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修学旅行の定番であり、
現存する世界最古の木造建築物群として知られる、奈良県斑鳩町の世界遺産「法隆寺」(写真は法隆寺駅の改札前)。
今から1400年以上前の推古天皇15年(607年)、聖徳太子によって創建されたと伝えられる、歴史的な寺院である。
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そんな法隆寺の約3キロ南東、斑鳩町に隣接する安堵町には、
どういう訳か、聖徳太子を象った“巨大なカカシ”が聳え立っている。
言うまでもなく、一般的なカカシは人間の等身大サイズであり、
イベントなどで特別に作られたものでも、せいぜい3~5メートルといったところだろう。
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しかし、今回の聖徳太子カカシの大きさは、実に高さ約12メートル、重さ約3トンに及ぶ。
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現地に着くと、のどかな田園地帯の青芝の中に、ポツンとその姿が見えた。 かつて1万円札の肖像に使われ、
一度に10人の話を聞き分けたとされる、飛鳥時代の偉人の姿が。
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近年の教科書(高校以上)では、「厩戸(うまやど)王」「厩戸皇子」などの名がメインで書かれているようだが、
史実はどうあれ、やはり「聖徳太子」という称号が一番しっくり来るビジュアルである。
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巨大な聖徳太子と言えば、伊豆の珍スポ「まぼろし博覧会」にも高さ10メートルの胸像が設置され、ボスキャラ的な感じになっているのが思い出される。
こちらは全身の立像なので、単純に比較は出来ないものの、よりサイズがデカいという事もあり、
一度チェックしない訳にはいかないのだ。
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ここは、その名も「安堵町案山子公園」。
訪問時は何も無かったが、時期によっては、地元の人による創作カカシが展示される原っぱだ。
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この巨大カカシについても、2018年に町興しの一環で、地域のシンボルとして作られたものらしい。
12メートルという高さは、恐らく聖徳太子が制定した「冠位十二階」にちなんでいると思われる。
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目の前まで行くと、その神々しい存在感が際立つ。 もはやカカシというより大仏に近い雰囲気だ。
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説明書きによれば、正式名は「聖徳太子のオブジェ案山子」。
推古天皇の摂政として聖徳太子が馬で往来した、「太子道(たいしみち)」(※2)沿いにあるそうだ。
※2:住居の斑鳩宮(現在の法隆寺)から職場の飛鳥(現在の明日村)までを結ぶ、
直線にして約20キロの古代道路。言わば、聖徳太子の通勤ルートである。
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また、聖徳太子の顔は、法隆寺の方角である北西を向いているという。
少し離れた位置から、ちゃんと自宅のあった場所を見守っているのだ。
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ボディーは鉄骨と金属マットから成り、その周りに樹脂を吹き付けているそうだが、衣服の部分は布地となっている。
当初は赤系だったものの、しばらくして緑系の服に衣替えされたようだ。
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当たり前だが、足のサイズも巨大。一体、何センチの靴を履いているんだろうか。
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町の実行委員会が中心となってカカシを設置しているらしく、「町民と案山子を含めて、人口1万人を目標としています」との事。
地方の人口減少に歯止めをかける(?)、思わぬ一手である。
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孤高に佇む聖徳太子の姿は、
日本という国の発展に安堵しつつも、その行く末を案じているようでもあった――。
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