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[2004.01.22]

FILE047:メアリー・セレスト号事件


Mary Celeste
Mary Celest1872年12月4日の午後3時頃、ポルトガルとアゾレス諸島の間の大西洋、サンタマリア島からおよそ590キロの海域をジブラルタル海峡へと向かって航行していたイギリス船デイ・グラシア号の船員は、海上を漂う一隻の二本マストのアメリカ帆船を見つけた。
どこかに向かっているような様子はなく、完全に海の上を漂っているような状態だったので、不審に思ったグラチア号の船員は、この帆船に近づき海上の作法に従い挨拶の信号を送ったが、先方からはなんの応答もなかったんだよ。
その船が11月7日に原料アルコールを積んで、ニューヨーク港からイタリアのジェノバに向けて出航していた、メアリー・セレスト号であることに気づいたモアハウス船長は、一等航海士及び二人の船員と共にボートに乗り込み、メアリー・セレスト号に乗り移ったのだ。
メアリー・セレスト号の乗組員は、当時45歳のベンジャミン・S・ブリッグス船長の他、一等航海士、二等航海士、コック、四人の水夫、船長の妻ファニーと2歳になる娘のソフィアの、総勢11人であった。だが、船内には人っ子一人いなかったのだ。
甲板の下は水浸しで、帆やハッチは吹き飛ばされているものの、十分な航海能力があり、沈没の心配は全くない。
そして彼らが船内の食堂で見たものは、テーブルの上の湯気を出した飲みかけのコーヒーカップ、皿に盛られたベーコンやパン、半分に切られたゆで卵に、蓋を開けたままの咳止め用の薬瓶。まるで、たった今まで乗員が食事をしていたかの様な光景が広がっていたのだ。
しかし、船内に人の姿は全く無いのだよ。
キッチンの調理鍋には、まだたくさんの料理が残っており、ストーブには燃えきった後の灰がそのままになっていたそうだ。
洗面所では、あたかもさっきまでヒゲを剃っていたかの様な形跡があり、水夫の部屋の中もきちんと整頓されており、血のついたナイフが置いてあったそうだ。
さらに航海士の部屋の机の上には、計算途中の用紙が載せられており、タバコやパイプ等も、火がついたままの状態でそこに置いてあったそうだ。
客室のベットの周りには、ちょっと前まで子供が遊んでいたかのような散らかった玩具があったそうだ。
貯蔵庫には十分な食料と飲料水があり、船員の衣服箱も金庫の中の現金や宝石も、8万ドル相当のアルコールの樽もそのままだったが、救命ボートだけは無くなっていた。
救命ボートが無くなっていた所を見ると、乗員が下船したと思われるのだが、荷物が整然としていた事や、積荷を荒らされた形跡も無い事から、そうせざるを得ない理由が全く見当たらないのだよ。 船長室に残されていた航海日誌を見ると、最後の日付は11月24日。
それによると、船はその頃北緯36度56分・西径27度20分、すなわちアゾレス諸島のサンタマリア島から、西方76キロの地点にあったらしい。
つまり、船は無人のまま10日間も海を漂い、1230キロも流された事がわかったのだ。
そして、11月25日の朝の分がメモ帳に記されてあったのだが、それは「わが妻ファニーが・・・・・」で唐突に終わっている意味不明の走り書きだったのだ。  
なんて意味深なカキコ・・・!船長の奥さんの身に一体何が・・・?
さては激太りか!?
ちげえよッ!
それから6日後、無人のメアリー・セレスト号とデイ・グラチア号がジブラルタルに入港し、海事法廷が開かれたのだ。
イギリス側は、船長室のベッドの下で見つかった汚れた剣を証拠として、酒で酔った乗組員が船長と家族を殺害し、救命ボートで逃走したと主張したそうだ。
この主張にアメリカ側は、船の積み荷は原料アルコールだけで、飲料用の酒はなかったし、また、反乱を起こして逃げたのなら、衣服箱や家族の写真が残されていたのはおかしいのではないかと激しく反発しました。
しかし結局、1873年3月、海事法廷は原因不明とせざるをえず、事件は忘れ去られた。
だが、それから10年程経った1884年、イギリスの小説家コナン・ドイルが、メアリー・セレスト号事件を下敷きとした短編小説 『J・ハバクック・ジェフソンの証言』を発表し、大評判になった為、事件は再び浮上し、以後様々な説が飛びかう事になったのだよ。
仮説としては、アゾレス諸島の岩礁で船体をこすってパニック状態になり、船を脱出したという説や、竜巻に襲われたという説もあるが、船体には損傷が無い。
海賊に襲われたにしても、伝染病が流行って乗組員全員が死亡したにしても、死体が無い。
他にも全員海に投げ出されたとする全員事故死説や、金塊を積んで漂流している船を発見した船長が、欲にかられて自分の船を捨てたとする説、巨大イカが船を襲ったとする説に、乗組員がUFOにさらわれたという説が挙げられたが、最も信憑性のある説は、航海中にスコールにあったという説である。
スコールで、積み荷のアルコールの樽が激しく揺さぶられると、樽の中に気体が発生して圧力がかかり、樽のフタとハッチが吹き飛ぶそうなのだ。
これにより、船長は船が爆発すると勘違いし、全員に救命ボートへ移るように指示したんだが、慌てた船長は、うっかりケーブルでボートをメアリー・セレスト号に繋ぐのを忘れてしまい、その後に暴風雨が起きて、ボートは船から遠ざかり、全員海の中へ消えてしまったと考えられるのだよ。
船長ドンマイです・・・。
果たして、それが事件の真相なのか?・・・いいや、違う!
恐らく真犯人は、乗員の中にいる!
実のところですね、当時の裁判資料によると、船内の食堂のテーブルに食事が並んでいたというような事実は無かったそうなんですよ。
恐らくは、当時売れない作家だったコナン・ドイルが、この事件を基にした小説『J・ハバクック・ジェフソンの証言』を書く際(この作品では船名が「マリー・セレスト号」)、色々と脚色を付け加え、それが人々に伝言ゲームの連鎖反応で話に尾ひれがつき、広く知れ渡ったのだと思われます。
そーだったの!?・・・いや、そーだったのだよ。
つまり、大げさなただの遭難事件だったとゆうわけですか・・・。
またもや、あのコナンがッ!あのドイルがッ!
Back number
FILE137:
死神ベンツ
FILE136:
謎の少年カスパール・ハウザー
FILE135:
オルメカの巨石人頭像
FILE134:
エゼキエルの幻視
FILE133:
地獄の声が聞こえる穴
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