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民俗学者・柳田國男の『遠野物語』の舞台として知られ、数多くの伝承が語り継がれている民話の里・岩手県遠野市。
妖怪や神隠し、民間信仰などにまつわる場所の宝庫であり、少し不気味で懐かしい日本の姿が垣間見れる、独特な異世界感が漂う美しき土地だ。
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そしてここは、かつて我々を襲った未曾有の大災害(通称:セカンドインパクト)の直前に訪れた、言わば思い出の地なのである。
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カッパ号がチュドって、全員ほぼ無言のお通夜状態で新幹線に乗って帰ったのも、今となってはいい思い出じゃ・・・(遠い目)。 |
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いや、この酷い有様を美化して語るのはしんどい気がしますが・・・。 |
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■関連記事
・新魔界大冒険:破③~カッパ・クライシス~
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岩手県 遠野市
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陸軍北上病院に行く為に東北入りした我々だったが、夕方のイベント開始時刻までだいぶ時間があった為、午前中は久しぶりに遠野を訪れる事にした。
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河童だらけのJR遠野駅前。
このUMAは遠野にとってシンボル的存在であり、名所が複数ある同地の中でも、特にカッパ淵のイチオシぶりがヒシヒシと伝わってきた。
(※以下、生物そのものを指す場合は「河童」と表記する)
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駅前にある観光案内所では、
「カッパ捕獲許可証」が未だに取得できるようだった。送料込みで920円との事。
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仕上がりはこんな感じ。(モデル:源氏池のカッパ)
1年毎に更新を繰り返すと、キュウリマークの数が増え、やがてゴールド免許がゲット出来るそうだ。
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こんな訳分からんもん持っててどうしろっちゅーんじゃい・・・。
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財布の中に入れておけば、いつか飲み会とかで活躍するんじゃないですかね・・・。 |
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カッパ淵(再訪+α) |
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駅前から遠野かっぱロード(国道340号)を走る事約10分、
カッパ淵付近まで接近。
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風光明媚な景色の奥に、目的地が見えてきた。
前回来たのが2009年の夏だったから、実に8年ぶりの再訪となる。
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カッパ淵の小川が流れる蓮池橋には、
以前来た時は無かった(あるいは気付かなかった)変なオブジェがあった。
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ですね・・・つーか何気に後ろの車も結構気になります・・・。 |
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明らかにどうかしてる釣り糸の先のエサ。
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道路を挟んだ向かい側にも、何やら香ばしい感じのものがゴチャゴチャとある。
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おや、人間のふりをした河童がいるぞ。
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誘導棒なんか持って交通整理のつもりだろうか。
コンセプトがさっぱり分からない。
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一見すっとぼけた感じだが、実はかえって隙が無いぞい・・・!
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橋の欄干には、ちょっと変わった色黒の小便小僧がいた。
多分おしっこで水車が回り自家発電するエコなシステムなんだろう。
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股間のホースを駆使して自らを夢の永久機関に・・・!?
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まったく、マジメそうな顔をしているが、見れば見る程かなりハイレベルな変態野郎である。
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メットに(中)って書いてあるからヘル中(ヘルメット中学生)じゃな。
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郵便ポストと一体化した作業員。
まるで何かを風刺しているようでもあるが、ただの気のせいかもしれない。
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MIBがマジギレして黒いヘリコプターで追いかけてきますヨ。 |
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「どっちだよ!」と言いたくなる駐車場の案内板。
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奥の方には何頭もの馬を引く河童がいた。
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UMAが馬を・・・1人でそんなにカッパらおうとは無茶しやがって。
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大魔王様も結構無茶なギャグを繰り出してきますよね。 |
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多分この辺に伝わる、河童が馬を川に引き込んだという民話を再現したものと思われる。
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どうでもいいが、河童ってニプレスと腰巻で局部隠してたっけか?
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アダモちゃん的な未開の部族っぽい感じにも見えますね。 |
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まるでバイクみたいに颯爽と巨大ガマに跨る河童と小象。
怒ると口の中のボールで攻撃してくるに違いない。
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アップで寄るとかなりホラー。
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カッパナイズドされた台座に佇む小型サイズの観音像。 これまでのラインナップの中だと比較的マトモに見えてくる。
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ででーん。
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見覚えのある田園の看板持ちがいるぞ。
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なんか頭にモジャモジャ乗せてるし。
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ほのぼのとした田園風景の中で唐突に展開される不条理な世界。 珍スポ特有のセルフメイド感溢れるパラダイスである。
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一体この謎のカッパーフィールドは何なんじゃ・・・。 |
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ここ「蓮池の丘」は、工藤正さんという近所に住むご老人が、農業の引退後、カッパ淵を盛り上げる為に制作した場所らしい。
風雨による劣化で若干ヤバい雰囲気になっているものの、こうした純粋な地元愛から来る町興し活動は実に素晴らしい。
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気を取り直して、うっかりサードインパクトを引き起こさぬよう、安全運転で少し移動。
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急に河童が道路に飛び出してくるかもしれないからな・・・!
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かもしれない運転は大事ですが、それは多分無いと思います・・・! |
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程なくしてカッパ淵の駐車場に到着。見覚えのある案内板だ。
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駐車場の奥には、キュウリとか売ってる売店がある。
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売り上げが心配になる駐車場のガラ空きっぷりですね・・・。 |
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釣りキチで三平っぽい河童が歓迎してくれた。 なんというか、実にのどかな時が流れている。
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建物の横には河童の緩い顔ハメが。前回は無かったと思う。
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その奥には何やら怪しい祠が・・・
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いや、これはもう出おちんちん(出オチの男根)じゃ・・・。 |
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ち~ん。 そう、ナニを隠そう、遠野名物の一つ、金精様である。
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河童だけでなく男根までぶっ込んでくるとは、遠野恐るべし・・・! |
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駐車場から200m程離れたカッパ淵のある常堅寺へ。
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夏の気配を感じつつ、畑の中の一本道を進む。
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2009年に来た時は真夏だったので、
この辺は一面ヒマワリが咲き乱れて綺麗だった。
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どうでもいいが、案内標識のカッパ淵の英語表記が「Kappabuchi Pool」なのが気になった。淵はプールなのである。
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何で国内地名の英語表記ってこんな微妙なんじゃろな・・・。 |
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確かに荒川も「Ara river」じゃなくて「Arakawa river」だし、結構大胆に意味がダブりますよね・・・。 |
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寺の途中にあるこの何てことない田舎の景色も見覚えがある。
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8年前、大魔王がキュウリキュウリしていた辺りだ。
こうして見比べてみても、自然の成長具合以外はほとんど変わりないようだ。
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室町時代の延徳2年(1490年)4月に創建した曹洞宗の寺院である常堅寺。
その正面入口にはなかなか立派な山門が建てられている。
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2009年時点の様子。左手にあった木は無くなったようだ。
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山門には、高さ3.5mの仁王像が安置されている。
ここから少し離れた早地峰神社より移設された慈覚大師の作らしい。
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前回はせっかちな廃墟マニアと一緒でスルーを余儀なくされた仁王像なんかも、ゆっくり存分に撮影出来るぞい。 |
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境内を進む。 オフシーズンであった為か、我々の他に来訪者は見当たらない。
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2009年時点の様子。
植物の位置の違いや、参道の石畳が無いなど、地味に変化している事が伺える。
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前回は存在すら気付かず、完全スルーを決め込んだこんな小さな建物(十王堂)も、今回は舐め回すように攻める。
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お堂の前には、全国的にも珍しいカッパ狛犬がある。
頭頂部の窪みはお皿のようだが、水でなく賽銭が入れられていた。
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伝説によると、その昔、常堅寺が火事に見舞われた際、
隣の淵に住む河童が頭の皿から水を吹き出し、消化してくれたそうだ。
それに感謝の意を表して、時の住職がこの一対の狛犬を祀ったと言われている。
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モンスター同士を合成したらこうなった、みたいな感じじゃな・・・。 |
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「十王」とは、冥土で亡者の罪を裁く10人の裁判官の事で、閻魔大王とその取り巻きによって構成されている。
しかし、所々に明らかにあまり関係無さそうな人形があったり、独特のミステリアスさを醸しだしていた。
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こちらは見覚えのある初代プレステ風ポリゴンっぽい河童。
以前同様、本堂前の賽銭箱の横で体育座りしていた。
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2009年時点の様子。どうやら引き篭もりは脱したらしい。
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本堂の渡り廊下を潜って裏手の橋を渡ると、もうそこはカッパ淵だ。
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前回は無かった河童のトーテムポール。
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どうやらこの辺の住人は、隙あらば何かしらオブジェを設置せねば気がすまないようじゃな。 |
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河童関係の補助金でも行政から出てるんでしょうか・・・。 |
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橋の上から小川を望む。 やはり人影は無く、静かで清らかな雰囲気だ。
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川辺を少し歩いて久しぶりのカッパ淵に到着。
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河童を捕獲すべく仕掛けられた釣竿のキュウリ。
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カッパ淵の河童のエピソードが書かれた案内板。
ある暑い日、馬が水浴びに行ったところ、河童が出てきて馬を川に引きずり込もうとした。
ところがどっこい、馬の方が力が強かった為、河童は馬屋まで引かれていってしまった。
テンパった河童は水桶に隠れたが家人に見つかり、今後は村の馬に悪戯しないと約束をして川に戻してもらったという。
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河童は元々、水神の使いであったが、水神信仰が廃れて妖怪(あるいは未確認動物)化してしまったものだとも言われている。
地方によってその名は多種多様だが、古くは「川童・河太郎」とも呼ばれた。
その姿は身長1m前後とまさに童子のような大きさで、水の入った皿をつけた頭部に、嘴のような口、背中に甲羅をつけて、
全身鱗のヌルヌルした皮膚、3本指の手足には水掻きがあるというイメージが一般的だ。
しかし、18世紀以前の文献では両生類というよりも猿に近い形容のされ方だったらしく、
猿に馴染みの無い江戸の人々にも受け入れ易いよう、蛙やスッポンをベースとした系統に置き換えられたそうだ。
起源については諸説あるが、間引きされた子供の遺体が河原にさらされている姿とする、
スキャンダラスで興味深い見解もある。
いずれにせよ、小さな子供が河などの危険な水辺に近づいて溺れないよう、警鐘を鳴らす恐怖の存在の話が伝承され、全国的に親しまれていったようだ。
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河童とカワウソが混同された例もあったりするそうだが、
世界各地にも似たような伝承や目撃証言があり、アメリカではカエル男やドーバーデーモンと呼ばれる怪生物が目撃されたり、インドネシアにオラン・イカンという手足に水かきのある半魚人の伝説がある。 また、ヨーロッパではリトルグリーンマンと呼ばれる緑色の両生類らしき生物が目撃されているし、日本の沖縄にもキジムナーという河童に似た生物の伝承がある。 さらに一説には、河童を含むこれらの生物は、多くの共通点がある事から、グレイタイプの異星人ではないかとも言われている。
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カッパ淵には小さな祠がある。 ここに子供のいる母親が願を掛けると、お乳が出るようになると言われている。
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2002年には、10月23日付け東スポ紙に「衝撃写真カッパ発見」の見出しで
遠野市で撮影されたカッパらしき生物の後姿が写る写真が掲載された。
しかし、これは後に日本テレビのバラエティー番組『電波少年に毛が生えた 最後の聖戦』によるヤラセ企画と判明。
同番組は同年8月より、「世間にロマンを提供したい」という企画意図で、
モンモンという名の若手芸人にカッパの格好をさせて、土淵小学校裏の小烏瀬川の辺りをウロつかせ、
わざと近隣の人々に目撃させた上に、嘘情報をマスコミに垂れ込んでいたのだ。
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当時、こうしたモラルを欠いた捏造行為に同番組は激しい批判を受け、
最終的に放送開始から僅か3ヶ月で打ち切りに追い込まれた。
だが皮肉にも、結果的にはこの騒動により、
遠野=河童伝説の地という認識が広く世間に知られるきっかけになったとも言える。
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祠の内部はとても賑やかなこんな感じ。
奥にはかつて「カッパじいさん」として親しまれた名物守っ人(まぶりっと)の故・阿部与市さんの写真が飾られており、
なんとなく仏壇みたいな雰囲気を漂わせている。 ちなみに現在は二代目の運萬治男さんが頑張っているとか。
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内部には黄桜のCMみたいなセクシーな河童のオブジェを中心に、
河童やおっぱいのぬいぐるみが多数収納されていた。 祀られているカッパ様が乳神であるという事なのだろう。
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箱の中には「カッパ淵日記」。
各地から訪れた人々が記念の言葉を残せるノートだ。
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お約束の残念な記帳。
遠野を代表する名所という事もあってか書き込みがビッシリで、
最終ページの小さいスペースに書かざるを得なかった。
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いや、今日24日なんで日付を2日も間違えてますがな。 |
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カッパ捕獲用のレンタル釣竿。
この近くにある観光施設で、カッパ捕獲許可証をゲットすると使用可能になるらしい。
RPG的な面倒なプロセスである。
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「カッパさんに引き込まれないように。特に美男美女の方注意」
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自分で言って虚しくならないんだとしたら大したメンタルですね。 |
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藪の中にお堂があったので一応チェックしてみた。
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内部は荷物置き場のようになっており、時代を感じさせるこんな垂れ幕が何故か収納されていた。
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四半世紀前に一度だけ使われた垂れ幕が取ってあるんですね・・・。 |
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小川の反対側には、何やら意味深な立て札があった。
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こっちの方がなんとなく“カッパ淵”という感じがする。
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どうやら我々は真のカッパ淵を見つけてしまったのかもな・・・! |
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もしや先程までのは観光用のダミーだったのでしょうか。 |
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振り返ると案内板に真実が書いてあった。
古来、この地は蓮池と呼ばれ、
その名の通り淵の近くには蓮の葉が浮く池があったそうだが、時が経つにつれ水量が減り、
今では跡形も無くなってしまったという。 この池は、いつの日かカッパが戻ってきて、
泳ぎ回れるようにと、地元の有志で造成したものらしい。
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今回も河童を捕獲する事は出来なかったが、
忌まわしき過去を断ち切るべく、因縁の地に再訪を果たせたのは有意義であった。
カッパ淵周辺のアップデート状況をひとしきり確認した我々は、昼飯も食わずに次の目的地へと急いだ。
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さて、河童の悪戯に遭わないよう気をつけて、そろそろ先に進むぜ。
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今回はヤマ場とかいらないんで、ほんと安全運転でお願いしますよ。 |