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世界各地に伝わる未確認生物の情報! 中でも二足歩行の毛深い奴、野人の目撃は跡を絶たない! 今回我々探検隊が追うのは、アジアの未知なる町、小金井に古来より伝わる凶暴な怪物!その名はブリッケツ! スワヒリ語で、「茶色い者」を意味する! そのブリッケツが去年の秋頃から、小金井の密林奥地で地元人に頻繁に目撃されているというのだ! |
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全身茶色の毛に覆われたその生物は、体長2m以上! 性質は極めて凶暴で、人間の様に二足歩行するという! 果たしてブリッケツの正体とは一体何なのか!? それは未だ人類の発見を免れて生き続ける新種の生物なのか!? 全ての可能性を1つずつ潰していかなくてはならない! |
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現地ガイドの案内で、探検隊は誰も恐れて近づこうとしない密林に深く分け入った! |
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密林では何が起こるか分からん!注意して行けよ! ところでアナベベ、方向はあっているんだろうな? |
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今回より、探険隊に副隊長として参加する、元アメリカ陸軍第1特殊作戦分遺隊デルタ・フォース隊員のジョー! その鍛え抜かれた鋭い五感は、余計な情報までいち早く察知する! |
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やがて目の前に老朽化した橋が現れた! 普段、この橋を使うのは地元の猟師だけである! もちろん、安全点検などされている訳がない! |
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かなり古いな・・・。これだけの人数、大丈夫か・・・? |
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だが、ここまで来て遠回りするわけには行かない! 思い切って渡るしかないのだ! 出来る限り橋に負担を掛けないよう、慎重に渡る! |
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おいおい、揺らすな、あんまり!気をつけろ!ゆっくりな! |
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と、その時ッ! |
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ズルッ |
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バケヤロウッ!早過ぎるんだよッ、渡るのがァ、お前はッ! 気を張れいッ! |
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密林では、一瞬の気の緩みが死へと繋がるのだ! 隊長が檄を飛ばすのも当然である! |
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そして密林を歩き続けて3時間が過ぎた頃、先頭を行くガイドのアナベベが指差した! |
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ココガ1週間前ニぶりっけつガ目撃サレタぽいんとデス。 |
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ついに我々はブリッケツが頻繁に目撃される地点に足を踏み入れた!いつ、ブリッケツの急襲に出会うかもしれない! 誰もが口をつぐみ、言い知れぬ恐怖と戦いつつも、とりあえず探検隊はここにベースキャンプを張る事にした! |
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アウトドアだけどな。 |
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テントも無えのかよッ! 何じゃい、このビニールシートとショボい椅子はッ! |
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ジョー、余計な事は言わんでいいッ! よゥし、2組に別れて周辺の探索だッ! 何か発見したら、すぐに無線で連絡しろよッ! |
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探険隊の本格的な捜索が始まった! どんな微々たる異変も見逃さない様、全身の感覚を研ぎ澄まし、ブリッケツの痕跡を探した! |
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草がなぎ倒され、獣道が続いていた! しかも、まだ出来て間もない様であった! 一体ここを何者が通ったのであろうか!? 先を進んでいると、妙なモノが目に飛び込んできた! |
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おい、この木、不自然な折れ方をしていないか!? まるで、何者かの強い力によって折られた様な・・・。 |
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確かに頑丈な枝が不自然に折られている様でもある! しかし、これをブリッケツの仕業と確信するには至らない! |
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もしもここにブリッケツが来ていれば、何らかの痕跡を残している可能性がある!隊長は目を凝らしてそれを探した!
と、その時!隊員から連絡がッ! |
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隊長ッ!ベースキャンプの南で、謎の足跡を発見しただすッ! |
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隊長達は現場に急いで向かった! そして、10分後に隊員達と合流したのであった! |
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デカいなあ、オイ!これ、俺の足よりもデカいぞ。 通常の人間の大きさじゃないぞ、オイ。 通常の大きさの約3倍近いんじゃあないか? |
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足跡は、密林のさらに奥へと続いていた! ブリッケツは自分のテリトリーを持っていて、毎日そこを歩き回っていると考えられる! 果して、この足跡の先にブリッケツは潜んでいるのだろうか!? |
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静かに動けよ。静かにな。 (以下、独白) 幸運にも重要な手掛かりを手に入れた・・・。
それ以上に隊員が確信を深めた事に私は感謝する。 疑心暗鬼では見つけられる物も見つけられない。 気持ちが強いほど、成功の確率は高まるのだ。 |
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だが、足跡は小川で途切れていた! |
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ブリッケツがここの水を飲んでる可能性は高いでござるよね? |
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確かに怪しいな、ここ・・・。ブリッケツのテリトリーかもしれん・・・。 よぅし!ここだ!ここにセンサーと罠を仕掛けようッ! それも強力な奴をな! |
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ブリッケツを捕獲する為に、落とし穴を掘る!シャベルで! だが、罠を仕掛けている我々の命を、逆にブリッケツが狙っているかも知れない! ここはあくまでブリッケツのテリトリーかもしれないという事を常に頭の隅に置きながら、罠作りを急いだ! |
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以前、軍隊でよく掘らされたからな・・・。 掘っては埋め、掘っては埋め、の繰り返しさ。 アレは、コロンビアの、ちょうど今みたいな密林での白兵戦の時だったかな・・・。オレは23人の戦友の墓を1人で(以下略) |
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そして、途中カブト虫の幼虫に遭遇するという精神的トラブルがありつつも、何とか落とし穴を完成させた!カモフラージュも完璧だ! |
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次に、生物の体温を感知する赤外線センサーを、ブリッケツの身長に近い、落とし穴の上2m程の高さにある木の枝に据え付ける! 他に身長2mもの生物はこの密林に存在しない為、このセンサーに反応があれば、それはブリッケツである可能性が非常に高いのだ! |
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ブリッケツを落とし穴に誘き寄せる餌はバナナだ! バナナを落とし穴の上に設置し、それにブリッケツが誘き寄せられれば、即座にセンサーが反応し、捕獲する事が出来る! |
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うっし、あとはバナナを仕掛ければ、罠の準備は完了だな。 おい、バナナを持ってきてくれい。 |
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と、その時ッ! |
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バナナが腐っていたッ! |
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バケヤロウッ!誰がチョコバナナを持ってこいって言ったッ!? ・・・って、オイ、それ、腐ってんのか!? |
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仕方が無いので、そのままバナナを設置する事にした! |
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相手は大自然を駆ける野性獣だ。 多少腐っていようが、そんな些細な事は気にせんだろう・・・! |
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これで罠の準備が完了した!後は何もする事は無い! 下手に動き回れば、ブリッケツに気配を察知されやすくなるだけである!探険隊はベースキャンプに戻り、反応を待つ事にした! |
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(独白) いよいよ、ブリッケツが目と鼻の先にいる所までやって来た・・・。 隊員達も少々疲れ気味の様だ。 密林の中ではいつも気を張り続けている故、無理もない・・・。
彼らの苦労を無にしない為にも、何としてもブリッケツを捕らえたい。
その思いがますます強くなっていた。 このすぐ近くで、私達と同じ空気を奴は吸っている。 もうあと少しだ・・・。 |
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待つしかなかった。昼下がりの気だるい空気が辺りを支配していた。 このまま何事もなく、日が暮れてしまうと誰もが思っていた・・・。 しかし、ブリッケツは密かに動き始めていたのであるッ!
ピピピピピッ |
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おおお、掛かったかァ!気づかれるなよ!静かに急げ! |
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ついにブリッケツが直接その存在を我々に示した! 周りにも気を配りながら、慎重に向かう! ブリッケツを捕らえる事は出来たのか!? |
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と、その時ッ! |
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ズルッ |
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ゴロゴロゴロッ・・・ |
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気が焦ったか、隊員が足元をすくわれ、崖から転がり落ちていくッ! |
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ををいッ!?大丈夫かァー!?ジョー、急いで救出に行けッ! |
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幸い、何とか左腕骨折だけで事無きを得た隊員! 緊張感が緩むと、何気ない場所でも大怪我を負う場合があるのだ! |
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探険隊は全力で現場まで突っ走った! 一体、どんな状況が待ち受けているのかッ!? |
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と、次の瞬間ッ! |
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ズボボボーッ! |
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誤って隊員が罠に掛かってしまったッ! |
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動画:密林DEホール・イン・ワン
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ご覧いただく為にはQuickTimeプラグインが必要となります。 インストールされていない方はこちらより入手してください。 |
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バケヤロウッ!きっちり危機センサーを働かさんかッ! |
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何いッ!?さてはブリッケツが持っていったのか!? 罠に掛からず、バナナだけ持っていくとは、なかなかやるじゃあないかッ! |
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まだすぐ近くにセンサーが感知した生物が潜んでいるかもしれない! もしもそれがブリッケツだとすれば、突如、逆襲にあう可能性もある!緊張と恐怖が入り混じる、複雑な感情が胸を突き上げる! |
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こんな事もあろうかと、バナナの中に発信機を埋め込んであるッ! ブリッケツがバナナを持っていったとすれば、この受信機の反応を辿っていけば、奴を追跡する事が出来るッ! |
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受信機をバナナの発信機の方に周波数を合わせる! わずかな音も聞き逃さない様、耳をそばだて、電波の強さから方向を割り出す! |
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発信機のある場所が判明した!しかもそれは移動している! やはり、ブリッケツがバナナを手に持って歩いているか!? 電波を捉えた事によって、ブリッケツの動きが手に取る様に分かる! |
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次第に電波は強くなっていた! それはとりも直さず、我々がブリッケツに急接近している事に他ならなかった! |
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と、その時ッ! |
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ズルッ |
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先頭を切っていた隊員が突如クラッシュ! 一体何が起こったというのかッ!? |
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隊長、こっちには発信機を埋め込んだ実の部分が落ちています! |
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バナナが落ちていた!ブリッケツが手放したのであろう! 発信機もバナナの中に入ったままであった! 一体バナナを置いて、ブリッケツは何処へ消えたのか!? 何故バナナを手放す必要があったのか!? 腐っていたからであろうか!? ブリッケツは自分が追いかけられている事に気づいたのであろうか!?発信機を回収し、隊長の指示を仰ぐ! |
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我々は目標を失った! 真っ暗闇の中で唯一の光が消えたようなモノである! 相手の動きが全く分からない! 追い詰められた事を知ったブリッケツが、逆に待ち伏せをして、反撃に出てくる事も十分考えられる! ブリッケツのテリトリーで我々は最大の危機を迎えていた! 電波の発信が消えた方向だけが唯一の頼りであった! ブリッケツはどこにその巨体を隠したのか!? |
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と、その時ッ! |
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茶色いのイターッッッ!!!!! |
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ついにブリッケツがその姿を現したッ! なんと凶暴そうな面構えであろう・・・! 探険隊は、ブリッケツ発見の喜びと同時に、その迫力ある姿に恐怖を感じ、息を飲んだッ! |
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し、静かにしろォ!動くなよォ! おい、アレ、ブリッケツに間違いないよなァ、おい!なァ、おい! |
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た、隊長、アレはヤバイでござるよ・・・! 明らかに肉食な顔してるでござるって・・・! |
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おっかねえ・・・!オラ、あんなん捕まえるの嫌だすゥ! |
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・・・いや、ダメだ・・・! (以下、独白) ブリッケツは危険過ぎるッ! 幾多の修羅場を潜り抜け、培われた私の勘が、奴を一目見た瞬間、そう判断していた!故に、これ以上の冒険は出来なかった! 中には目の前にいるブリッケツを捕まえたいと考える者もいた!
だがしかし、隊員の命を守るのも、私の務めである! |
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生身の人間が、密林に君臨する野獣といきなり対峙するのはあまりに危険であるッ!かといって、銃で殺してしまっては元も子もない! 湧き上がる情熱を必死で抑えながら、ただただ静観するしかなかったッ! |
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その後、ブリッケツは密林のさらに奥へと姿を消し、二度と我々の前に現れる事はなかった・・・! 開発の進む小金井で、安住の地を求めながら奥地へと逃れ、生き抜いてきたのである! 追跡されている事を知れば、身を隠すのも当然であった! |
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(独白) どうやら最後の決断を下す時が来た様だ・・・! 食料も既に尽きかけ、隊員達の疲労も極限に達している・・・! もはやここに居続ける事は出来ない事を誰もが悟っていた・・・。 思うに任せない悔しさを腹の底から噛み締める! だが、ブリッケツの姿を捉える事が出来ただけでも、今回の探険は成功と言えるだろう・・・! そもそも、人間のエゴで大自然の中を生きる生物から、自由を奪う権利は無いッ!
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小金井奥地にブリッケツの森は確かに存在した! しかし、我々の捕獲作戦はことごとく失敗に終わった! だが、心に焼き付いた強烈なインパクトは、取り逃がしたという悔しさを補って余りある!それはむしろ、心地良い程の敗北感であった! 我々が追い求めるのは、秘境の扉の向こうに煌めく「未知なる物」という宝! その宝が輝き続ける限り、我々の探検にピリオドが打たれる事は無い!
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ところでアナベベ、この方向で帰り道はあっているのか? |
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