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埼玉県東松山市には、かつて見渡す限りの荒野の中に、「神秘珍々ニコニコ園」なる謎の施設が存在した。
そこには、創造主の脳内を具現化したような、奇怪なオブジェや電波なポエムだらけの空間が広がっており、うっかり訪れた者に強烈なトラウマを与えるカオスが渦巻いていた。
若かりし頃の我々探検隊は、その狂気の世界に決死の潜入を試みたのだった――。
そんな訳で今回は、大ヒットを記録した映画『翔んで埼玉』に露骨に便乗し、記念すべき当サイト一発目の珍スポ探索記事に、加筆修正などの再編集を行ったリメイク版をお送りしたいと思う。
■関連記事
・驚愕!東松山の奥地に伝説の神秘珍々ニコニコ園は実在した!!
・さらば!神秘珍々ニコニコ園
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2004年2月、埼玉県東松山市
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今回行く東松山はサイタマラリアが多いと聞く。(※デマ) 我々には大きな目的がある。だが、その前に隊員の身体が第一だ。 もちろん、予防薬は全員に飲ませてある。 だが、いくら我々が万全の注意をはらっても、大自然の前に絶対などというものは無く、理不尽な思いをして途方にくれる時もある。 それを乗り越える為には確固たる信念と洞察力、そして野生の危機センサーが必要である。おい!準備終ったか!? よーし、出発ッ!!
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東松山・・・一体どんな恐ろしい魔境なんじゃ・・・! |
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ニコニコ園へ続く密林のルートを進む。
それは想像以上に険しく、過酷なものであった。
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途中の橋が雨期の増水で消失していた為、我々は迂回を余儀なくされた!
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いいか、お前ら!慌てず、ゆっくり降りるんだ!
密林では、あらゆる場所に死と隣り合わせの危機が潜んでいる。 一瞬の気の弛みが死を招くのだ。
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ったく、先が思いやられるのう。ひっつき虫だらけじゃ。 |
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うひゃあ、こんな急斜面で足を滑らしたら、ひとたまりもありませんよ。 |
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探検にアクシデントはつきものだ。 全てが予定通り行くこと自体、奇跡だと考えて良い。 わんぱくでも良い。大切なのは慌てない事。 そして万が一に備え、万全の準備を整えておくことだ。 逆境は人間を成長させる。 この先、多くの困難が予想されるが、
私は隊員達がそれらの困難を乗り越え、たくましく成長する事に期待している。
ズルッ
うわぁぁぁぁーーーっ!!!
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突然のアクシデントに見舞われながらも、なんとか密林地帯を脱した我々は、ニコニコ園のものと思わしき奇怪な看板を発見した! |
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危ない!飛び出し 老若男女憩いニコニコ場 武蔵野博美館 三途の川のエンマの裁き 美人画珍銭○秘等数千点 神仏数百の不思議 一億年化石の秘 一生の楽しい想い出館 ゲラゲラ |
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ニコニコどころかゲラゲラかいっ!爆笑じゃねーか、おい! |
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この程度で怯むなッ!
こんなのはまだ、ほんの序章に過ぎないはずだッ!
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早くもニコニコ園の精神的な洗礼を受けた探検隊一行!
苦笑しながらも、一本道をさらに奥へと突き進んでいった!
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雨も降ってきて寒いし、ワシら一体何やってんだ・・・。 |
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景色も地平線が見えそうな感じになってきましたね・・・。 |
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実は駅からそんなに離れてないのに、不安になるくらい何も無いな・・・。 |
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さすがは埼玉のほぼ中央に位置する未開の地だな・・・!
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神秘珍々ニコニコ園 |
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そして、ついに我々はニコニコ園に到着したッ!!! |
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我々は遂に目的の場所に辿り着いた。 だが、喜びに浸ってはいられない。 本当に危険なのはこれからなのだ。 何しろ人がトラウマになる程、恐ろしいものと対峙しようというのだ。 その為にも全員が今まで以上に、視覚や聴覚を研ぎ澄まし、
人間が本来持つ危機センサーを働かせる必要がある。 若者よ、野性を失うな! それが自らの命を守る術なのだ! |
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潜入を躊躇する隊員たち。 |
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ここ、ほんとにニコニコ園なんですか? 普通の民家っぽくて入りにくいんですが・・・。 |
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ええッ!?何故に俺がッ!?隊長こそ、お先にどうぞ! |
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いよいよ、あらゆる危険と恐怖が支配する禁断の園へ! 果たして、この先に一体何が待ち受けているのだろうか!?
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一歩足を踏み入れた途端、ソッコーで何かを発見!
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我々を歓迎するかのような大量の奇怪なオブジェ! |
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この意味不明っぷり、やはりここがニコニコ園で間違いないようだな。
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関東第一神秘珍々ニコニコアハハ園 バス10台駐車可 |
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どーいう事じゃ!?な、名前が長くなっちょるじゃないか! しかも、第一ってこたぁ、第二、第三を作る予定じゃったんか!? それ以前に、バスが10台停まる程、人が来んのかッ!? |
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見学料500円 |
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何ぃッ!?よし、ちょっとコンタクトしてみろ! 見学料を払わずに先に進めば、とんでもない事になりかねん! |
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気をつけろよ!友好的な部族かどうかわからんからな! 相手を刺激しないように・・・ゆっくり、良く周りを見て…、あれ、何だ?
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隊長の危機センサーが早くも危険を察知したッ! |
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カマだ!! |
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ピンポーン♪ |
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その時、我々に緊張が走った! |
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・・・が、一向に何の反応もない。 |
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どうやら大丈夫らしいな・・・。 よし、気を付けて、ゆっくりと細心の注意を払って進もう。 一応その辺に500円を置いてな。
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いざ、狂気の世界へッ! |
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(声をひそめて)あそこに誰かいるぞッ! 姿勢を低くして、ゆっくり、後退するんだ・・・。
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聖なるオヤジがお出迎え。 |
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我々は近代文明の中でしか通用しない常識を捨て去り、眠っていた本能を呼び覚まし、前進を続けた! |
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右奥 地獄の三丁目 左 三百米 珍々道 |
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こ、これは・・・罠かもしれない! 全員で右に行くのは危険だ!屡、ちょっと偵察してこいッ! |
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またまた俺ッスかぁ!? 隊長、俺に何か怨みでもあるんですかッ!? |
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果たして、この文字が意味するものとは一体ッ!? 次の瞬間、信じられない光景が繰り広げられたッ! |
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まさに地獄絵図!!!!! |
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唐突にあった地獄の三丁目に、為す術もなくやられる隊員。 |
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しかし、左へ進んだ一行にもニコニコ園の毒牙が襲いかかる! |
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容赦なく押し寄せる理解不能の精神的攻撃!! |
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果てしなく続く(かのような)魔廊を、我々は息を殺してひたすら前進し続けたッ! |
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なるべく体勢を低くして移動しろ!ヘッドダウン、ヘッドダウン! |
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歌丸美人彫二十体 |
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天下の珍品 北斎マンガ |
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しばらく進むと、休憩所なる部屋を発見ッ! |
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もう余計な文字情報が、だんだん相田みつをに見えてきましたよ。 |
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仕方ない、ここで少しの間コーヒーブレイクとするか。
もちろん十分に注意してな。
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どうやら順路的にも通行必須のようなので、休憩所の内部へ。 |
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おいっ、無闇やたらと周囲に触るなよ。罠が作動するかもしれん。 |
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我々は室内をくまなく調査してみる事にした。 |
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この紙には、こう書かれていたッ!
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[珍々ニコニコ園入場券]
開園時間:午前10時より午後5時頃 休園日:月曜休、及び年末21日~休 入園料:大人1200円 高校生以上850円 高校生以下及び身障者300円 ※小学2年以下付添人あれば2人まで無料
▼アンケート
イ その他は1号館にてこの用紙に○を付けて投書の事。 ① アレモコレモでおもしろい ② ウフフ、アハハはとてもよい ③ 他に見られない彫刻
ロ この園はもっとこんな具合。 ① これが悪い ② 何だかよくわからない
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け、見学料の500円と入園料は別個なのか・・・!? てゆーか、高校生以上の料金と大人の料金は、どっちを払えばいいんじゃ・・・? |
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キケン毒ガス出る
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中身はなんじゃろな?もしやニコニコ園の秘密がここに!? |
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ガチャガチャッ |
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ジーッ、カチッ、ジーッ、カチッ |
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日本一のトラ書 |
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まったく、冗談もタイガーい(大概)にしておけよ!トラだけにな! |
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我々は果敢にも、ここで昼飯を食う事にしたッ! |
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水や食料は3日分持ってきているが、念の為なるべく節約して少しずつ補給しよう。
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ホコリだらけだし、感覚的には廃墟に近いな。
写真撮るとオーブが写り込むぞい。
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発狂とかしたくないので、あまり長居は無用かと・・・。 |
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続いて、未知の恐怖が待つ戦慄の2号園へッ! |
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心霊スポットとはまた違うドキドキ感がある場所じゃな。 |
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埼玉には何も無いと思いきや、こんなディープなミステリーゾーンがあったんですね。 |
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屋外に出て恐る恐る進むと、我々の前に異様な光景がッ! |
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周囲を埋めつくす謎の物置群ッ! |
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気をつけろ!うかつに扉を開けると、凶暴な部族が飛び出して・・・ |
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ガラッ |
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18才以下の方 マイガケの下を見てはなりません |
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天然のアレ!! |
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猛然と襲い来るニコニコ園の精神汚染!!!!! |
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念仏老人! |
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モンジュ 知恵の神! (手にはジュースのパックを持つ) |
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東条英機も登場! |
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まさかのマッカーサー! |
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キス美女(動揺のあまり顔切れた)&ムッソリーニと愛人ペタッチの逆さ釣り!(独裁者らの最期を実物大で再現) |
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殴り書きされた怪文をよく読むと、独自の政治的主張が見受けられますね・・・。 |
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ガラッ(開) |
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ガララ・・・(閉) |
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真冬のセミの抜け殻! |
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屋根の上に一輪車! |
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な、なんたるカオスっぷり・・・!! これは、トラウマになる者がいてもおかしくないなッ! |
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ニコニコ園の園長である橋本氏は、戦後に材木商として成功し、やがて不動産屋とペット霊園を営みながら、余った材木を使って彫刻を作り続けるようになる。 そのきっかけは、神木で儲けた罰として金縛りに遭うようになり、その呪縛を解く為だったとも言われている(諸説ある)。 ともあれ、50年以上の歳月をかけて600体以上の彫像などを制作し、
最盛期の90年代には、道路を挟んだ向かい側の原っぱも作品で埋め尽くされた程だったという。
と、その時!隊員の1人が叫んだッ!
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なんと、近所の住人達が我々の方をずっと見ているではないかッ!!!!! |
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こ、ここら一帯は文明を拒絶する原住民達のテリトリーだったんだ・・・!へ、下手に動くのは危険だッ!皆落ち着けぃッ! |
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が、隊長の警告も虚しく、動揺のあまり動き回る隊員達ッ!! |
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パシイッ |
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カキ―ン |
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こ、コラッ、バカ!お、お前ら、動くなーッ!!(声裏返りまくり) |
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怒りをあらわにする住人! 我々は生命の危機に直面したッ! |
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お、おい、て、撤退するぞ!1、2の3で全力で走・・・あれ? どこ行った? |
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時既に全力撤退。 |
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今回我々探検隊は撤退を余儀無くされた! しかし、全ての探検が実を結ぶ事などあり得ない! 全力を尽くした結果、栄誉ある撤退を受け入れたのだ! 今回の探検は想像を絶する程危険で過酷なものであった!
その貴重な体験の中で、生き延びる為にはいかに危険を察知する能力が大切かを我々は改めて思い知らされた! 今回の探検の成果は、例えどんな困難にぶつかろうとも、謎を謎のままにしないという、強い信念に基づいたものに他ならない! 世界中の全ての謎は、解明するためにあるのだ!! 文明社会に生きる者の侵入を拒む原住民に守られながら、東松山の奥地に、神秘珍々ニコニコ園はたしかに存在していたッ!
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※なお、この物件は既に取り壊されて現存しません。
周辺もその後すっかり開発され、今ではショッピングモールなどがある文明の地となっています。
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