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大阪湾に浮かぶ人工島は、カジノリゾートの誘致先や2025年の万博の会場となる夢洲を中心に、近年注目を集めるエリアである。
そんな埋め立て地の一つ、大阪市此花区の舞洲には、否が応でも目を奪われてしまう、ド派手な巨大建築物が聳え立っている。
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カラフルな壁や窓がパッチワークの如く連なり、グネグネ湾曲した輪郭と模様が際立つその存在は、
まるでテーマパークの城のようだ。 とは言え、別にUSJの一部という訳ではない(※1)。
※1:実際、島の対岸にあるUSJと間違え、ここに来てしまう人もいるようだ。
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こう見えて、「大阪市環境局・舞洲工場」というゴミ処理場なのである。
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同地は2008年夏季オリンピックの招致活動の一環として、大阪がゴミ処理場をランドマーク化すべく、2001年に建設された。
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施設機能としては、可燃ゴミを燃やす焼却炉と、粗大ゴミを粉砕する設備で二分されている。事前予約する事で内部も見学可能。
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外観のデザインは、自然と調和した建築で有名な、ウィーンの芸術家フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサー(※2)が担当。
※2:他にもウィーンの「シュピッテラウ焼却場」をデザインしているフンデルトヴァッサーだが、
残念ながら、舞洲工場の完成を見ずに、2000年に71歳でこの世を去った
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敷地の端に建つ象徴的なキノコ型の塔は、高さ120mの煙突で、壁面のストライプは燃焼するの炎をイメージしたものらしい。
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外また、屋上や窓辺(※3)、遊歩道には植物が生えており、将来的に建物全体が森になって、自然に回帰するよう意図されているという。
※3:526個ある窓のうち、393個の窓はダミーの装飾らしい。
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このように、自然を愛する芸術家が目指したのは、技術、エコロジー、芸術の融合の象徴となる、地域に根ざした建物だった。
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なお、舞洲工場の目の前、徒歩5分程の場所にも、やはり彼のデザインである下水汚泥処理場「舞洲スラッジセンター」が建っている。
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当初は税金の無駄遣い(※4)と批判も浴びたそうだが、今ではその魅力に惹かれた見学者が世界各地から多数訪れている。
※4:総工費は610億円に及び、デザイン料だけで6000万円かかったらしい。
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