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愛知県豊田市の伊勢神峠にはですね、旧伊勢神トンネルってな怖い場所があるんですよ。
ここはですね、1897年（明治30年）に完成した古いトンネルでしてね、長さ308ｍ、高さ2.2ｍ、幅幅員3.15ｍの、日本に現存する2つの石造りのトンネルのうちの一つで、「伊勢神隧道」として国の登録有形文化財（2000年登録）になってるんですね。
現在は1960年に開通した新伊勢神トンネル（全長1,245ｍ）に取って代わられ、この古いトンネルの方は殆ど使われてないんだなあ。
それ故なんですかねえ、周囲の雰囲気や環境も手伝ってか、ここでの霊的な噂話が後を絶えないんですよ。
例えば、女の霊が出るとか、トンネルの内部でうめき声が聞こえる、トンネルを往復すると死ぬとか、歩いて行くと行方不明になる、トンネルに行った帰りに事故で死んだり、車で行ってバックミラーに女の霊を見たり、肝試しに訪れた若者が、トンネルの途中で急に泣き出して別の人格になってしまった、とか色々言われてるそうなんですねえ。
もっともこのトンネル、歴史的には別に悲惨な出来事とかは起こっておらず、むしろね、新道の伊勢神トンネルの方が工事中、昭和34年の伊勢湾台風の猛威により、現場の作業員12名が命を落としているんですよ。
しかしそれでも、古い方のトンネルは、県内で最も有名で恐ろしい心スポとして周知され、長い間語り継がられてるってな訳なんですね。
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深夜×山中×雪道 |
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前略、スポットに辿り着けません。
すぐ近くで野犬の吼える声が聞こえる午前2時、車1台通るのがやっとの凸凹雪道でタイヤがはまってザッツ・エンスト。 |
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ナチュラルに撮影してないで手伝いなさいよ！
オラッ、ふんばれ卑猥マン！アクセル全開だ！ |
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足元滑ってうまく押せねえ・・・。
ノーマルタイヤで突き進むには無理があったか・・・。 |
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心霊スポットに行く途中でこんな恐い目に遭うとはねえ・・・。
眠気が一気に失せたわ・・・。 |
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皆で力を合わした結果、何とかその場を脱出する事に成功。
しかし、これ以上車で進むのは困難な為、仕方なく一旦来た道を引き返す事に。
事前の車内で、ギャグで“辿り着けないかもしれない”とか言っていたのが、まさかの現実味を帯びてきた・・・。
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目的地を直前にして、引き返さざるを得なくなった我々調査隊・・・！ |
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なかなかナレーション向きの声してやがんな、外道ライダーHALよ。
さすが、妹の結婚式の日にまで心スポ行こうとして、親に勘当されそうになっただけの事はあるぜ。 |
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新トンネル付近にあった国道１５３号沿いのドライブイン前でチュドリオ号（修理済み）を停め、反対側のルートから徒歩でトンネルへ向かいます。 |
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あの忌まわしきセカンドインパクトから奇跡的に復活したカッパ氏。
今宵の彼は今までとは一味違う・・・かも。 |
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銃を撃つのに免許や資格は要らない・・・。
ただ祈りながら引き金を引くだけ・・・。 |
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まあ、カッパ捕獲許可証は保有してるがな。
（ちなみに証明写真は、現地で撮影したものが担当の手違いで消去された為、後日カッパが近所の公園で改めて自分撮りした） |
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路上が凍り付いてめっちゃツルツルな為、何度も転びそうになりながら、すっとこどっこいな雪中行軍で蛇の様にウネる山道を進んでいく。 |
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何かまるで我々の行く手を阻むかの様に、雪がどんどん降ってきますたお・・・！ |
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俺と卑猥マンは前方の迎撃を担当するから、大さんは真ん中で側面を、ライダーは後方を頼むぜ！ |
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フッ、任せやがれ！
まあ、ワシのこのヘルズハンマーが少々やり過ぎてしまうかもしれんがな・・・！ |
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俺も野犬やヤンキー如き、必殺ライダー・スマッシュをお見舞いして肉の塊にしてやりますよ（￣∀￣春) |
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まあ、素敵な殿方達が私を守る為にこんなに頑張ってくれるなんて・・・！モテる女は罪よねえ・・・！ |
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シャッシャッシャッシャッ・・・！！ |
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ところがどっこい、２０分程歩くと、別かれ道にさしかかり、トンネルがある方向が分からず迷子に。 |
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雪が激しくなってきたんで、早くしないとマズイっすよ・・・。
ほら、髪が凍ってる・・・。なんせ現在マイナス５℃だし・・・。 |
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あーもう、道くらいちゃんと調べておきなさいよー。
寒さでくたばる前にとっとと見つけなさいよ、殿方どもー。 |
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周囲にある看板やケータイのＧＰＳ機能で現在地を確認するも、どっちに行きゃいいのかよく分からず。 |
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大体の位置しか載ってないし、肝心のトンネルも表示されないっす。 |
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雰囲気っつーか、感覚的には左じゃろ、左。あ、フォロワー増えてる。 |
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とりあえず左の道を行くと、あれこれ進路を悩んでいた場所からわずか数十メートル先という意外と近くに、目的地である旧伊勢神トンネルがあった。人生なんてこんなもんか。 |
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おー、あったあった！
目の前でグズグズせず、さっさと来ちゃえば良かったにょろ！ |
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ここが愛知で一番メジャーな心スポか。思ってたより小せーのな。 |
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こんなかったるい思いしたのに、辿り着けないって最悪の事態だけは回避出来て何よりだわ。 |
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色々と手間取らされたが、着いちまったらこっちのもんさ。 |
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フォッフォッフォッ！良い子の皆、ファッキン・メリー・クリスマス！
・・・それにしてもヒゲがあったかい。 |
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ツルペタなお嬢ちゃんを連れ込むにはいいトンネルだな。 |
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撮影の時以外も、マジでそーいう格好で探索してるんですね・・・。 |
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なんか皆テンションが上がってきやした（基本的に高いですが）。
まったく、カオスで愉快な夜です。 |
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こちとら何かのアレルギーで咳が出て霊どころじゃないわ。 |
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今日も悪霊兄さんは反社会的な感じでノリノリです。
さっきまで二日酔いでダウンしてたけど。
そりゃエクトプラズムも出るさ。 |
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ケケケケ！霊とか出たら蜂の巣にしてやんよ！
オラオラщ(ﾟﾛﾟщ)バッチコーイ！ |
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霊気ならぬ冷気をしこたま感じながら、真っ暗なトンネル内部を安物のライト頼りに進んでいきます。
内部は普通乗用車が通過するのがやっとの狭さで、地面はグチャグチャだ。 |
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フォッフォッフォッ！ワシの屁の音じゃよ、良い子の皆！ |
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さすが有形文化財ってだけあって、なかなか丁寧な造りね。
心スポの宿命なのか落書きは酷いけど。 |
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花崗岩で作られた壁には、大きくて鋭い氷柱が生えてやがりました。
そりゃ天然の冷凍庫ん中みたいなもんだしね。 |
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これは武器に使えそうですね。ライダー・アイスソード！ |
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そんなこんなで、当初の予定ではこっちから攻めるつもりであったトンネルの反対側に出ました。
こっち側にはライトが灯っている為、入った方とはずいぶん雰囲気が異なり、歴史的な赴きを漂わさせる外観もしっかり見える。 |
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トンネル歩いてるうちに雪降り止んだわね。
私の日頃の行いがいいからね、きっと。 |
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ウホッ、いいトンネル。
石造りの二重のアーチ環とか渋いですお。 |
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こうして白熱灯が明るいと、あんま恐くないっすねえ。 |
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トンネル上部に記されたそもそもの正式名｢伊世賀美｣の由来は、峠に伊勢神宮の遙拝所があり、そこから『伊勢を拝む』→『伊勢拝み』→『伊世賀美』→『伊勢神』と転じたものだそうです。 |
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なんつーか現場はもう、心霊とか無関係の次元で奇奇怪怪なフィールドと化した。もう年末だってのに。 |
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フォッフォッフォッ！誰かワシにプレゼントをくれい！ |
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いきなり何を言い出すんだこの人は！ってかベルト失くしてるぞ！ |
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誰にも攻撃してないのに弾が出なくなったお・・・。怪奇現象！？ |
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HALさんさー、今のうちにキャラ見直した方がいいんじゃね？ |
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調査結果：冷静に考えれば、伊勢湾台風の被害による死者は３１６８人もいるのに、別に死者が出てないこのトンネルで霊がどーのこーのってのは、やはりナンセンスである。
ただ１つ言えるのは、霊がいるとしたら寒さには強いはずって事。
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オマケ |
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それにしても、何この武装勢力。『GANTZ』かよ。 |
