伊豆珍走B級ツアーズ①
～恐怖のホラー穴～

観光地の定番として知られる伊豆半島は、一方で奇妙なものを数多く有する珍スポットの宝庫でもある。

墓場のお化け洞窟

さて、何が悲しくて早朝からこんな場所にいるのかと言うと、実はここ、墓の後方の崖に洞窟があり、 その内部がお化け屋敷の廃墟と化しているのだ。

もともとは 昭和20年頃に軍隊によって掘られた防空壕らしいのだが、 戦後ある男性が何を思ったかお化け屋敷に改装し、地元の子供達に開放していたのだという。

一見すると行き止まりのようだが、洞窟の入口はこんな感じ。
岩肌はツタやコケに覆われており、何も知らなければ とてもじゃないが中に入ろうとは思わない状態だ。

意を決してトゥームレイダー気分で足を踏み入れると、 内部は入口付近意外は殆ど真っ暗で、今でもたまに肝試しに使われているのか、ゴミが散乱していた。

おっと、いきなり手首がお出迎えしてくれているじゃありませんか。
こいつは脱力の予感がする。

狭い入口付近での印象とは裏腹に、 洞窟の内部は大人が入っても余裕のある程の高さがあり、 10ｍ位奥まで続いていた。

「いらっしゃい、ゆっくりしていってね」と言わんばかりのポーズをしたマネキン。
40年以上前のお化け屋敷の頃、 お化けとして使われていたものだ。
事前に情報を把握した上で来たわけだが、それでもギョッとする存在である。

さらにその先には、ブロンド美女が無残な状態で転がっていた。

短い洞窟ながら横穴の分岐もいくつかあり、所々にバラバラ死体が乳繰り合うように落ちている。

正面の突き当たりには足をクロスさせたケツがあった。

こちらも吊るされたセクシーな下半身。
よく見るとフェチズムを感じさせるハイヒールを履いているので、 先程のブロンド美女のものなのかもしれない。

突き当りを左手に延びる通路に折れて、さらに奥へ進んでいくと、この洞窟の最深部が見えてきた。

最深部には首の無いお地蔵様が数体ある。

暗黒の地の底から浮き出た青白い顔。
マネキンだらけの洞窟では珍しく、最初から手作りされたような異端の存在である。

岩肌からも這いずり出てきた亡者が、いやらしい角度でこんにちは。

ニョキッと生えるスネオヘアーの生首。何処見てんだよ。

一通り探索したのでこれで引き返します。
それにしてもこの憎たらしい顔の小僧、40年以上ここでこのポーズをしているのかと思うと、なんとも妙な気持ちになってくる。

恐怖の洞窟から人間界に無事生還。
気持ち的には真夏の夜に肝試しするにはピッタリな物件だと思うが、周りで眠る死者の方々のご近所迷惑になるので 差し控えた方がいいだろう。

何の変哲も無い道端に突然、戦隊モノの合体ロボが仁王立ち。
このように、伊豆にはあちこちに変テコなものがあるのだ。