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[2004.01.27]

FILE048:バルバドスの動く棺桶


カリブ海に浮かぶバルバドス島のオイスティンという町に、チェイス家という名家の墓がある。
この墓はかなり立派なもので、大きさは3メートル60センチ × 1メートル80センチ。
下半分は地下に埋まっており、サンゴ石とコンクリートで出来ていて、墓というよりは、ちょっとした部屋のような感じですね、ええ。
墓の内部には火葬されずにそのまま遺体が納められた棺桶があったんですよ。
1807年7月、この墓に最初に遺体として納められたのはトマシーナ・ゴッダルト夫人で、翌年の2月には2歳の子供がこの墓に入ったんだ。
1812年6月、今度は自殺した10歳の少女の遺体が納められる事になり、2人の男が少女の棺桶を運び、墓の扉を開けて中に入ってみると、先に納められていた2つの棺桶が置いてあった位置から大きくずれ、まるで投げ出されたかの様に壁の方に動いていたんですよ。
墓を所有する町の権力者トーマス・チェイス卿は、これはきっと黒人奴隷の悪戯だろうと思い、棺桶をちゃんとした位置に置き直し、二度とこんな事が出来ないように墓の扉をコンクリートで固めたんだ。
しかし、その2ヵ月後にはトーマス・チェイス卿自身が発狂死しちゃったんですよ、ええ。
1812年8月9日、トーマスチェイス卿の棺桶を同家の墓に納める事になり、重い石の扉を開け、ランプで中を照らして覗いてみたところ、すでにそこに納められていた3つの棺桶のうちの1つ、2歳の子供の棺桶が、側面が下になり倒れていたんですねぇ。
誰かがこの墓を冒涜したのだとしても、無理矢理に入った形跡はどこにも見あたらず、仕方なく棺桶を元の位置に並べ直し、墓を再び封印した。
白人達は、トーマスチェイス卿は奴隷所有者で残酷な男であった為、ニグロの奴隷の仕業に違いないと噂したそうですね。
フ、実にくだらんな!棺桶が勝手に動くはずがあるまい。
恐らく、当時は島に頻繁に地震が起きていたんだよ。
地震の揺れによって、少しずつ棺桶が移動していったに違いない。
思い出してみろ、うちの実家のタンスも、地震の時にはよく動いたじゃないか!
あれは我が家が欠陥住宅だったからじゃないか!
1816年9月25日には、生まれて11ヶ月の赤ん坊サミュエル・ブルーズター・エイムズを墓に安置する事になったんですよ。
例の如く、墓の扉を開けると、今度は全ての棺桶が床に倒れていたんだなぁ。
トーマス・チェイス卿の棺桶は重い鉛のうちばりで、持ち上げるだけでも8人の男が必要だというのに、完全にひっくり返っていたんですよ、ええ。
しかし、今回も誰かが墓に侵入した形跡はなく、再び全ての棺桶を並べ直し、扉をコンクリートで固め封印した。
その7週間後に、他の場所に仮埋葬してあったサミュエル・ブルーズターの遺体を収容する為に墓を開けてみると、またもや全ての棺桶があちこちに散乱していたんだ。
その中の一つ、ゴッダルト夫人の木製の棺桶は、壁に激しく衝突したかの様に砕けており、中から遺体の手足がはみ出していたそうなんですね。
墓の扉は大理石で造られ、毎回セメントで封印を施しているにも関わらず・・・。
この時、政府の人間により徹底的に調査が行われましたが、扉以外には、人が入るどころか水さえ入らないような、全く隙間のない構造であることが確認されたんですねぇ。
ずいぶん寝相の悪い死人達ですねぇ。
この話はだんだんと人々の噂になり、次の埋葬を心待ちにする者さえ出てきたんですよ。
そして1819年7月7日、トマシーナ・クラーク婦人の遺体が杉製の棺桶に収容されて墓に納められる事になり、今回は噂を聞いた何百人という野次馬が詰めかけたんだ。
その中には、バルバドス島の管理者であるコンベルメレ総督もいたそうですね。
前回の埋葬の時、扉をセメントでいつも以上に頑丈に封印したため、取り除くのにかなりの時間を費やした。そしてついに、多くの人々の見守る中、扉が開けられる時が来たんだ。
しかし、今回は何故か扉が開かないのですよ。中から何かがつっかえているんですね。
やっとの思いで扉を開くと、トーマス・チェイス卿の棺桶が2mも移動して扉を塞いでいた事が判明したんでだなぁ。
そして予測通り、ゴッダルト夫人の棺桶以外の全ての棺桶が散乱していた。
この時も徹底した調査が行われたんだけどね、なんら異常な個所は見つからない。
墓の中をきちんとした後、今回はコンクリートで扉を固めるだけでなく、墓の中に砂を敷き詰める事になったんですよ。こうしておけば、誰かが侵入したら足跡が残るはずですからね。
そしてコンベルメレ総督自らがコンクリートで扉を固め、間違いの無い事を確認しました。
もしかしたら、棺桶の中の奴ら、ゾンビとして生活を営んでいたのかもしれんぞ!生者が来た時だけ、死んだふりをしていたんじゃよ!
だから死んでますってば。
1820年4月18日、コンベルメレ総督の官邸のパーティーで、あの墓の話が出たんですよ。
コンベルメレ総督が酔った勢いで、中がどうなっているのか見に行ってみようと言い出し、人々も興味本位から賛同し、墓を開けてみる事になったんだ。
墓に行ったのは全部で9人。扉のコンクリートに異常は無い。
しかし扉を開けると、やはり棺桶は全てバラバラの方向に投げ出されており、ひっくり返っていたのですねぇ。しかも、砂の上には足跡が全く見受けられない。
この状況に、コンベルメレ総督は、もはや理解不能との判断を下し、中の棺桶を全て別の墓に移すように命じた。現在、このチェイス家の墓はカラのまま放置されているそうですね。
地震だよ、地震。プレート・テクトニクス理論的にも、これは(以下略)
この事件の原因究明に多くの人々が挑みましたけどね、誰一人として納得の出来る説明をした者はいません。
「地震説」ですが、島に地震があったという報告は一度もありません。
そ、それでなかったら、どこか人間が確認出来ない様なところから、水が染み出て棺桶を動かしたんだよ!
「出水説」も、ゴッダルト夫人の棺桶だけが動かないのはおかしいんですよ。尋常じゃない。
また、砂を敷き詰めた床にも何らかの跡が残るはずです。
いや、こうも考えられる!
空気中のニュートリノが突然変異を起こし(以下略)
呪術師が奴隷所有者への復讐の為に、ブードゥー教の呪いをかけたのではないかと言う説まで浮上する中、コナン・ドイルは、墓の内部に未確認な何かが原因で爆発を起こし、棺桶を動かしたと推測したんだ。しかし、この説を証明するガス等の発見はされてないんですよ。
コナン・ドイル、アテになんねぇからのォ。(※FILE037FILE047参照)
Back number
FILE137:
死神ベンツ
FILE136:
謎の少年カスパール・ハウザー
FILE135:
オルメカの巨石人頭像
FILE134:
エゼキエルの幻視
FILE133:
地獄の声が聞こえる穴
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