東京都八王子市鑓水の山の上にはですね、かつて、道了堂という明治8年(1875年)に豪商によって建てられたお堂(正式名称は永泉寺別院大塚山大学寺)があったんですよ。
戦時中は出征する兵士や家族達が、武運長久を祈願する為に数多く訪れ賑わっていたそうなんですがね、昭和38年(1963年)9月10日に、明治42年から女修行者としてここに住み込みお堂を守っていた浅井としという82歳の老婆が、行きずりの強盗に全身をメッタ刺しにされたうえに、喉と心臓をえぐられて殺害され、境内に遺体を放置されるという惨い事件があって以来、空き家となり荒れ放題になってしまったんですよ。
で、この頃から、老婆のすすり泣く声が聞こえる等と噂されるようになったんですねぇ。
昭和48年(1973年)9月上旬にはですね、立教大学の助教授が不倫のもつれから教え子の女子大生を殺害して、遺体をこの近くに遺棄するという事件が起きたんですよ、ええ。
で、犯人の助教授が自殺してしまった為、女子大生の遺体の正確な在り処がわからず、捜索が難攻していたんですがね、死んだはずの女子大生の姿が絹の道で度々目撃されて、幽霊騒ぎが起こりましてね、捜索をしたところ、幽霊の目撃証言の多いところで、翌年の3月に女子大生の遺体が見つかったんですよ。
お堂は昭和60年(1985年)からの絹の道の整備により取り壊され、現在は大塚山公園内に土台を残すのみとなっています。
また、公園内には幾つかの石碑や地蔵等も残っているそうなんですがね、その中に首なし地蔵がありましてね、これに触れてしまうと祟りがあると恐れられているんですよ。
ちなみにですね、地蔵を壊した連中が白い車に乗っていた事から、白い車で訪れると祟られるとも言われています。