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[2021.01.05]

浅見光彦記念館
~ミステリアスな名探偵の館と妖精の棲む森~



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「軽井沢のセンセ」と聞いてピンと来る人は、どれだけいるだろうか。
このワードは、かのミステリー作家・内田康夫氏が執筆した小説『名探偵・浅見光彦シリーズ』(※1)において、 しばしば作中に登場する内田氏自身を主人公の浅見光彦らが呼ぶ際の愛称である(※2)。

※1:1982年の第1作『後鳥羽伝説殺人事件』以降、小説本が100作以上も刊行され、 それを原作とした2時間ドラマ(複数のテレビ局で様々な役者が光彦を熱演)も多数放送されている。

※2:金田一シリーズと同様、作者の内田氏が知人のルポライター・浅見光彦から聞いた事件の話を材料にし、 脚色しつつ自身の推理小説として書いているという体になっている。
それ故、作中で周囲から先生ではなく“センセ”と呼ばれるのも、多少の軽侮の感情が込められているからだとか。


実際に内田氏は、長野県軽井沢町に長年住み(※2)、同地には1993年、ファンクラブとして「浅見光彦倶楽部ハウス」が建てられた。
2016年には「浅見光彦記念館」となり、内田氏及び浅見光彦シリーズ縁の品々の展示が始まり、多くのアサミスト(ファン)を集めている。

※2:1983年から2018年に亡くなるまで軽井沢にお住まいだった。
東京都北区の出身(光彦も同じ)だが、戦時中は父親の地元である長野に一時疎開するなど、同県とは元々縁があったようだ。


玄関前に停まる、光彦の愛車(という設定)の白いトヨタ・ソアラ。
ナンバーは「浅見33 あ32-15」というこだわりぶり。
かつて内田氏が実際に使用していた車らしい。










館内1階は内田氏の愛用品や直筆原稿、書斎机(実際に執筆で使用されたワープロが設置)の再現、読書・視聴コーナー、グッズ販売コーナーなどがあり、比較的正統派なミュージアム風。


しかし2階に上がると雰囲気が一変し・・・


珍スポットの如きカオスが展開。










般若の面付き釣鐘、死体発見現場、光彦の兄(※4)の机、カツ丼付き取調机、 崇徳上皇像、ドラマの衣装や仮面、秘仏といった小道具、光彦顔ハメなどが並び、作品絡みの異空間と化している。

※4:光彦は隠しているが、兄の陽一郎は警察庁刑事局長という設定。
作中では光彦が旅先で殺人事件を捜査中、不審者として地元警察にしょっ引かれると、 後に彼の兄がお偉方である事が判明し、急にVIP待遇に切り替わるという展開がお約束になっている。










“旅情ミステリー”である浅見光彦シリーズは、物語の舞台が日本各地。
土地ごとの伝説や風習、名所などにちなんだ殺人事件に遭遇する展開が多い為、 そうした世界観の要素を集めた場合、どうしても混沌とした感じになる訳だ。






また少し離れた場所には、内田氏がオーナーだったティーサロン「軽井沢の芽衣」(※6)もあり、 その裏手に「妖精の棲む森」なる不思議な散策路が隠されている。

※6:また、すぐ隣には「浅見光彦の家」がある。
一般財団法人内田康夫財団の社宅で、ファンクラブの会員のみ宿泊する事が可能らしい。






注意深く探すと妖精達の姿を観察可能。
センセが愛したミステリアスな世界を覗いてみるのも一興だろう。


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