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[2008.05.08]

SPOT11:雄蛇ヶ池



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千葉県東金市田中には、雄蛇ヶ池(おじゃがいけ)ってな人工池があるそうなんですよ。
ここはですね、元々は江戸時代の1614年に干害対策として周辺の村を救う為に、10年の歳月をかけて作られたものだそうでしてね、近年は釣りの名所として有名なんですが、一方では入水者が後を絶たない自殺の名所でもあるんですよ。
その為か、数多くの怪現象が目撃されておりましてね、例えば、女性のすすり泣く声や笑い声が何処からともなく聞こえてきたり、池の東側の水が、時々血の色の様に赤く染まる事があり、しかもそれが人の形に変化するってな事もあったそうなんだなあ、うん。
タレントの押尾学も肝試しでここを訪れた際にね、女性の霊を見たと話しているそうですよ。
どうやらですね、いつの時代か定かじゃないんですがね、池の近くの家に嫁いだ娘が、姑のいじめからノイローゼになっちゃって、この池に入水自殺したという話が語り継がれているそうでしてね、どうもその後、姑のまわりでは不吉な事ばかりが起き、とうとう嫁の怨念に引きずり込まれたかの如く、池に沈んじゃったみたいなんですよ。
それ以来、霊の怨念が今でも鎮まらないのか、雄蛇ヶ池では自殺者が絶えない様になったって訳だそうなんですねえ。
なお、余談ですがね、「池の周囲を7周半巡ると白い大蛇の神様が姿を現す」ってな古い言い伝えがあるらしく、近年では“オジャッシー”と呼ばれる謎の生物が目撃されているみたいですよ、ええ。


雄蛇ヶ池付近にて―――。

ようッし!行くぞお前ら!オジャッシー捕獲だッ!

んんっ!?

誰デスカ・・・?

た、隊長っ!?いつの間に!?てゆーか、何でこんな所に!?

しかも、こんな深夜に・・・。

些細な事は気にするな!さあ、若者共よ、気を張っていくぞゥ!

・・・ずっと後をつけてきたのか?

調査開始

池の周囲はグルッと遊歩道になっており、絶え間なくチャポチャポと水面が揺れる音が聞こえてくる。

いいか、お前ら、危機センサーをしっかり働かせろよ・・・!
いつ、急にオジャッシーが水面から顔をのぞかせ、我々を池に引きずり込むとも限らんからな・・・!それに今は真夜中で視界が悪い。
一瞬の油断が命取りになりかねない・・・!

た、隊長、社会の窓が全開ですよ・・・。

ウホッ!?

池には貸しボートが結構あるみたいで、昼間はレジャーの場である事が伺えられますな。

涼しい夜風に吹かれながら、ブラブラと奥の方を目指します。

うーむ、何かしら潜んでいそうな雰囲気だなあ、おい。なあ、おい。

そ、そうですね・・・。

でもさ、言い伝えによると、その大蛇だかオジャッシーだかってのは、池の周りを7週半しないと姿現さないんだよね?

ファミコンの裏技並みにクソ厄介な条件だな。

ここの池って、周囲の距離どの位なんですっけ?

たしか、約4~5kmですお。

ウホっ!?そ、そんなにっ!?
あ、いや、そんな事は知っていたさ、もちろん!
いくら何でも、言い伝えを鵜呑みにしたりはしないさ、フハハ・・・!

まともにやってたら余裕で朝になっちゃいますからね・・・。

しばらく進むと、フッと道の脇にお地蔵様の姿が浮かび上がりました。ちゃんと花も供えられており、何やら思わせる怪し気な感じ。

こーいうのあると心霊モノっぽくていいですね。
あ、無粋な感想ですいません。

これは一体何のやつなんですかね?

よくは分かりませんが、この池は江戸時代から身投げして命を落とす者が沢山いる様なんで、恐らく、その供養だと思いますお。

なるほど、人間だってまる飲みな訳か・・・。
おっそろしいなァ、オジャッシー・・・。

いや、話ちゃんと聞いてたか?

時折何か鳴き声みたいなもんが聞こえてくると思ったら、カモとアヒルが井戸端会議しておりました。

それを見るや、急に何故か狙撃(?)態勢になりだした野蛮人。

お~じゃがじゃがじゃが~、おじゃがいけ!wwwww

おい、アイツもう、この世のものじゃなくなってんゾ。

第一印象からそんな気はしてたヨ。

危険を察知したのか、即行で逃げた。ごめんよ、鳥達よ。

バケヤロウッ!何をやってるんだ!緊張感を保ていっ!

す、スマソ・・・。

と、その時ッ!

ぬあっ!?アレはッ!?

ザ・閉鎖。

おちちっ、落ちつけ―ッ!!

アンタが落ちつけっ!

これはこれで、まるでこの時間に何か足を踏み入れてはいけない存在がいるって事を、暗示してるみたいですね・・・。

どうします?
今更こんな門如き突破するのは容易いですが、池を全部周ろうとすると、だいぶ時間を使ってしまうと思うんですが・・・。

どうやら決断を下す時が来た様だな・・・!
食料も既に尽きかけ、隊員達の疲労も極限に達している・・・!
撤退も恥ずべき事ではない・・・!

オマエ何しに来たんだヨ。

仕方が無いので、近くにあった休憩所みたいなスペースに腰掛けて語り合う事に。

ところで、カッパさんてコテハンですよね?
何か由来のエピソードでもあるんですか?

ええ、まあ。あれは今から2年前位でしたかね。
心霊オフで鎌倉の源氏池に逝った際、妙なノリになりまして、何故か他の者にロケット花火で狙い撃ちされつつ、全裸で池を泳がされましてねwwwww

そ、それで源氏池のカッパ・・・。

次はここの池で泳いで「オジャッシー」に改名しろや。

しっかし、霊出ませんねえ。

何だかんだで、ワシら今まで何ヶ所逝ってると思っとるんじゃい。
自慢じゃねーが、ただの一度も見た事ねーぜ、コラ。

いるにはいるはずなんですが、我々の眼に見える具象化した姿でとなると、そう都合良く現れてはくれないでしょうね。

まあ、サービス精神旺盛な霊ってのも何だかなあって感じですしね。

もう特に何も無かったので、トボトボ引き返しました。

それにしても今回、普通に夜の散歩じゃねーか。

調査結果:スケジュールが押してたので、近くに来たついでにちょっと覗きに赴いただけに過ぎないのですが、別に嫌な雰囲気は感じられず、むしろ水辺の爽やかな春の夜風が気持ちよかったくらいです。
ただの生き物が多い人工池以上の何ものでもありません。
名の知れた心スポみたいですが、そもそも行楽地として有名で、夜間の暗さと静けさに関しては確かに不気味ではあるので、自殺した者がいるという事実=マイナスイメージから必然的に形成された霊の概念が、いつに間にか尾ひれがついて広まったんじゃないかって印象(よくある心スポ誕生方程式)でした。
これまでの情報を全て否定する訳では無いですが、あくまで一仮説としてはそんな感じです。

あ、そうそう、ちなみにオジャッシーの正体ですが、実は1.5mm程のオオマリコケムシっていう北米産外来生物の、ブヨブヨした気持ち悪い集合体の事だそうで、別に古代から生き残ってきた大型爬虫類とかじゃ全然無い名前負けの存在だそうです。

ウホホッ!?

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