群馬県桐生市の黒保根町にはですね、国道122号線が通る城下トンネルってのがあるんですよ。
ここはですね、今から十数年前に村人やドライバーの間で、女性の霊が出たとか、首無しの霊が出た、足の無い霊がボンネットに落ちてくる、急に車の前に顔だけが出た等、様々な噂や目撃例が相次いで、心霊写真もよく撮られた場所だそうでしてね。
当時の黒保根村の村長までが霊の目撃を証言したもんだから、マスコミが多数取材に来てワイドショーや紙面を賑わせる事となり、全国的にも知られる様になっちゃたんだなあ。
また同時期に、片側一車線で特に見通しが悪い訳じゃないにも拘わらず、トンネル付近では交通事故が多発したそうなんですよ、ええ。
こうした事から、黒保根村の議会は検討を重ね、交通事故はドライバーの不注意だけが原因ではなく、城下トンネル付近を彷徨う霊達の怨念によるものってな結論に至り、1985年3月に、トンネル近くに村人達によって供養塔が建立されたそうなんだ、うん。
それ以降は、トンネル付近で多発していた交通事故は収まったそうですがね、霊の目撃はまだ年に数回はあるらしい・・・ってな話ですよ。
どうやらここら辺の一帯はその昔、鎌倉時代に領主だった阿久沢氏一族の深沢城があったらしく、戦国時代の戦乱に巻き込まれ落城した際、多数の兵士や村民が犠牲になった地だそうなんですよ。
しかも、ちょうどトンネルの上辺りが処刑場だったとも言われているそうなんだなあ。
さらに、1947年(昭和22年)9月には、関東を襲ったカスリーン台風によってトンネルの下を流れる渡良瀬川が氾濫し、多数の死体がトンネル付近に流れ着いたとされているみたいなんですよ、ええ。