> 魔界冒険記 > 飛びだせ!魔界ウォーカー > Article


[2013.01.02]

探検タイランド⑤
~謹賀新年!水かけ祭り首都決戦~



  • このエントリーをはてなブックマークに追加

タイでは毎年4月13日から4月15日の期間、 「ソンクラーン」と呼ばれる旧正月(旧暦の新年)の祝日に当たり、 新年を祝い1年の幸福を願う為、水掛けの儀式を行うのである。
最近では単に水掛け祭りとも呼ばれている。



カオサンストリート@ソンクラーン


午前9時、滞在先のホテル付近にて大型銃器を持つファラン(白人兵士)の姿を確認。

戦いはもう、始まっている―。

あれ?あのじゃじゃ馬なピンク魔女は何処行ったんじゃ?

なんか濡れるのが嫌だから今回はパスだそうですヨ。

あんの野郎、ナメくさりやがって・・・。

ところで、本日は危険が伴うので現地ガイドが同行するとの事ですが、まだ来てないみたいですね。


道端で隊列を組みターゲットを待ち構える少年兵。
バンコク市内は非常事態宣言が発令され、市民は銃で武装し、容赦の無い無差別な銃撃が行われている。

私がガイドのバードマン先任軍曹である!
話し掛けられた時以外口を開くな!
口でクソたれる前と後に“サー”と言えっ!
分かったか、ウジ虫共ッ!

Sir,Yes Sir!(手配ミスった・・・)

Sir,Yes Sir!(こいつかよ・・・)

ふざけるな!大声出せ!タマ落としたか!

Sir,Yes Sir!

Sir,Yes Sir!


信号待ちで止まった一瞬の隙をつかれ、少年兵らの一斉攻撃を受ける戦闘車両部隊。
町は戦場と化し、こうした水掛合戦があちこちで展開されている。

私の使命は、貴様らの様な平和ボケしたクソ観光客に、ソンクラーンという名の戦場の現実を叩き込む事だ!
貴様ら雌豚共が俺のツアーに耐え抜けたら――― 各人が平気となる(水を掛けられるのが)!新年に祈りを捧げる死の司祭だ!
その時まではウジ虫だ!地球上で最下等の生命体だ!

Sir,Yes Sir!

Sir,Yes Sir!

予約では3名だったはずだが、あとの1人は何処だ?どのクソだ?!

Sir,敵前逃亡であります Sir!

Sir,キャンセルであります Sir!

ふざけるな!ぶっ殺されたいか?!魔法使いのババアか!
こうなったら貴様らじっくり可愛がってやる!
泣いたり笑ったり出来なくしてやるからな!
ビビって途中で逃げ出してみろ!クビ切り落としてクソ流し込むぞ!


路上では市街戦の為に備えられた大量の銃器が並べられていた。


水をかける行為自体に「敬意を払う」という意味合いのある無礼講状態となる為、 近所の顔見知りはもちろんの事、たまたま通りすがった旅行者など 見ず知らずの者にさえ水を掛け合い、あちこちで阿鼻叫喚が木霊する。

ケツの穴を引き締めろ!
我々はこれより、激戦地カオサンへ向かうオーバー!

Sir,Yes Sir!

Sir,Yes Sir!


カオサンに近づくにつれ、全身に被弾したズブ濡れの者や、水で溶いた白い粉(ベビーパウダー)が塗りたくられた者の姿を多数見かける様になった。
この白い粉は、水をかける事と同様に年少者が年長者の身体につける事で敬意を表すという意味があり、 すれ違いざまに何度か頬や肩に軽くつけられた。


道路も粉まみれの水浸しになり、 こんな場所に路駐していようものなら、トゥクトゥクも真っ白にされてしまう。


爆音のミュージックにのって乱舞する若い兵士。
家族や恋人を守る為に士気を高め、戦いに臨むのであろう。

騒がしいぞ!ミッキーマウスクラブのお祝いか?

Sir,Yes Sir!

Sir,Yes Sir!


ソンクラーンにおける激戦地として名高いカオサン通り。
バックパッカーの聖地も、 この期間は世界中から集った戦士達でスシ詰め状態のカオスとなる。

ベトナムへ行く前に戦争が終わっちまうぞアホ!

Sir,Yes Sir!

Sir,Yes Sir!


穢れを浄化するバブルシャワーの洗礼。


おかげで周辺は泡まみれ。シャンプーハットが欲しいところである。


激戦地とはいえ、あまりにも人口過密な為に一方通行を余儀なくされ、戦闘行為はおろか、 入口からしばらくはゆっくり前進するだけでやっとだったりする。

人食い族の巨根が粗チンになろうともここを突破するぞ!

Sir,Yes Sir!

Sir,Yes Sir!


参考までに、祭り前日の平和なカオサンの様子。
乾いているって素晴らしい。


ソンクラーンは1年で最も暑い時期に行われ、 特に若年層には伝統行事としてよりも、とりあえず楽しく騒げるお祭りという感じに受け入れられているようだ。

このウジ虫どもが!ヘドが出る!

Sir,Yes Sir!

Sir,Yes Sir!


ゆるキャラを装った大量破壊兵器が科学薬品を散布している。
恐らく細菌であろう。

まるでそびえ立つクソだ!

Sir,Yes Sir!

Sir,Yes Sir!




現場の雰囲気を動画でもどうぞ。


中程まで進むと、だいぶ間合いに余裕が出来るくらいの人通りになってきた。

見てみろ!
まるで潮吹き女王メリーを指で昇天させたような水浸しだ!

Sir,Yes Sir!

Sir,Yes Sir!


ソンクラーンの語源であるサンスクリット語のSankrandhiは、「変化・移動」を意味する言葉である。
これは天文学的に太陽が白羊宮(おひつじ座)に入る事を意味し、現在固定されているソンクラーンの日付も元は毎年変わるものであったという。


もともとは純粋に新年のお祝いで、家族で集って仏像や年輩の家族のお清めを行う厳かな期間であったが、今や殺るか殺られるか、濡らすか濡らされるかの水の掛け合いに発展した。


人一倍イカツイ得物を構える傭兵の姿も。
こんなゴーストバスターズみたいな奴に狙われたら一溜まりも無い。

逃げるやつは皆ベトコンだ!
逃げないやつはよく訓練されたベトコンだ!

Sir,Yes Sir!

Sir,Yes Sir!


ソンクラーンの期間中は人々がお祭り気分に包まれ、 飲酒運転をするドライバーが激増し、走行中の車やバイクに水を掛けられる事も多く、 1年で最も交通事故数と死亡者数が多くなると言われている。
ちなみに2011年は、ソンクラーンの3日間でバンコクだけで120人近く死亡している。 これでも例年に比べると減少傾向にあるようだ。


正月としての意味合いが強かったソンクラーンも、 1888年以降はこの暦が廃止され、1940年のグレゴリオ暦の導入で 仏暦が修正された事により、1月1日(西暦)が元旦とされた。
しかし、お清めの習慣自体は現在も存続し、もう1つの正月として機能しているのである。


体格のいい陽気なファラン達も戦いに酔いしれ、楽しそうである。


撮影しているとうっかり数人に取り囲まれ、一斉に銃撃された。
戦場では一瞬の油断が命取りなのだ。

海兵隊員は許可なく死ぬことを許されない!

衛生兵ー!衛生兵ー!!

俺この戦争が終わったら結婚するんだ・・・。


男も女もニューハーフも入り乱れ、あちこちで白兵戦が展開。
いつの間にか外国人旅行者同士が楽しむ狂気のイベントとしての盛り上がりが色濃くなっている模様。

じじいのファックの方がまだ気合いが入ってる!

Sir,Yes Sir!

Sir,Yes Sir!


一体何処で調達しているのかと思いきや、屋台で白い粉がこんなに売られていた。

こんなもの両生動物のクソをかき集めた値打ちしかない!

Sir,Yes Sir!

Sir,Yes Sir!


戦線から離脱する濡れ濡れのドロドロでギュウギュウ詰めのトゥクトゥク。


ピックアップトラックの荷台に水の入ったドラム缶を乗せて、道行く人々に次々と発砲を行う戦闘車両部隊もこの時期、全国的によく見かけられるようになる。

以上をもって貴様らはウジ虫を卒業する!
本日から貴様らはソンクラー(ひいき目に意訳すると「海兵」)である!兄弟の絆に結ばれる!
貴様らのくたばるその日まで何処にいようとソンクラーは貴様らの兄弟だ!

Sir,Yes Sir!

Sir,Yes Sir!


カオサンから戦略的撤退を果たし、ホテルへ着替えに戻る途中、道端で地元の親子に水をぶっ掛けられた。

おのれ、愚民の分際で小癪なマネを・・・!
お前らを蝋人形にしてやろうか!?

大魔王様、落ち着いてください!水は敬意の証しです!


水も滴るいい男といい女。
結果として地元人以上に全身ズブ濡れになった。

携帯は防水だが、パスポートはそのままポケットに入れてたの忘れてたぜ・・・!

普通もっと早く気づくでしょ・・・。ご愁傷様です・・・。


突如水をぶっ掛けられる人間を目の当たりにし、タイのにゃんこもビックリである。


わざわざ道の反対側からビショビショの美女がバケツを持って駆けつけてきた。
ダウンタウン周辺では外国人旅行者が狙われやすいようだ。

ちょっ、待て!話せば分かる!せめて動画の準備するまで待て!

だ、ダメです、この人ぶっかけたくて仕方が無いって顔してますよ!


バケツ一杯の水を掛けられピース。モテる男はツラいのである。

せめて下着が透けるような服を着ていやがれよ・・・。

何言ってるんだこの人は・・・。

という訳で、サワッディー・ピー・マイ!
(新年明けましておめでとうございます)
今年も『超魔界帝国の逆襲』を宜しくお願いいたします。



オマケ

道端に怪しい奴がいた。

謎の刺客:ククク・・・カオサンは突破されたようだな・・・!
だが奴は四天王の中でも最弱・・・!ソンクラーンの面汚しよ・・・!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んだ人は、多分こんな記事も読んでいます。

Back number

Archives

News Headline

ページのトップへ戻る
inserted by FC2 system