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サブカル界の潮流において、路上観察やトマソンといったジャンルが改めて注目を集めている(気がする)今日この頃。
これまで思いも寄らなかった独自の視点が、SNS等の発達により共有・共感されやすくなった事も手伝い、
多くのウォッチャー(観察者)を生み出しているようだ。
という訳で今回は、主にストリートで見かけた狂おしくも芸術的な物件を中心に集めてみました。
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■関連記事
・ヘンテコ・ロードサイダーズ~都内周辺の小ネタ珍スポ~
・ヘンテコ・ロードサイダーズⅡ~人の造りし珍奇なるもの~
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ジョン・レノンの壁 |
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芸術の都であるチェコのプラハは、
至る所によく分からないオブジェや不思議な空間が見かけられる。
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デブ殺しの階段(勝手に命名)。
幅が狭過ぎてすれ違う事が難しい為、信号が取り付けられている。
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切羽詰った感じがよく伝わるトイレのピクトグラム。
街中に公衆トイレは殆ど無く、ようやく見つけても有料だったりする為、そりゃこうなるのも頷ける。
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カレル橋にある伝説の騎士ブルンツヴィーク像。
伝説では、命令で“空を飛び敵を斬首する魔法の剣”が橋に埋め込まれており、プラハが危機に陥った際に街を救うとされているそうだ。 何かライトセイバーを持ったスターウォーズの誰かっぽいから無意識に撮ったのだが、そんな壮大な背景があるとは。
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カレル橋から少し路地裏に入った場所には、
「ジョン・レノン・パブ」なんていうレストランがある。
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しかし今回の目的地はこの店ではなく、
目の前の橋を渡った先にある場所だ。
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橋の鉄柵には、ありがちな愛の南京錠が沢山取り付けられていた。
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橋の壁面にあった味わい深い落書き(良い子は真似してはいけない)。だが、この程度は今回のジャブに過ぎない。
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鉄柵の向こうの水車付近には、何やらアクロバティックな姿勢の釣り人らしき人影が。
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よく見たら、ただのゴブリンでした。
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ここから少し歩くと、目的地の「ジョン・レノンの壁」が見えてきた。
人通りはあまり無く、大使館などが建ち並ぶ閑静な通りだ。
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カラフルな落書きで埋め尽くされた壁。
ここには愛と平和を訴えるメッセージや、共産主義への批判などが大量に書き込まれているのだ。
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一見するとまるでDQNの溜まり場といった感じだが、この壁は元々、旧チェコスロバキア時代から西側文化の象徴で、
若者達の希望が込められた場所でもあるそうだ。
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1980年12月、ジョン・レノンが凶弾に倒れたという悲報を聞いたある若者が、彼を弔う為この壁にジョンの名と十字架を書いた。
それがきっかけとなって、以降、様々な若者達のメッセージが壁面に塗り重ねられていったのである。
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2003年12月にはオノ・ヨーコも訪れ、『私たちのハートはひとつ、ジョン、愛してる。YO 』というメッセージを残したという。
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しかし2014年、革命25周年記念を期に、
プラハのアートスクールの学生を名乗るグループによって、壁は一度白塗りにされてしまった。
これは、今の世代の新しいメッセージを描けるようにする為の措置だったという。
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それから2年が経過し、壁は再び若者達のメッセージで溢れかえっている(訪れた2016年時点)。
今もジョンのラブ&ピースの精神は、脈々と受け継がれているようだ。
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北の大地のガリバー公園 |
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北海道の札幌市内にあるこの公園。
同行の小嶋独観師匠が、Googleマップで偶然気になるものを見つけたと言うので、
半信半疑で確認しに寄ってみた。
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大きな砂場の中、特徴的なタコ型遊具の向こう側に、今回のターゲットが見えた。
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そこには、無慈悲に拘束されて放置プレイの巨人ガリバーを模った滑り台があった。
一体何をどう探していたら、偶然こんな遊具を発見するのだろう。
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ガリバーが縛り上げられてる縄の部分が、ちょうど
上り下り出来るようになっており、なかなか秀逸なデザインである。
ガリバー型の滑り台は愛知県安城市や三重県鳥羽市にもあるが、姿形はだいぶ異なる。 |
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しかし訪れたこの時は立ち入り禁止になっていた。 どうやら経年劣化で遊ぶには危険という事らしい。
今後修復されるのかは不明だが、取り残されたガリバーの表情が切ない。
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この遊具の正式名は「ガリバー63」というらしく、
昭和63年度の新一年生の母親達のアイディアを元に作られたらしい。
つまり、かれこれ30年近くここで捕らわれている訳だから、ご苦労様といった感じである。
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周囲には小人ではなく、マヌケ面の動物達が取り巻いていた。
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いい年こいた大人達が夕暮れ時の公園で、遊具を取り囲んでキャッキャウフフする光景。
よく分からない面白さと若干のホラーを感じながら、我々は次の現場へ移動したのだった。
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中華富士 |
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埼玉県さいたま市の武蔵浦和駅近くには、
奇抜な外観で見事に出オチっぷりを発揮している中華料理屋がある。 その名も「中華富士」。
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シンプルな店名とは異なり、建物の情報量がやたら多く、
オヤジ系珍スポット特有のゴーイング・マイ・ウェイな状態だ。
やはり取り上げられたテレビ番組名(『モヤさま』)も我慢できず表記してしまっている。
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この奇妙な顔看板、以前はもっと洗脳されたブラック企業の社員みたいな顔だった様だが、
「恐い」との世間の評判を受け、若干マイルドな表情に修正されたらしい。
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店内は撮影禁止なので、普通にチャーハンを注文して昼飯。
味は家庭的な感じで塩気がやや強いものの、メリハリがあってこれはこれで美味しかった。
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食事しながら70過ぎくらいのご主人に少しお話を伺った。
なんでも、こちらのお店は38年間に渡り営業を続けられているそうだが、
近年の駅前の再開発の影響により、常連客が減ってしまったのだという。
そこで、元々物作りが好きだったご主人は、持ち前の器用さを生かし、
派手な看板を作ってアピールする事で、大きな店に対抗しようとしたそうだ。
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実はこのお店には以前も訪れたのだが、
その時はタイミング悪くお休みだった為、数ヶ月ぶりにリベンジを果たした形である。 せっかくなので休業時の様子も掲載しておく。
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休みの時だと地面の看板は収納されているらしく、この辺も割りとスッキリしていた。
今のところ新たに看板を増築する予定は無さそうだったが、今後も末永く営業を続けて欲しいと思う。
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わたでん |
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東京都江戸川区の小岩には、昭和通り商店街の外れに、通りがかったら思わず二度見してしまいそうな電気屋「わたでん」がある。
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店舗の外壁にズラッと並ぶ大量の携帯電話。
6000個以上の端末が生み出す衝撃的な光景である。
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店長によると、この壁は「携帯電話の販売やサービスに力を入れている」という意味合いの看板らしい。
結果的に、わざわざイギリスから取材が来た事もあるそうだから、何事もやってみるものである。
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近くで見ると本物のガラケー端末ではなく、
あくまでサンプル品である事が分かる。 メインツールがスマホに取って代わった現在となっては、
大量に不要になった背景が容易に察せられるが、それにしても大胆なリサイクル方法である。
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携帯の壁がある方は裏手に当たるらしく、こちらが店の正面。
さすがに携帯は無かったものの、今度は車のパーツらしきものが取り付けられていた。
先程の理屈と同じく、車関係にも力を入れているという事なのだろうか・・・つくづくよく分からない。
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海なし県の海の家 |
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荒川を挟み東京に隣接する埼玉県戸田市には、これまた見事にド派手な一軒家がある。通称、埼玉の「海の家」だ。
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ゴテゴテと物が連なったカオスな外観。 ブルー、ピンク、クリームの色味が基調になっており、言われてみれば、確かにビーチにありそうな雰囲気ではある。
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事前にネットで調べはしたが、実際目の当たりにすると言葉を失う。
と言うか、写真で見た時の状態から明らかにグレードアップしている。
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カラフルなトタンの外壁には、写真の切り抜きや人形、彫刻、お面、ポエムなど、様々な代物がTPOを無視して取り付けられている。
独自の世界観が炸裂し過ぎてて、何処からツッコミを入れればいいのか分からなくなる。
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特にアグネス・ラムとオードリー・ヘップバーンが好きらしく、あちこちに写真が見かけれた。
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幼い子供が写ったものなど、
昔の家族写真のようなものまで、構わず掲示している。
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仏教における十悪の戒律「十善戒」。
「人の悪口を言わない」という教えを不悪口(ふあっく)と言います。 良い子の皆は、人に向かってファックなどと言わないように。
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道行く人を不安な気持ちにさせるに違いない、謎の人形や彫像、ぬいぐるみの数々。
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駐車スペース付近では凧が舞い、無駄に正月ムードを漂わせる。 格納された車両のリアウィンドウにも同様のシールが貼ってあり、作り手の強いこだわりを感じさせる。
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まるで来る者を監視しているかのようなオカメが、電波的なヤバい雰囲気を盛り上げていた。 監視カメラをオカメ仕様にした“監視オカメラ”を取り付ければ、防犯レベルが格段にアップするかもしれない。
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植物に一部覆われた民家の正面側。
すぐ隣は普通のアパートなので、あまりにも存在が浮きまくっている。
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もちろん珍スポ名物のマネキン的オブジェも完備。
まるで他所者を威嚇する見せしめの縛り首のようでもある。
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頭部とセットで扇風機の羽が飾ってあると、なんとなく猟奇的な印象を受けるが、
スイッチを入れたら何処かしら動いたりするのだろうか。
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竹製の塀とアーチで構成された民家の入口。 庭にも色々気になるものが見えたが、
これだけ個性が駄々漏れとは言え、一応個人宅らしいので敷地内の撮影は自重しておいた。
たまに変な喫茶店か何かと間違われて誰かが入って来る事もあるそうだが。
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それにしても、一体どんな住人が何の為に・・・と思っていると、以前ご主人がメディアの取材を受けた際のスクラップが貼ってあり、あっさり謎が解けた。
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要約すると、現在のこの状態に至ったのは、
元々海が好きだったご主人が古い家のボロさをごまかしたくて、
自らペンキを塗ってリフォームを始めたのがきっかけらしい。
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やがて自分好みのカッコいい家を目指すようになり、日々カスタマイズを続けているという事らしい。
所々に飾ってある子供の写真はお孫さんらしく、東日本大震災の後、絆の大切さを感じで貼り出したという。
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その他のオブジェやポエム等も、ご主人の中のアンテナが反応したものを飾る事で、
目の前の信号の見切り発車防止だったり、通行人に少しでも元気を与えたいという意図があるそうだ。
なんとも深イイ話である。
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場所が駅近くの交差点なので通行量は多いが、ご主人の思いとは裏腹に、
少なくともこの時は、概ね皆よそ見もせずに家の前を通り過ぎていくようだった。
ジモティー的には見慣れた光景なのか、あるいは意図的に目を合わせないよう(ry
バシャバシャと写真を撮っていたら、部活帰りの女子中学生グループに「ウケるw写真撮ってるw」と半笑いされながら、
家もろとも写メられたものだが、今となってはいい思い出である。
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なお余談だが、
この海の家のある戸田市の近くには、他にもあさくら画廊や八潮秘宝館なんていうクレイジーなDIY住宅がある為、
当サイトではこの魔の地域を“ヤバ家ライン”と勝手に命名したいと思う。
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別に点と点を結んだ所で秘宝の在り処が浮かび上がる訳でもないが、
オカルト界隈で有名なレイラインの如く、意味あり気に直線上に位置しているのが面白い。
この感じだと川口市辺りにもう1軒、同様の家があるかもしれない。
ところで、これらの3物件の所在地には興味深い共通点がある。
それは、先般発売された書籍『「東京DEEP案内」が選ぶ 首都圏住みたくない街』ランキングのトップ10に、
いずれも堂々ランクインしている街だという事である。
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オマケ |
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途中で諦めずここまで読んでくれた感謝の印に、
プラハのフランツ・カフカ博物館広場にあった奇妙な小便おっさん像の動画をご覧にいれよう。
股間や腰の細かい動きに注目である。
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