> 魔界冒険記 > 飛びだせ!魔界ウォーカー > Article


[2010.12.11]

ビリビリクラッシュメンズ



  • このエントリーをはてなブックマークに追加


モジダラケの黒い家


廃墟ツアーの帰路、S県某所の住宅地であからさまに奇妙なオーラを放っていた為、偶然見つけた物件。
一旦通り過ぎるも、すぐに車をUターンさせ接近してみた。

ケケケ、これは是非とも寄ってくしかねーだろ。

火事の焼け跡かと思ってスルーしそうになったでありますね。

調子こいて『ナニコレ珍百景』とかに投稿してみねーか?

ほっほっほっ、内容がブラック過ぎてボツにされるでしょうな。


見れば見る程どうしてこうなった・・・と思わずにはいられない、この禍々しい民家の成れの果て。
平和な住宅地の中で黒い外壁が異様に目を引くが、別に火事で焼け焦げた訳ではない。
人間の手により作為的にペンキか何かで黒く塗り潰されているのだ。

ご覧の通り、ツッコミどころ満載。
「開かれない株主総会」「300億円の紙くず」など、意味深でキャッチーなコピーが並び、まるで鬼血骸村の様だ。
どうやらこれらのキーワードが現況に至った背景を物語っている・・・と思われる。

ケケケ、いいねえ、カオスだねえ。

ご主人は株主だったのでありましょうか・・・。

どさくさに紛れて「神と和解せよ」とかは書いてない様じゃな。

ふむあ、それはキリスト教の看板でございます・・・。


株券は塀にベタベタ貼るもんじゃねえ。

身近な日常社会の隙間にも、こうした闇が潜んでいるという事だ。

立ちションしながら何だその気取った物言いは。

む、誰かこっちに来るでありますよ!?パトロールっぽい!?

お、俺は立ちションなどしていない!手も洗っていない!

悪霊さん、語るに落ちてますぞ・・・。

人目を引くので見物しにくる者が定期的にいる事もあってか、 家の前でウロウロして写真撮ってた我々を訝しみ、地元の町内パトロールのおっちゃんが近づいてきた。
これはヤバい、家の外にいただけとはいえ、不審な我々は世間の爪弾きを喰らうのが常、職質→怒られる→テンションガタ落ちという具合の負の流れを予感し、こうなったら可能な限り好青年グループを装い爽やかな対応でどうにか乗り切ろう・・・等と思考を巡らせていたところ、 おっちゃんの第一声に耳を疑った。

おっちゃん:
「今のうちに沢山撮っとけ。ネットで検索したら結構出てくるぞ」


なんと好意的な言葉であろうか。
てっきり、「コラお前ら何やってんだ。とっとと消えんと通報するぞ」とでも言われるかと思っていたのに、拍子抜けである。
しかも、事もあろうに撮影については地元人のお墨付きを頂く形となり、結構年齢高めの方であったが、“ググれ”というアドバイスまでもたらしてくれている。実に理解のある紳士だ。


そこで、調子に乗ってこの廃屋の事情を爽やかに伺ってみたところ、 おっちゃん曰く、半年程前まで某公的機関に勤めていたエリート公務員が母親と一緒に暮らしていたそうだが、ある時、感電事故に遭って以来、頭がおかしくなり、 自宅の壁を黒塗りにし、意味不明の落書きを書く様になったらしい。
そして現在では母親も亡くなり、彼自身もいなくなった為(入院?)、かつての住居は廃墟となり、夜間は心霊スポットとして若者に荒らされている・・・との事だ。

なるほど、「感電なる一族」という事か。エレクトロマスターだな。

余計な事言ってねーで手を洗わんかい、この不潔野郎。

何処と無く街宣車みたいな雰囲気で自分はそんなに嫌いじゃない住宅モデルでありますよ。

楳図かずお先生も「ギャー」って感じのお宅でございますがね。


黒い家の裏手にも、同じ敷地内に平屋建ての民家があった。
電気ビリビリによる創作意欲の影響はここにまで及んでいた。


読んでみてもまるで意味が分からない謎の文章。
ご主人は一体何を訴えようとしていたのだろうか・・・。


こちらは黒塗りにこそされてなかったが、やはり見るも無残な荒れ様であった。
一緒にいた母親というのはこちらに住んでいたのかもしれない。


住人が消えてこんな状態でも取り壊されずにいるこのヘンテコ物件。
お出かけの際、あなたの前にも偶然現れる日が来るかもしれない。


オマケ

よく分からんが、顔見知りの自動車工が日本兵に激似という事で、何故か帰路が遠回りになってまで、その彼に会いに向かいやがったヒゲ男爵。

あ?なんじゃここ?

いやほんと、笑っちゃうくらい日本兵さんにそっくりなんでございますよ、その人。是非会って頂きたい。

・・・自分は車の外に一歩も出ませんからね。

え?今日は彼お休み?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んだ人は、多分こんな記事も読んでいます。

Back number

Archives

News Headline

ページのトップへ戻る
inserted by FC2 system