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江戸時代の元和8年(1622年)、下野国宇都宮藩主・本多正純が宇都宮城に吊り天井(※1)を仕掛け、
第2代将軍・徳川秀忠の暗殺を謀った嫌疑をかけられ、本多家は改易、正純は流罪となった。
世に言う「宇都宮城釣天井事件」(※2)の伝説である。
※1:天井を綱などで釣って固定し、標的が部屋に入ったタイミングでそれを切り、天井を落とす事で圧し潰して殺す装置。
※2:真偽はともかく、そのデンジャラスでスキャンダラスな事件内容から、後に講談や歌舞伎の演目になり、広く世間に知られるように。今では宇都宮土産の食べ物などにも、「釣天井」という物騒な名称が使用されている有様だ。
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実際は城に仕掛けは無かったそうだが、“餃子”が名物になるまでは、この伝説が栃木県宇都宮市のイメージに挙がる事も多かった。
そんな町の外れにある「宇都宮動物園」内の遊園地エリアには、シンボルタワーの宇都宮城(模擬天守)が聳え立っている。
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そして城の最上階には、伝説を再現した“吊り天井の仕掛け”があり、以前はボタンを押すと作動したようだが、あまりに危険過ぎたのか、残念ながら現在は震災の影響で立入禁止となっている(※3)。
※3:建物内は薄暗く、現役当時から既に廃墟っぽい雰囲気が漂っていたようだ。
現在は時期により、お化け屋敷や天体観測などのスペースとしても利用されているらしい。
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こうした城があるように、同園は全体的にレトロで、ちょっとカオス。
1981年、前身となる施設の経営を引き継ぎ、
“「自然とどうぶつとこどもたち」のふれあいテーマパーク”をコンセプトとして開業した。
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駐車場にはガッツポーズの謎のロボが車を守るように屹立している。
昔懐かしいブリキの玩具のようなデザインがそそるボディーには、「宇都宮動物園」と表記され、動物=生物だけでなく無機物まで含む感じに。
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正面入口には、何故かゴジラが動物っぽく柵に入れられ、
やはりここが一癖ある事を示す出オチぶりを発揮している。
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そう、この動物園はやたらオブジェが多いのが特徴。
園内各所には目がイッてるフレンズ達が多数並ぶ。
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もちろん、本物の動物の種類も豊富で、客が像やキリンに直接餌付け出来たり、ドッグショーなどのイベントも行われている。
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檻の壁には、市内の商店や企業の手書き広告が掲示されている。
年間150万円程の利益は、動物の餌代に充てられているとか(※4)。
※4:また最近では、「像の宮子の為に段差の無いプールを作りたい」として、同園がクラウドファンディング(10/17まで)に挑戦したところ、
早々に目標金額の1300万円が集まった為、現在は次なる施設環境整備の目標で支援を募っている。
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遊園地エリアまで辿り着くと、入口で怪獣サイズの巨大熊が待ち構え、来園客を威嚇している。顔が怖い。
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昔懐かしい雰囲気が漂うアトラクションの数々。
ここは2020年のつい最近になってようやく、愛称が「レトロランド~ハラハラドキドキ遊園地~」に決定したそうだが、
確かに色々な意味でハラハラドキドキする場所なのだ。
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と言うのも、
どういう訳かお馴染みの特撮ヒーローが、独特なセンスでポツンと各所に配置され、
なんとなく馴染み切れていないオーラを放っているのである。
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ワニワニパニックだけがある、だだっ広い休憩所の片隅に立っていたり、
オムツ交換部屋のすぐ隣で見守っていたり、アトラクションの出口付近でさり気なくポーズを決めていたりするのだ。
なんとなく窓際部署っぽい哀愁すら漂う。
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さらに極めつけは、夢の国のあのネズミによく似たキャラが、
アトラクション上部で覇権を取っていて、コンプライアンス的に心配になる。いずれ摘発されるかもしれない。
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とは言え、
休日にしては客が疎らだったが、上野に行くよりも楽だと地元で長年親しまれ、色々な意味の“動物”と触れ合えるテーマパークなのだ。
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