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オーストラリア南東部、ビクトリア州沿岸を走る「グレート・オーシャン・ロード」は、
“世界一美しい海岸道路”と賞賛される、全長約260kmの人気ドライブルート(※1)。
※1:自動車のCMロケ地にも度々使われているので、なんとなく見覚えがある人も多いかもしれない。
その風光明媚な景観から、世界遺産候補としての呼び声も高い。
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その絶景スポット密集地帯のハイライトが、「十二使徒(The Twelve Apostles)」と呼ばれる奇岩群の名所である。
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メルボルンの町から西に200km超、ポートキャンベル国立公園の断崖に位置する同地は、
中新世の石灰岩で出来た複数の海食柱(※2)によって構成されている。
※2:海食柱とは、海によって陸地が侵食される過程で、一部の固い岩盤などが取り残され、塔のような形状となった岩や地形の事。
十二使徒も約1000万年前までは本土と陸続きだった。
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高さ数十mの“使徒”が荒々しい海中に聳え立つ光景は、息を呑む美しさと迫力で圧巻。
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1922年までは「メス豚と子豚達(Sow and Piglets)」と呼ばれていたが、
観光地化の際にもっとイケてる名前が良いという事で、つい厨二センスを発揮してしまい、
イエス・キリストの弟子を指す“十二使徒”に改名されたという。
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しかし、名前の割りに実は12柱も存在せず、改名時点でも9柱しかなかったというから、細かい事は気にしない豪州の大らかさに脱帽だ。
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しかも、波や風雨によって年々2cmずつ侵食が進んでおり、2005年には高さ50mの柱が崩落し、現在残り8柱となっている(※3)。
※3:悠久の時を越えて存在し続けた柱だが、目撃者によれば、崩落の瞬間は僅か数秒の出来事だったという。
また、残存する使徒は、数え方によっては7柱とも。
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そう遠くない未来に、最後の晩餐(とき)が訪れて消えてしまうかもしれない、この惑星が生み出した壮大な奇景なのである。
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