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[2021.01.24]

伊豆極楽苑
~地獄と極楽を巡る霊界テーマパーク~



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珍スポットの宝庫である伊豆半島の中でも、決して見逃してはならない代表的物件の一つが、「伊豆極楽苑」という施設である(※1)。
静岡県伊豆市の修善寺温泉付近にある同地は、なんと生きながらにして“あの世を体験出来る”屋内型テーマパークなのだ(※2)。

※1:訪れた2016年は、1986年の開苑から30周年を迎えた記念イヤーであった。
なお、通常“館内は撮影禁止”だが、今回は特別に許可を頂いた(にもかかわらず、記事化が遅れて大変申し訳ない)。

※2:建物の見た目はドライブイン風で、お化け屋敷的な恐怖感を煽る感じはない。
周囲には縁結び神社顔ハメ看板などもあり、なるべく観光客が入りやすいように配慮されているようだった。


笑顔とピースで出迎える鬼の像と、「極楽」の名称に油断して入場すると・・・








館内は薄暗く、どう見てもお化け屋敷な空間が展開。
西暦985年に書かれた書物『往生要集』に基づく死後の世界観が再現されている。






冥土の順路通り、死出の山をイメージした階段を上ると、三途の川や閻魔の庁のジオラマなどが設置されているのだ。




阿鼻叫喚の立体地獄ジオラマ。
生前に罪を犯した亡者達が、巨大過ぎる獄卒(鬼)に突かれ、焼かれ、裂かれるなど、あらゆる責苦にあう様子が再現されている。






「等活地獄」、「焦熱地獄」、「黒縄地獄」など、八大地獄の有名シーンが続く。






これらのオブジェは初代館長と3人の息子、その妻によって7年かけて造られたらしく、つまり家族総出のハンドメイド冥土という訳だ。
現・館長は美大を卒業された長男の佐藤青鬼丸氏で、父の指示のもと彼が絵を描き、次男が立体像を主に手掛けたという。


数々の残酷描写の最後は、意外にも巨乳のギャル鬼(※4)が「あなたは今後地獄に縁がありません」と別れを告げつつ見送ってくれる。

※4:続く極楽ゾーンの気候がハワイと同じくらいという設定だからか、なんとなく南国風の装い。
元は普通の鬼だったそうだが、一般の観光客にも親しまれやすいよう、宗教色のみならずコミカルな要素も取り入れたようだ。






そしてその先にようやく、忘れかけてた極楽浄土の荘厳なミニチュアが広がり、“逝くならこっち”と客に思わせて現世へと帰すシステム。




ある程度まとまった人数がいる場合は、館長の奥さんによるあの世についての事前講習が1階広間で行われるようだ。


また、一旦建物を出て外階段を上ると「秘宝展」の部屋があり・・・






世界各地から蒐集された18禁の秘宝が多数展示されている。


特に絶倫パワーが得られる金精大明神(※5)や、真言立川流愛の四十八手などの珍品が目を引く。 生(性)と死を学べる場所なのだ。

※5:訪問時は撫でられ過ぎたせいで股間が治療中だった。


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