ピサの斜塔は、イタリアのピサ市にあるピサ大聖堂の鐘楼であり、世界遺産「ピサのドゥオモ広場」を構成する観光スポットである。1173年8月9日の着工時には垂直であったが、13世紀には傾いていることが発覚した。高さは地上55m、階段は297段あり、重量は14,453t、地盤にかかる平均応力は50.7tf/m2と見積もられている。一時傾斜の増大と倒壊の危惧があったがその後の処置により、当分問題ないと判断されている。現在の傾斜角は約3.97度で、傾斜の進行は止まっているそうである。 長らく世界中で最も傾斜している建物と認識されていたが、ギネスブックは15世紀に建造されたドイツ北西部エムデンの付近にある教会の尖塔の方が傾斜していると判定した。(2009年のギネスブックからはピサの斜塔に代わって掲載される) 2008年5月28日には、監視担当のエンジニアで地質学者でもあるミケレ・ジャミオルコウスキ教授により、少なくともあと300年は倒れる危険がないとの見解が示されている。 ガリレオ・ガリレイは物体が自由落下するときの時間は落下する物体の質量には依存しないという法則を実証するために、ピサの斜塔の頂上から大小2種類の球を同時に落とし、両者が同時に着地するのを見せたとされる。しかし、この話はガリレオの弟子ヴィンチェンツォ・ヴィヴィアーニによる創作で、実際には行われていないとも言われている。
めっちゃ暗いし雨降り過ぎだろがッ!
雷まで鳴ってて、なかなかの豪雨ですね・・・。もう午後8時過ぎだし、こりゃ観光客も全然いない訳ですよ・・・。
ったく、もうサイテー・・・。勘弁して欲しいわ。何もこんな時に来なくても良かったんじゃん?
スケジュール的に今しかチャンスが無かったんじゃい!多少無理してでも強行するしかねーじゃろ!
もっとゆとりのあるプランを立てましょうよ・・・。
・・・で、何やってんの?とうとう頭のネジ全部飛んじゃったの?
ちげえよ、たわけ!ピサの斜塔をこのピコハンで叩き倒すんじゃいッ!
はあー?バッカじゃなーい!
何か全身から負のオーラみたいのが出てますヨ・・・。
あー、ちきしょー!暗闇と雨粒の所為で、妙にブレてろくなのが撮れねえな!
もの凄い速さで無駄な動きをしているみたいだ・・・。
傘もささずに何やってんだか・・・。風邪引いても知らないわよ。
チッ、惜しい!あとちょっとじゃったのに・・・!
大魔王様、もう諦めましょうよ・・・。今そこ通りかかったオバさんに「Oh グッド・アイディーア!」とか言われて、逆に恥ずかしいじゃないですか!
ヨシオ、人生にはな、やらなきゃならない時があるんじゃよ・・・!
今じゃないと思いますッ!
おおっ!ようやく多少は巧い具合に撮れたな!どーじゃこれ!
はあ・・・、まあ、いいんじゃないですか。でも、叩き倒すというよりは、斜塔が倒れるのをむしろ防いでいる様に見えますが・・・。ってか、体が透けてる・・・。
何イ!?クッソ、こうなりゃ夜通しでもちゃんと撮れるまでチャレンジしたる・・・!
いい加減にしなさいッ!もうホテルに帰るわよッ!
は、ハイ・・・。
ピサの斜塔の目の前でピザを注文。(別にダジャレじゃないぜ)図らずも、ズブ濡れのコートでピザを食うのは、何処かハードボイルドな感じで、飲み慣れているはずのファンタ・オレンジも含めて、いつもより美味かった。
ピサの駅でジローラモをもうちょい老けさせた様なシニョーレに時間を聞かれたので、愛想良く教えてあげたら、「列車が来るまでまだ時間があるから、そこのバールで一杯飲もうぜ」的な事を言われ、半信半疑でくっついて行くと、会ったばかりの外国人にも拘わらず、いきなりエスプレッソを奢ってくれた。 そのシニョーレは、こっちが意味を理解出来てないのもお構いなしで、終始イタリア語で何かやたらベラベラ語っていた(こっちはひたすら会釈だ)。そのうち、通りがかった若いセニョリータが道に迷っている風だったのを察知し、素早く彼女に接触し、ホームの奥へとエスコートしだした。(写真はその時の移動中の二人)最終的には、会って10分足らずなのに、まるで年の離れた恋人の如く、頬にキスしあって別れていた。 国民性の違いはあるとは言え、このフットワークの軽さは恐るべしだな、イタリア人。世話好きのいいおっさんでした。