなく桜島っぽい。

船着場から見た淡水の町並み。
台北から程近い事もあり、週末には 夕日目当ての恋人達が数多くやってきてイチャつくリア充スポットだとか。

唐突に立ち並んでいた木造の水上ハウス。
あまりリゾート感は無いが、この一画はまるで南の島に来たかの様な雰囲気だった。

しばらくしてから駅に戻ってくると、先程のワン公がちゃっかりご馳走にありついていた。 見かねた親切な誰かがくれたのだろう。
これだけでなんとなく台湾という場所が好きになった。


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