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[2020.12.31]

聖明王院弥勒大仏殿
~住宅街の屋上で笑う黄金仏像~



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特に見所も無さそうな首都圏郊外の長閑な田園風景の中、点在する住宅に紛れて何やら丸っこい“金色の物体”が唐突に出現する。
遠くからも見えるその煌めきを目指して辿り着くのが、埼玉県加須市にある「聖明王院 弥勒大仏殿」という宗教施設だ。


台湾から伝来した新宗教「天道」(※1)の寺院なのだが、その外観はどう見ても普通の日本の民家で、正直とても入りづらい。

※1:天に帰る路(道)という意味を持つ。総本山は兵庫県三田市の玉皇山弥勒寺。
仏教、道教、儒教、キリスト教、イスラム教など、全ての宗教の根は天道とする万教帰一を説いているのが特徴。


一応「皆様お気軽にご参拝ください」と書かれた看板はあるが、それでも気軽には入りづらい人ん家感がある。


参道から恐る恐るお邪魔すると、小さな境内の奥に拝殿が建ち、笑みを浮かべた黄金の弥勒大仏像(※2)が屋上で鎮座している。

※2:弥勒(みろく)は古代インドでマイトレーヤと呼ばれ、“慈悲から生まれた者”を意味する。
釈迦が入滅した56億7千万年後に仏となってこの世に現れ、衆生を救済するとされる存在だ。
その為、567=コロナ(COVID-19)の後、弥勒の世が到来するのでは?という俗説もあるとか。


福耳かつ豊満な姿は日本で布袋様として知られているが、天道では創造神ラウムの命令で宇宙を掌握するシンボル的存在らしい。


財運や良縁などにご利益がある神様で、全ての魂が幸せになるように、大きな心と温かい笑顔で人々を導いてくれるという。






手前の広場(護摩会場)には、守護神たる四天王像(※3)が四方に陣取り、弥勒大仏とは対照的な鬼の形相で参拝者を出迎える。

※3:増長天、持國天、広目天、多聞天の四神からなる。








また、拝殿(泉珠不動明王殿)内には不動明王や媽祖観音を祀る祭壇がある他、ミニ弥勒像が棚にギッシリ収蔵されていて圧巻。


実は、ここと同様の弥勒大仏(※4)自体は国内に20体以上あるそうなので、何処かで見た気がするという人もいるかもしれない。

※4:大仏や四天王、拝殿は台湾から船で運ばれたものらしい。


天道というだけあってお天道様の下で人々を見守り、誰もが笑顔になるユートピアの時代“弥勒の世”が到来する事を告げているだ。


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