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[2006.04.19]

FILE132:呪いのホープ・ダイヤモンド


The Hope Diamond
アメリカのワシントンにあるスミソニアン博物館にはね、所有した者は必ず不幸に見舞われるってな、呪われたダイヤモンドがあるんですよ。
映画『タイタニック』で主人公の女性が身につけていた大粒ハートシェイプ・ダイヤモンドのペンダントのモデルとも言われているんですがね。
そもそもこの青いダイヤは9世紀頃、インドの西北部ガット山脈のバルカット峠の麓にあるゴルゴンダって場所で、ある農夫が畑を耕していた際、偶然クワにカチンと当たって掘り出されたものらしいんですね。
早速農夫は宝石屋に鑑定してもらったところ、なんと279カラットもあったそうでね、彼は1日にして大金持ちになり、有頂天になった。
でも、その幸運は長くは続かず、ある時、ペルシアの軍隊が村に攻め入ってきて、農夫は必死にダイヤを握り締めて抵抗したものの、あっさり手首を叩き切られて奪われてしまったそうなんだ、うん。
で、インド遠征から凱旋したペルシア軍の隊長は、ダイヤをペルシア王のシャー・ゼハンに献上し、大喜びされた。
シャー・ゼハン王は、「我が王国とこのダイヤのどちらかを選ぶかと聞かれれば、迷わずダイヤを選ぶ」とか言った程の惚れこみ様だったそうなんですがね、ところが、その隊長は、その後間も無く謎の自殺を遂げてしまったそうなんですよ。
それからしばらく時は流れて17世紀、1666年にインドを旅していたフランス人貿易商にして探検家のジャン・バティスト・タヴェルニエが、古都べーガンのヒンズー教の寺院にあった、ラマ・シータという仏像の胸(額や瞳とも)に埋め込まれていたこのダイヤ(この時は112.5カラットに)を密かに盗んだそうで、これが更なる悲劇の始まりだったんですね。
その2年後の1668年に、このダイヤは他の数個と共にフランス王のルイ14世に献上し、タヴェルニエは爵位と250万フラン(数十億円)という大金を得たんですが、その4ヶ月後、彼は全財産を失ってしまい、再度出かけたロシアの荒野で、野犬の群れに食い殺され、無残な死を遂げる。
一方、ルイ14世は、ダイヤを1672年に68.8カラットの見事なハート型にカットし、「フレンチ・ブルー・ダイヤモンド(フランスの青)」と名付け、家宝として大切にしたそうです。
でもね、この時からブルボン王朝を次々と不幸が襲う事になったんですね。
まず、ルイ14世は間も無く天然痘により病死し、ダイヤを彼から借りてヴェルサイユの夜会に出た愛人のモンテスパン侯妃は、夜会の途中で突然「苦しい!」と叫んで気を失った後、王妃を凌ぐ権勢を誇っていた彼女は、毒殺事件に関与した事が発覚した為、宮廷から追放されてしまったそうです。
金持ちは皆死ねばいいんじゃヨ。
真顔でドス黒い発言せんで下さいよ・・・。
やっぱ、美しい物ってのにはトゲがあるんですかね。
花も女も宝石も。
その後、ダイヤはルイ16世の手に渡り、彼はそれを妻のマリー・アントワネットに与えた。
ところが、王も王妃もその後、1792年のフランス革命で処刑されちゃうし、王妃からダイヤを時々借りていた親友のランバル侯妃は、革命の際に暴徒に八つ裂きにされてしまったそうなんですよ。
で、ダイヤは革命の混乱の中で一時姿を消したんですが、1800年になってオランダのアムステルダムの宝石研磨師のファルスの手に渡ったそうです。
ところが、ファルスの息子がこのダイヤを父から盗んで売り飛ばしてしまった。
したら、その息子は気が狂って自殺してしまい、ファルスも極貧のうちに死亡、それを買い取った相手は喉に肉をつまらせて窒息死、更に、1830年にダイヤを手に入れたイギリスの実業家エリアソンは、馬から振り落とされて死んでしまったそうなんですね。
やがて、何度も加工と研磨され、最終的に44.5カラットになったダイヤはロンドンに持ち込まれ、銀行家のヘンリー・フィリップ・ホープってな人物にオークションで競り落とされ、ダイヤは彼にちなんで「ホープ・ダイヤモンド」って名付けられたんですね。そのまんまですが。
でも、やはり彼はその後数々不幸に見舞われ、破産して死亡。
彼の息子のフランシス・ホープと結婚した歌手のメイ・ヨーも、その後、夫と離婚し、貧困のうちこの世を去り、彼女は生前、「人生がうまくいかないのは、あのダイヤの所為」とこぼしていたそうで、また、ダイヤの所有権を巡ってホープ一族内で訴訟が起こる程になり、結局一族は半年後に破産しちゃったそうなんですね。
誰か滅びの山に捨てに行きゃいいのに。
誰が行くかッ!
わざわざ大金はたいて買った物ですから、そうそう捨てれませんよ。
マクリーン夫人のエヴァリンで、このダイヤは1851年に、クリスタルパレス博覧会でディスプレイされた後、1906年に、遊び人のロシア皇太子イワン・カニトフスキーの手に渡ったそうなんですがね、愛人のフォリー・ベルジュール劇場の踊り子であったマドモアゼル・ラドルを、嫉妬に駆られ出演中に撃ち殺した後、彼自身はロシア革命党員の一団に撃ち殺されてしまったそうなんですよ、ええ。
その後、エジプトの商人も汽船の衝突によって不慮の死を遂げ、ギリシアの宝石商は餓死をする寸前にこのダイヤモンドを売ったそうです。
1909年にダイヤを買ったのは、旧トルコ皇帝のサルタン・アブドゥル・ハミド2世だったそうなんですがね、当時のオスマン帝国は崩壊寸前で、しかも彼は半狂乱状態だった為、「ダイヤに呪われた王」とか呼ばれていたそうです。
また、ハミド2世は寵児のサマラ・ズバヤにダイヤを贈りますがね、彼女はこの皇帝に殺されてしまったそうで、1911年には、革命で命を脅かされたアブドゥルは退位するはめになり、帝国も崩壊してしまった。
その後、ダイヤは数人のディーラーの手を経て、有名なフランスの宝石商ピエール・カルティエに18万ドル(約3億6千万円)で買い取られた。
で、カルティエはホープ・ダイヤの周りに他のダイヤモンドをセッティングしたネックレスに作り変え、すぐに当時の「ワシントン・ポスト」誌の新聞王であったエドワ−ド・ウォルッシュ・マクリーンに売り渡し、その所有者は妻のエヴァリンとなった。
エヴァリンは無類の宝石好きで、変わり者でもあったそうでしてね、呪いの噂なぞ信じず、このダイヤを身に付けたそうなんですがね、やはり不幸が襲う事になった。
夫妻の9歳の息子ヴィンソンは自動車にはねられて死亡し、夫エドワ−ドは政治的スキャンダルに巻き込まれ、夫人と離婚し、精神を患い、療養所で亡くなり、娘は25歳の時に、睡眠薬を飲んで自殺し、エヴァリンは風邪をこじらせ肺炎になり、1974年に死亡。
その2年後の1949年に、ニューヨークの宝石商ハリー・ウィンストンがホープ・ダイヤを含むエヴァリンの全ての宝石をを購入し、10年間慈善金を集める為、ホープダイヤを様々な展示会に出品したそうです。
ハリー・ウィンストンは約10年近くこのダイヤを所有したそうで、その間、4度も交通事故に遭遇し、事業に失敗し、破産寸前にまで追い込まれたそうなんですがね、とうとう1958年11月10日に、彼はスミソニアン協会に寄贈したんですね。
この時、ウィストンは安全を考えた結果、普通郵便で送ったそうです。
こうして、呪われたダイヤは安住の地に辿り付いたんですね。
その後、それまで44.5カラットと伝えられていたこのダイヤなんですが、分析の結果、訂正されて45.52カラットとなり、目で見る事の出来るブルー以外にも、すみれ色の色素が見つかり、更に、通常のダイヤモンドには滅多に見られない、紫外線を当てると色が変化し、紫外線を離してもその色が残る燐光という性質を持っている事が判明したそうです。
ちなみにですね、所有はしなかったものの、マリリン・モンローが主演映画の撮影の中で、このホープ・ダイヤを身につけたそうですよ。
そして1962年に、彼女も不可解な死を遂げたってな訳ですよ。
スミソニアン博物館は崩壊しないんデスか?
さあ・・・、しかし、ホープ・ダイヤは博物館の目玉となって、たくさんの観光客を呼んでいますからね。
むしろ博物館にとっては幸運な存在になってるっぽいですよ。
えー、でも、これまでの法則的に、所有してるんだから、何か不幸が見舞われてもおかしくないですよね。
例えば、博物館の建物が構造計算書偽造だったとか、アスベスト満載だったとか。
呪いより、そっちの方が恐えよ。
フ、性懲りも無く、また呪いだのと・・・。
いいかい、この持ち主が次々と悲劇的な死を遂げるとされるダイヤモンドの話は、実は殆どが後に脚色されたり、こじつけられたりしたものなのだよ。
このホープ・ダイヤモンドの存在は、古くからそれと思われるブルー・ダイヤにまつわる話が残っているが、原石の状態だったりカットの形が違っていたりして、確証は得られていない。
また、このダイヤは次々と転売され、持ち主を変えたが、その中の数人が不幸な最期を遂げたという話が、いつの間にか持ち主を悲劇に陥れる呪いのホープ・ダイヤとして定着してしまったのだ。
そもそも、これらの話は宝石商カルティエの創作だったのでないかとも言われている。
カルティエは、ホープ・ダイヤモンドをマクリーン夫人のエヴァリンに売りたかったのだが、彼女がある時、「他人には不吉な物が私には幸運を呼ぶ」と言った為、カルティエは夫人に興味を持たせるべく、この話をつけたと考えられるのだよ。
また、ハリー・ウィンストンは、ホープ・ダイヤモンドを持って世界中を旅をしたが、別に大した不幸には遭っていないし、交通事故や事業が失敗したのだって、単に彼の注意力や経営力が不足していたに過ぎない。何より、ウィンストン家は現在も世界的な宝石商であるしね。
いやいや〜、兄さんこそ、まァたそんな科学的な事ばっかり言って。
物にはね、人間の思念が宿るもんなんですよ。
特に、怨みの念の力は凄まじいですからねえ。
ほら、いつだったか、小学生の時に空き地で野球してたら、隣りの家のガラス割っちゃって、中からおじいさんが怒り心頭で飛び出してきたかと思いきや、同時に彼の口から入れ歯も飛び出してきて、兄さんに噛みついたじゃないか。
お前、それかなり無理あるよ。
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死神ベンツ
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謎の少年カスパール・ハウザー
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オルメカの巨石人頭像
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地獄の声が聞こえる穴
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