世界の謎と不思議に挑戦するスーパーミステリーJKの風谷葵です。ここでは、日々いろんな所からよせ集めたオカルトニュース&コラムなどを、私独自の素晴らしい見解を交えつつお送りしちゃいますよ。
戦時中にヨーロッパなどを中心として、 聖母マリアや天使の降臨、あるいは燃える十字架などが戦場の上空で 目撃されたという話がいくつも語り継がれていますが、 一説には、そうした奇跡は政府役人による大掛かりな演出だったのではないか と考えられているそうです。 これらのビジョンは、戦場で戦う兵士の士気を鼓舞したり、 敵軍が迫る町の民衆に神のご加護があると思わせる事に繋がり、弱気になっていた 人々の精神的な拠り所として大きな影響を与えるものだったとの事らしいです。 一例として、1915年3月にポーランドのプシェミシルという要塞都市で、 ロシアとオーストリア両軍の兵士と街の住民によって、 聖母マリアとその子供キリストのビジョンが繰り返し上空に現れたのが目撃されているそうで、 周辺にいた何千人もの証言がある事から、これらの物語は実質的に真実であるとも見なせるものの、 一方で、防衛担当の役人が仕込んだ飛行機の投影装置を利用した事が考えられるそうです。 1917年11月17日付けのメカニックに関する人気雑誌でJ.E. マーフィーさんという人物が書いている報告によると、 「ビジョンは常に夜に現れました。これは彼らが、 雲が低地で覆われた場合にのみスクリーンとして機能する、 ステレオプティコン(立体幻灯機)を飛行機に乗せて、 雲の下700~1000フィートを飛んで映像を投影していたという推測が出来る」という事らしいです。 目撃者の中には、自分たちが目にしたものが「まるでチェンストコバ修道院の聖画のようだった」と証言している人もいるらしいです。 この修道院はプシェミシルの西約160kmに位置するそうですが、戦前には年間平均40万人もの巡礼者を集める場所で、 周辺地域では強い信仰を集めていた事からも、容易に受け入れられやすい画像がスクリーンに投影された可能性もあるようです。
この様な技術は、当時“ファンタスマゴリー(Phantasmagorie)”と呼ばれて特に目新しい事ではなく、 18世紀末にフランスで幻灯機(マジック・ランタン)が発明された後、 エティエンヌ・ガスパール・ロベール(1763-1837)=通称ロベールソンというベルギー人がパリで行った幽霊ショー(元カプチン会僧院の廃墟で、亡霊の大写しを見せる見世物=ファンタスマゴリアを上演)が有名となり、以降1895年に現在の映画の原型であるシネマトグラフがフランスのリュミエール兄弟によって発明されるまで、ヨーロッパ(特にイギリス)で19世紀を通して流行したものだそうです。 ちなみに、こうした娯楽などを筆頭としたメディアの発展とファントム(幻影、亡霊)との関係性は、 一見して科学と非科学の相反する存在のように思えますが、 メディアという言葉がメディウム(medium=霊媒、媒体)を語源とするように、双方は密接に紐づいていると言えるみたいです。 それは例えば、カメラが発明されると心霊写真が写り、ラジオや電話には謎の声が紛れ込み、 ビデオやテレビといった記録映像の普及により不可解な存在の姿が撮影されるようになるなど、 媒体が生まれる度に新たな心霊現象が発生するという事からも頷けるかと思います。 ・・・確かな証拠があるという訳でもなさそうですが、 奇現象をある程度もっともらしく説明付ける説としてはなかなか面白いかと思います。 言ってみれば、気合の入った戦場のプロジェクションマッピングみたいなものって事なんですかね。 おっと、あくまで一説という事なので、信心深い人も怒らないでくださいね。
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