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秘宝館と同様、昭和の性的娯楽施設として絶滅が危惧されるストリップ劇場は、一般的に温泉地や繁華街にあるイメージが強い。
しかし何故か、そのいずれでもない奇妙な立地に建てられ、結果的にやはり廃墟と化したのが「明野劇場」である(※1)。
※1:正式名は「明野第一劇場」というらしく、元々は昭和40年代に芝居小屋としてオープン。
その後、経営者や名称が度々変わり、最終的にストリップ劇場の「明野劇場」となった。
最盛期には有名ダンサーも踊りに来たが、1994年6月に経営不振と摘発の影響で閉店。
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茨城県筑西市の農牧地帯、畑のど真ん中にある同地は、今では鬱蒼とした緑に呑み込まれ、まるで古代遺跡のような雰囲気が漂う。
人口密集地でもないのに、最寄駅からだいぶ離れた農道(※2)に位置する事も、営業場所としては不可解過ぎて不気味な程だ。
※2:この道路自体もすっかり荒れ果てており、特に夏場は草木の生い茂りが凄く、通行するのを躊躇うレベルの廃道感がある。
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こうした目立ちにくい環境は、大人の秘密の遊び場に都合が良かったのかもしれない。
例えば田舎のラブホも意外な場所に建っているように、地方では実際しばしばあった営業方法らしい。
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建物は小規模だが、劇場内の中央には、かつて多くの注目を浴びたであろう円形舞台が残され、独特な異空間となっている。
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他にも、散乱する客席の椅子やテーブル、通路を塞ぐレトロな券売機など、僅かに往時を偲ばせる残留物も。
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奥の壁や天井は崩落し、あちこち黒く煤けている状態が物語る通り、ここは1995年1月に不審火に遭って全焼し、廃墟となった。
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以来、四半世紀に渡り放置され、地元では「黒焦げのエロス」なる微妙な異名で呼ばれ、心霊スポット扱いされているという。
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特に2階を中心に心霊現象が発生するらしく、謎の“赤い糸”にまつわる都市伝説も囁かれている模様。
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過去の体験談によると、何故か真新しい赤い糸が多数落ちていたそうで、
誰が何を目的に置いたのかは不明だが、それを拾うと霊を呼び寄せるとまで言われているようだ(※6)。
※2:ただし、訪問時は特に見当たらなかった。
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ショーを盛り上げる為の音響・照明の操作室だった場所で、正面の窓から劇場全体を見下ろせる造りとなっている。
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人々の欲望が渦巻き過ぎて、火災旋風の如く燃え上がったかのような夢の跡――
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それを言い表すような、「STRIPER IS DEAD LIKE YOUR DREAMS(ストリッパーは夢のように死んだ)」という入口の落書きが、何だか妙に印象的であった(Pが1個足りないけど)。
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