どうも皆さん。オカフジ探険隊隊長のオカフジです。今回我々探険隊・・・というか、この私が挑むのは、近年、謎の巨人や巨大カマドウマといった怪生物が、住民達に相次いで目撃されているという神秘の町、兵庫県西宮市です。
一見して、豊かな自然環境に囲まれた閑静なベッドタウンだが、その実、我々人間が与り知らない水面下で、何かが密かに、それでいて大胆に蠢いているのだ。果たして、その正体とは如何なるものなのだろうか?世界の謎に挑戦するのが探検隊の使命だ!バモスッ!
平和な景色に騙されがちだが、ふとした瞬間に異常事態が起こっても不思議はない、実に油断ならない場所だ。故に、いついかなる時も、危機センサーを作動させておかなければならない!さもなくば、自滅の道を辿る事になる!若者よ、自己を磨き、自然を感じる(野獣の気配を察知する)能力“勘ピューター”を持って生きろッ!
途中出会った現地人とは言葉が全く通じず、必死に全身を使い身振り手振りでコミュニケーションを取った末、苦労したが、何とか情報を得る事に成功した。どうやら、高台の方が怪しい様である。私ははやる気持ちを抑えつつ、高台を目指して慎重に足を進めた。
注意していないと見落としてしまう様なやや奥まった場所に、急な階段が連なっていた。まるで、我々・・・というか私の行く手を阻むかの様だ・・・。
だが、困難という壁が幾多も立ちはだかっている方が、確実に得体の知れない何かの潜む場所に近づいていると見て間違い無いはずだ・・・。気を緩める事無く、先へ進もう。
それにしても坂だらけだなあ、おい・・・。
私はここである仮説を思いついた。諸君らは、「レイライン(Ley Lines)」を知っているだろうか?1921年に、アマチュア考古学者のアルフレッド・ワトキンスにより提唱された概念であり、イギリスのストーンヘンジといったミステリースポット、世界各地の遺跡や古い宗教施設、聖地などが、実は意図したかの様に直線的に配置されているというものだ。また、そのライン上には何らかの強いエネルギーが流れているとも考えられている。
しかし何故、直線になっているのか?そうした古くからの重要な場所は、活断層に沿ってある事が分かっている。岩石に圧力を加えると電磁波が発生する事を圧電効果と言うが、活断層では、岩石が非常に大きな圧力を受けていて、特異な電磁波が発生しているらしく、例えば、大地震の時に見られるという発光現象も、これが原因で生じるものだそうだ。ところで、人間の脳にある種の微弱な電磁波を加えると、幻覚や幻聴、気分の高揚や落ち込みなどが発生する事が知られているが、このある種の電磁波というのが、活断層で発生する電磁波とそっくりだという。
昔の聖職者(シャーマン)などは、感受性がとても強い人達で、活断層の近くに訪れると、発生していた電磁波の影響を受けてトランス状態になり、いわゆる神の啓示を聞いたり、その姿を見たりして、聖地としたとも考えられるのである。聖地などでUFOの目撃が多発するのも、こうした電磁波の影響による自然現象の成すものであるとも言われている。この西宮市内でも現在、12本の活断層が確認されている。特異な電磁波が、人知を超えた謎の存在の幻覚を人々の脳に現したという可能性も無くはない・・・。あくまで仮説だが・・・。
うーむ、イノシシが出没するのか。おっそろしいなあ、おい・・・。野生を剥き出しにして突進してくる獣の前では、人間など一溜まりも無いだろう・・・。我々の様に文明の中で便利さと豊かさと甘えの中で生活している事を考えると、“生かされている”という事を痛感させられる・・・。
緊張も体力もピークに達し、限界に近づいている様に感じた。 だが、それをあざ笑うかの様に、坂の角度がえらい事になっていた。
それでも、熱い信念の基くじけずに歩みを進めると、前方の斜面に聳え立つ巨大な建造物が姿を現した。一体ここは何なのだろうか?さては、生物兵器を極秘に開発している軍関係の施設かもしれないな・・・。まあ、それにしてはいささか警備が薄過ぎる気もするが、しかし、あっやしいなあ、おい・・・。
表面上、普通の県立高校に見えない事もない・・・。だが、果たしてそんなものがこんな山の上にわざわざ建てられるだろうか?
考えても見ろ、毎日朝っぱらから登校がまさに読んで字の如く坂をひたすら登る強制ハイキングと化すのである・・・。昨今の武士道精神を失い気味な軟弱な若者が、そんな生活に耐えられるとは思えない。だとすれば、やはりこの施設は・・・。
あの上部にあるドーム状の物体は一体・・・?謎が謎を呼ぶが、施設に立ち入る事が出来るはずも無く、これ以上先に進む事は断念せざるを得なかった・・・。
高台を下り、しばらく道なりに行くと池に着いた。水質は決して奇麗ではないが、眺めは良く、のどかな場所ではある。しかし・・・
さて、探検であるが、結局確証に至るものを発見する事は出来ず、やむなく撤退となったが、今回はこれで良かったと私は思っている。解明出来ない謎や秘密があってこそロマンとも言えよう。何も猪突猛進ばかりが探検ではない。自然の懐に飛び込んでいく事で、その奥深さと偉大さを知り、畏敬の念を抱きつつ自然との共生を考える事こそ、探検の大きな目的であると言えるだろう。
持てる体力、気力をフルに使い、挑戦した。その結果として全てが思った通りに行かなかったとしても、それは恥ずべき事ではない。その実体験をバネにして、次なる挑戦を続け、夢を追い続ける事。その諦めない心こそが、探検の神髄であると私は信じている。まだまだ探検は続くのだ。己の信じる事を、やり遂げるしかない。これまでの数々の経験や実体験が、私の「探検」を支えていてくれるのだから・・・。
以上を持ちまして、アニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』のロケ地探索(通学路編)レポートを終了致します。ご愛読ありがとうございました。オカフジ隊長の次回作にご期待下さい。