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1917年7月の最初の土曜日午後3時頃、イギリスのヨークシャー州ブラッドフォードのコティングリー渓谷の村はずれにあるベックという小川の周辺で、エルシー・ライト(16歳)と彼女のいとこのフランシス・グリフィス(9歳)は、エルシーが父親から借りたミッジカメラで、なんと妖精を撮影したのです。エルシーの父親アーサーが現像すると、写真には5体の妖精の姿が写っていました。
最初はただの悪戯と思われていたものの、1920年になってその写真が、シャーロック・ホームズの生みの親としても有名な小説家のアーサー・コナン・ドイルの元に郵送され、彼が『ストランドマガジン』という雑誌に、この写真を発表した事から、2人の少女が妖精の姿をカメラに納めたというニュースで、イギリス中に以降60年間も続く大論争が巻き起こったのです。 少女達は一躍有名人となり、静かなコティングリーにはたくさんの観光客が押し掛けました。 この妖精写真は全部で5枚あり、前途の1917年7月に1枚、同年9月に1枚、1920年8月に3枚撮られました。 |
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| | こ、これは凄い!本当に妖精はいたんじゃなぁ〜
・・・って、どう見ても絵じゃねーか。 |
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ドイルは心霊学研究にも熱心で、死後の世界など不思議な現象を信じていたが、この写真はすぐには信じず、写真鑑定を専門家に依頼したそうだ。 するとその結果、合成、二重露光などのトリックの跡は認められなかったのだ。 また、知り合いの神智学者エドワード・L・ガードナーに現地調査を依頼し、念を入れて調べ上げ、ドイルはとうとう妖精の存在を確信したのである。
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オレは今、この写真を見て恐ろしい仮説を思いついたんだ・・・。 |
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どんなんですか? |
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・・・妖精の正体は恐らく、地球外知的生命体だ。
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な、なんだってーっ!!? |
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ド、ドーユー事ナンダヨ、コバヤシッ!!
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お前達は知らないだろうが、その昔、ブルーストンウォーク事件という異星人との遭遇事件があったんだよ! その異星人の背中には水玉模様の大きな羽根があり、さまざまな色で美しく輝いていたそうだ・・・。 |
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・・マ、マサコ!?
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そう!そのまさかだよっ! まさに、この妖精と呼ばれる者は、地球に降り立った地球外知的生命体だったんだよ! 地球を調査するため、まだ幼い少女達からいろいろと情報を聞き出していたに違いない!
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無理してるよな? |
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この事件は1930年7月7日にドイルが死去すると、次第に忘れられていったが、1965年5月24日の『デイリーエクスプレス』誌に、エルシーの告白が掲載された事から、再び世界を驚かせた。
告白文は、こう記されていた。
「あの写真は、私とフランシスの想像の産物です。 妖精写真はエルシーが妖精の絵を描き、それを切り抜いてピンで止め、写真に撮ったものでした」
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に、偽の記憶を脳に植え付けられたんだよ・・・奴らに!
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当時、フランシスの遊び相手は、いとこのエルシーだけだったそうなのだよ。 2人は外で遊ぶのが好きで、よくベックに遊びに行っていたそうだ。
しかし、ベックに行く度に、服や靴を汚して帰った為、フランシスは母親によく叱られていたのだ。そこでフランシスは、べックに行く言い訳として、「妖精を見に行くの」と母親に言ったのである。 そして、証拠写真があれば、ベックに行くことを許してくれるだろうと、エルシーが妖精の絵を描き、ピンで止めて、写真に撮ったのだ。これが事件の真相である。 |
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つまり、シャーロック・ホームズで数々の名トリックを生み出した、あのコナンは、ガキんちょのトリックにあっさり騙されたって事くぁーっ! あのコナンがッ!あのドイルがッ! |
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しかし・・・、フランシスの娘のクリスティーヌ・ウェイさんは次のような証言をしています。
「母はとても優しく、繊細で誠実な人でした。 写真のことは語りたがりませんでしたが、 最後の写真だけは本物だと母はたしかに言いました。 草むらの中で何か動いたので、母が慌てて撮ったそうです。(⇒)
母は死ぬまで妖精を信じていました。 私は、そんな母の言葉を信じます」 |
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| | 泣かせる話じゃねーか、ちきしょうめ。
でも、最後の写真には一体何が写っているのですか? |
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1978年、最新技術を駆使して、写真のオリジナルネガが徹底的に検査された。 フォトジャーナリストのジェフリー・クローリー氏は「4枚は偽造と断定する事が出来たが、最後の写真だけは、偽造の証拠を発見出来なかった」と語ったそうだ。 フランシスは、1986年に79歳で永眠し、エルシー・ヒルは1988年に87歳で永眠した。
この写真は「最も多くの人々を最も長い間騙したトリック写真」としてギネスブックに載る事になり、2人の少女達のちょっとした悪戯は、今もなお人々の心に夢を与えている。 |