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[2014.07.19]

キリスト教の奇跡
~科学的な説明が難しい神秘現象3選~



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キリスト教に関する奇跡は世界各地で報告されており、 思わぬ所でのイエスの聖像(イコン)の出現や聖母マリアの目撃など、毎年必ずと言っていい程、同様のニュースが飛び込んできます。
これはキリスト教という宗教が、こうした神の御業を前提とした上で成り立っているものである為、 ある意味では当然の事なのかもしれませんがね、今回はそうした科学では容易に説明出来ない現象をいくつかご紹介しますよ。



【ルルドの泉】

奇跡的な治癒力を持つ水が湧き出すというマッサビエールの洞窟▲
多くの巡礼者や難病を抱えた人々が容器を手にして同地を訪れている。
ベルナデッタ・スビルー▲
後にローマ法王ピオ11世によって、聖人に加えられた聖女。フランス読みだとベルナデット。

1858年2月11日、南フランスのピレネー山麓にあるルルドという小さな村の、粉挽き職人の父親フランソワと母親ルイズの貧しい家庭に生まれたベルナデッタ・スビルーという13歳の娘がですね、11歳の妹のトワネットと、12歳の友達で石切屋の娘のジャンヌ・アバディーと一緒に、村を流れるガーブ川の河畔で、薪にする流木を拾い集めていたんだ。
で、ベルナデッタが川の対岸にあるマッサビエールの洞窟と呼ばれる岩の窪みの方へ渡ろうと思い、靴と靴下を脱ぎ始めた時にね、突風が吹いた様な音が聞こえたそうなんですよ。
でも、辺りの木々は少しも揺れてなかったんで、また靴下を脱ごうとすると、また突風の音が聞こえる。
ベルナデッタは頭を上げ、対岸の洞窟の方を向いた。
したらね、何て言うんですかね、野棘が生い茂ってる辺りだけが、強い風を受けた様な感じになびいててね、対岸の洞窟から黄金の雲が現れ、光が射し込んだそうなんですよ、ええ。
しかもね、光の中心には美しい女性が立ってるんだ。

ベルナデッタと白い貴婦人(聖母)との出会いを描いたイメージ▲
その女性は、白いドレスに白いヴェールを被り、水色の帯を締め、右手には白い玉と黄金の鎖のロザリオを持ち、足は裸足で、両足首に黄色い薔薇をつけていたそうなんですよ。
その姿たるや、まさに聖母マリア。
聖母(※脚注1)はロザリオを持ち直して、十字架の印をした。
ベルナデッタは自然とポケットからロザリオを取り出し、祈りを捧げた。
そいで、祈りが終わると、聖母はベルナデッタを手で招いたそうなんですがね、彼女はそこを動かなかった。やがて、聖母や光は突然にかき消えた。
ベルナデッタは帰り道に、この出来事を他の2人に話したんですがね、彼女らは薪を集めるのに忙しく、ベルナデッタがひざまずいていたのは見たそうなんですがね、対岸の聖母の姿は見えてなかったんですよ。
この日以降、7月16日まで18回にわたり聖母はベルナデッタの前に出現したそうです。
で、2月25日の9回目に出現した時にですね、ベルナデッタは聖母にマッサビエールの洞窟の地面を掘るようにお告げを受けたんだ。
で、言われたとおり掘ってみたところ、そこから水が湧き出したんですよ。
その水はどんどん量を増していき、やがて澄んだ泉になった。
でね、片目を病んでいた青年が、この泉の水で顔を洗ったんだ。
したらね、何日か経つとその目が治ったそうなんですよ。
また、老婆が腕の痛みに耐えかね、泉に腕をつけたところ、痛みが消えたそうなんだ。

脚注1:
ベルナデッタは当初、白い貴婦人の事を聖母マリアだとは明言していなかった。
しかし1858年3月25日の16回目の出現の際、ベルナデッタが思いきって「あなたはどなたなのですか?」と質問すると、 貴婦人は「私は無原罪の御宿りである(ケ・ソイ・インマクラダ・カウンセプシウ)」と答えたそうだ。
この“無原罪の御宿り”とは、原罪なしに生まれてきたとするカトリックの教義であり、 これはアダムとエヴァの子孫である人類は生まれながらに原罪を背負っているが、 聖母マリアは汚れなき存在であり、情欲の交わり無しにイエスを処女懐妊し、また、彼女自身も 同様に母アンナの体に宿った原罪を免れた存在と説くものである。
なお、この教義はルルドの出来事が起こる4年前の1854年12月8日に、時のローマ法王ピウス9世が公に宣言したばかりでもあった。
現在の聖地ルルド▲
泉の洞窟は大聖堂の下部に位置し、手前のガーブ川沿いで大勢の巡礼者が列を作っている。
修道院でシスターをしていた頃のベルナデッタ▲

以後これらの話はみるみるうちに広まり、世界中から大勢の難病に悩む人々が藁をもすがる思いでルルドを訪れるようになり、そうした人々が泉の水を飲んだり浴びたりしたところ、不思議と何人も回復したんですよ。
医者の見離した病人が全快した例は数知れず、1861年までの3年間だけでも100件の報告があったそうなんですよ。
現在、この泉はローマ法王庁が認めるカトリック最大の聖地となり、訪れる人の数は年間500万人を数え、長蛇の列は深夜にも及ぶそうです。
ちなみに泉の水は、天然のゲルマニウム(Ge)イオン水といわれており、1日に12万2400リットルの量を出すそうでしてね、 多くの人々の難病を治した秘密は、ゲルマニウムの分子構造の治療特性とか、プラシーボ効果が作用したのではないか等、諸説あるみたいです。
いずれにせよ、ルルドの泉で病気が良くなると信じている人々は数知れず、ノーベル医学生理学賞を受賞したアレキシス・カレル博士も著書『ルルドへの旅』の中で泉の事を奇跡だと認めているんですね。

洞窟の前で祈るベルナデッタ▲
しかし、これまでに「説明不可能な治癒」は2500件あるそうですが、 教会側から正式に奇跡と認定された症例は、ここ約150年間で68例(※2009年時点)だけと少ない。
これは奇跡の認定に当たって、教会側が非常に厳しい基準と手続きを設けている為みたいですね。
医療行為が不可能な難病であり、治療もせずに突然完治し再発しない事、 科学的・医学的な説明が不可能である事と、さらに患者が教会において模範的な信仰者である事が条件だそうです。
しかも、教会外部の心理学者が、奇跡とされたはずの68例のうち11例を独自に調査した結果、いずれも奇跡とは言えないものだったそうです。


ヌヴェール愛徳修道院に安置されている聖ベルナデッタの遺体▲
ところで、実はこのルルドの泉に関するもう一つの奇跡があるんですよ。
1879年4月16日、ヌヴェールの修道院でシスターをしていたベルナデッタは、持病の悪化により35歳という若さでこの世を去った。
それから30年後、1909年9月22日の朝、ヌヴェールの司教の立ち会いのもとで、 ベルナデッタの墓が掘り返され、棺が開けられたんですよ。
これは彼女を聖人の1人として加えるかどうかを占う調査の一環であり、もし奇跡的に遺体に腐敗が見られなければ、列聖するにふさわしいという事だったんですね。
したらね、 なんと彼女の遺体は全く腐敗しておらず、まるで眠っているかの様だったんですよ。ロザリア・ロンバルドの様にね。
1925年4月18日にも、ベルナデッタの墓が再び掘り返された。
遺体は未だに腐敗していなかった。
その場に立ち会った外科医ドクトル・タロンは、3年後に医学誌にその時の報告を発表し、その中で、ベルナデッタの骨と筋肉が完全に保存されており、とりわけ死亡の直後に悪化するはずの肝臓までもがそのままの状態で残っている事に驚きを表しているんですよ。
そしてドクトル・タロンはこう結論づけたんだ。
「これは通常の自然現象では無い様に思われる」
もっとも、遺体は一定の条件が揃えば、極稀に腐敗を免がれる事もあるそうなんですがね、それにしたって、 人知を超えた何かの力がベルナデッタの遺体に作用したのではないか?と思わずにはいられないってなもんですよ。
とはいえ、ベルナデッタの遺体も、厳密には腐敗が発生していたらしく、それを覆い隠す為に精巧に作られたマスクを被せられて、 1925年8月3日、彼女の遺体はヌヴェールの聖ギルダード教会の聖堂の廟に安置され、一般に公開されるようになったそうです。
現在も、毎年多くの巡礼者達が聖女ベルナデッタの姿を見る為に、ここを訪れています。


【聖痕現象】

聖痕を受けるアッシジの聖フランチェスコ▲

聖痕現象とは、ゴルゴダの丘で十字架に磔にされたキリストが釘やロンギヌスの槍を受けた場所、つまり、両手、両足、脇腹、額、両肩、背中等から出血したり、アザが出現したりする事を言うんですよ。
スティグマ現象とも言われます。
これは信心深いキリスト教徒に現れる現象でしてね、特に毎年行われるキリストの復活祭の前日の金曜日(キリストの受難日)に、女性に多く見られるそうです。
でね、これは出血しても、何故だか痛みが無い事があるそうなんですよ。
また、流れ出た血が重力に逆らって上に向かうなんて事もあるそうです。
この現象は現在までに世界中で400件以上報告されており、最初の体現者は、イタリア、アッシジの聖フランチェスコだと言われています。
1224年9月24日、彼はモンテアルヴェルニアで断食しながら祈りを捧げていると、十字架に架けられた熾天使をが現れ、それを見て気絶したそうなんですよ、ええ。
その時、熾天使は聖フランチェスコの身体に、キリストと同様の場所の傷跡を押しつけたそうなんですねえ。
彼の伝記を書いたトーマス・セラノによると、傷の中には釘状の組織もあったそうです。

聖痕を受けたテレサ・ノイマン▲
彼女は1926年11月から出血が始まり、 1928年3月8日に聖痕が肩に生じて以来、神の啓示があったとして断食生活に入り、至福と苦難の日々のまま1962年に死亡した。

ピオ神父▲
彼は聖痕の他にも、 異なる2カ所に同時に存在する能力(バイロケーション)など、様々な超自然現象を引き起こす能力があったとされる。
また、この聖痕現象で特に有名なのは、ドイツのテレサ・ノイマンという女性です。
1926年、ドイツ、バイエルンの修道女だったテレサは病気の為、目が見えなくなり、足も不自由になってしまったそうなんですよ。
ところがですね、キリスト教の熱心な信者で、テレサが師と仰いでいたテレーズ・ド・リジューの墓のバラの葉を数枚手に入れてから、彼女の目が回復し、足もある程度動ける様になったんですよ、これが。
しかし、その頃から、毎週金曜日の夜に、彼女の両手、脇腹、目、頭といった場所から、血を流す生活が始まったそうなんですねえ。
その為、彼女は常に医者の監視下に置かれたそうなんですがね、医学的な見地からも、この傷の原因は結局分からなかった。
イタリアのピオ神父に到っては、1918年にキリストと同位置の5箇所の傷が現われ、あまりの痛みに日々の睡眠時間が2時間で、1968年に亡くなるまでの50年間以上、血を流し続けたってな話ですよ、ええ。

2004年4月、額に聖痕が現れたシリアのダマスカスの敬虔なクリスチャン、ミルナ・ナザール▲
この現象は、キリスト研究者で、数多くの聖痕体現者を見ているローランタン神父の説では、強い信仰心と思い込みがひき起したものなのではないかと考えられているそうです。
この考えを裏付けるのは、実はキリストが釘を打ち込まれたのは手のひらではなく、手首だったのではないかという説です。
多くの宗教美術では、キリストが釘を打たれ傷ついたのは手のひらと足の甲として描かれているものの、実際に釘を手のひらに打ち込むと、全身の体重を支える事が出来ず、裂けてしまうそうなんですよ。
つまり、キリストは磔刑の際、本当は手首とくるぶしに釘を打たれたという事を現しているようなんですね。

聖痕が現れたイタリアの聖職者ジョルジョ・ボンジョバンニ▲
1989年に初めて聖母マリアの姿を見た瞬間、傷口が出来たという。
そして、この事実が広まるにつれ、新たな体現者は手首とくるぶしに傷跡を現したそうなんですね。
この事からも、この現象を引き起こすのは体現者自身の信仰の力、強い自己暗示によるものであるという事が考えられるみたいです。
また、カナダのローレンシア大学の脳神経学部のマイケル・パーシンガー博士によれば、創造性に富む人間に催眠術をかけると、肉体的な変化が現れる事があるそうなんですよ。
アメリカのイリノイ大学の心理学者ゴードン・ポール博士が行った実験では、被験者に手に乗せた金属が焼けつく程に熱いと暗示をかけた結果、たちまち被験者の手に紅斑が現れたそうなんですね。
この実験で特に反応を示したのは、聖痕の体現者や多重人格障害者、ヒステリー症等の強度の肉体的・精神的なストレスに晒された経歴を持つ人々だったそうです。
もちろん、こうした説が全ての聖痕現象の事例を説明出来る訳ではないにせよ、 信仰心による強い自己暗示が、脳内にあるキリストのイメージと自らがシンクロし、 それが肉体にまで影響を及ぼした結果であるという可能性は高いみたいですね。


【血を流す聖母マリア像】

インドのウッタル・プラデーシュ州、カルメル修道会の血の涙を流す聖母マリア像▲
聖像が涙を流すという落涙現象は以前からも報告がありますが、 2012年7月には、アメリカとインドのそれぞれ離れた場所で、相次いで聖母マリア像が血を流すというなんとも奇妙な現象が発生しているんですね。
7月11日、インドのウッタル・プラデーシュ州のカルメル修道会の聖母マリア像が血の涙を流している事が 清掃係の女性によって発見されたそうです。
なんでも彼女が聖母マリア像を拭いていると、目から血の涙が流れ出してきたとの事で (もちろんこの時、聖母マリアを拭いた布には事前に赤い液体等は付着していなかったそうです)、 後から教会に入ってきた修道士のジョイ・キザカエルさんも思わず硬直したみたいなんですね。
でもって、この聖母マリア像に奇跡が起こったという噂はたちまち広まり、夕方までに3000人を超えるカトリック信者達が教会に訪れたそうなんですね。
信者が大勢押し寄せた事に対するサービス精神なのか、 翌12日にもマリア像は大量の血の涙を流し、滴り落ちた血は台座まで達し、血だまりを生み出す程の量であったそうです。

そして、ジョイ・キザカエルさんはこの血を採取し、地元の聖ヨセフ病院に血液検査を依頼したんですね。 するとその結果、この血液はB+ve型という人間の血液である事が判明したんですよ。
これはまさに奇跡ではないかって事で、話題になったみたいです。

アメリカのルイジアナ州の民家の庭に置かれた、流血する聖母マリア像▲

両腕で幼子イエスを抱える見た目は普通の聖像▲
グエンさんは、祈りを捧げる信者に像が見えるよう庭を開放しているという。
次いで7月17日、アメリカのルイジアナ州バトン・ルージュ地区の民家の庭に安置されていた聖母マリア像から血の涙が流れたという報道がされた。
異変に気づいた家主のハイ・グエンさんは、額の左脇あたりから血が流れているところを発見し、 驚いて娘に知らせた。
そしてこの話はすぐに周囲に知れ渡り、大勢のカトリック信者達が訪れ、マリア像に祈りを捧げたそうです。
グエンさんの娘は、「これは神が聖母マリア像を通じて、何かを伝えているのだと思います」とマスコミの取材に答えているそうで、 同地を訪れた地元の聖職者はマリア像が流した血を鑑定の為に採取したそうですが、分析結果はまだ公表されていないみたいです。
何にせよ、世の中には不思議な事があるんですねえ。


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