探検タイランド③
～ザ・ゴーストタワー～

廃墟好きの皆様、大変長らくお待たせいたしました。
久しぶりの廃墟ネタとして、 バンコクにあるアジア最大級の廃墟に迫ります。

「東洋のヴェネツィア」と例えられるほど、運河が縦横に巡らされているバンコク。
市内を効率良く移動するには、チャオプラヤー川を中心に水上ルートを利用しない手は無い。

乗っていた船の若者スタッフの姿に見覚えがある様な・・・。

サトーン・ユニーク・タワー

バンコクの旧市街に位置するサパーンタクシン駅のそばには、 「サトーン・ユニーク・タワー（Sathorn Unique Tower）」という高層ビルの廃墟が聳え建っている。

一見すると普通の建物の様だが、 1990年代半ばに建設が開始されるも、1997年にアジア全域を襲った金融危機の煽りを受け、 多くの負債を抱えた親会社が倒産した為、完成間近で建設中止となり、 以来14年間、取り壊されず放置されている。

タワーは49階建てで659世帯分の住居を備えた分譲物件、 つまり高級マンションとして建造されたそうだ。

雑然としたビルの隙間にあるタワーの正面入口部分。
周辺住民の日常風景に溶け込んでいる。

建物内部は立ち入り禁止だが、 地元では「幽霊塔」と呼ばれ半ば心霊スポットと化しているらしく、若者達の侵入が後を絶たないという。

交通の激しい通りから細い路地に入り、タワーの真下まで接近。

頭上はこんな感じ。
巨大なコンクリートの塊に囲まれると不思議な気持ちになる。

タワーの横にはもう一棟の廃墟が隣接しており、構造的に恐らく駐車場として建てられたものと思われる。

窓ガラスは無く、周囲はおざなりなフェンスで仕切られている。

両方の建物を宙で繋ぐ連絡通路らしきものが。
バランスでのっかってる様な見た目なので、これは渡るのに勇気が求められそう。

多分「許可無き者の立ち入りを禁ず。マジぶっ殺す」的な事が書いてあると思われるが、 周囲のセキュリティレベルはかなりやる気無しな感じなので、こりゃ若者も楽勝で入り放題ですね。

幾重にも湾曲した特徴的な構造の上層階。
下に比べると壁面の黒ずみが進行してしまっている様だ。

こうして間近から見上げると、なんとなくであるが六本木ヒルズを彷彿とさせる。

廃墟というのは明日には取り壊されてしまうかもしれないという儚さがあるものだが、 このタワーに関しては、実はよく見ると建物の中ほどの位置に広告の垂れ幕が掲げてあったりして、ちゃっかり有効活用されている面もあり、 まだ当分の間、バンコクの地に君臨し続けそうである。

サトーン・ユニーク・タワー内部の動画↑

街中の通りにいきなり巨大ウサギがいてギョッとした。