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九州・熊本の北西端、福岡との県境に位置する荒尾市の住宅街には、荒々しい雰囲気の大仏軍団が鎮座する「荒尾観音」がある。
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正式名は「善徳寺」という寺院で、小高い丘に建つ本堂下部の壁沿いに、高さ6~7m程の茶色い巨像が約20体並んでいるのだ。
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千手観音、雷神(※1)、風神、不動明王、閻魔大王といった錚々たる面子が集う光景は、まるでラスダン(※2)のような迫力である。
※1:訪問時は左腕を負傷したのか覆いが施されていて、それはそれでサイバーパンク感がある味わいとなっていた。
※2:ゲームなどのラストダンジョンでありがちな、過去の強敵が一挙に再登場したりするあの感じである。 |
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それぞれ威圧的な表情だが、壁にもたれた3頭身程の造形であるせいか何処かサウナにいるおっさん達みたいな愛嬌も漂う。
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ラスボス的存在の閻魔大王像に関しては、恐らく日本最大級(※3)の大きさと思われるが、
荒尾市には以前「ウルトラマンランド」というテーマパークがあった事もあり(2013年閉園)、なんとなくウルトラ怪獣のエンマーゴ(タロウの首を切断したヤバい奴)を髣髴とさせる。
※3:日本一の閻魔大王像は現在、長野県の典厩寺にある6mの座像らしいが、それに勝るとも劣らないサイズ感ではある。
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背後の壁には小さなトンネルがあり、本堂の地下を横断して反対側まで通じている(※4)。
※4:カーブがかった暗い通路を進むと、出口付近には蝋燭台などが物置に押し込んだように置かれており、
うまい具合に隙間を通って行かねばならなかった。 |
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そちらも仏像でいっぱい。
お堂のような横長の屋根の下に、七福神や観音様のコンクリ像など、中小サイズの作品がズラッと安置されている。
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表側のようなインパクトこそ薄れるが、こちらには着色もあり、独特な作風がより分かりやすく感じられた。結構さくらももこ風である。
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これらアベンジャーズ感ある仏像群は、初代住職が多くの人々を救いたいという思いから、約50年かけて1人で作ったものらしい。
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ある種の悟りを開いた結果という事なのだろうか。 元々みかん山だった場所を削り出し、かつては本堂の周囲に50体程あったそうだが、老朽化に伴い現在の数にまで減少したという。
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今日も荒ぶる巨大な神々達は、鬼の形相で睨みを利かせて、隣の民家を脅かしつつ街の平和を見守っている事だろう。
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