> 魔界冒険記 > 飛びだせ!魔界ウォーカー > Article


[2019.02.22]

八潮秘宝館訪問記Ⅴ
~祝・人形奪還記念臨時開館~



  • このエントリーをはてなブックマークに追加

東京との国境に位置する埼玉の八潮市には、 ラブドールの特殊部隊が配置された関所・八潮秘宝館がある。
「特に何も無い」「ダサイタマ」「そこらへんの草でも食ってろ」などと、 古よりディスられがちな彩の国の希望の光となり得る、しこたま異彩を放つ個人宅である。
去る2018年10月~11月にかけて、過去最大の日程で“秋の臨時開館”が行われた為、 定点観測の如くまたもやお邪魔してきました。


■これまでの八潮秘宝館シリーズ
八潮秘宝館訪問記~ラブドールが佇む狂った楽園~
八潮秘宝館訪問記Ⅱ~劇的に進進進化を続ける狂った楽園~
八潮秘宝館訪問記Ⅲ~懐かしの別府秘宝館と人造乙女ミリタリー祭~
陸軍北上病院訪問記~八潮秘宝館の東北遠征イベントレポート~
八潮秘宝館訪問記Ⅳ~幼児プレイルーム・未熟園再稼働~

正直、一応オカルトサイトなので、 「秘宝館をやたら取り上げるのはいかがなものか」という、どうでもいい葛藤をする時期もあった。
しかし、よく考えたら「オカルト」とは即ち“隠されたもの”という意味なので、 秘められたものを追う事に何の問題もないと力強く開き直り、今回もお送りしたいと思う。


八潮秘宝館


年明け以来、約10ヶ月ぶりの八潮秘宝館。
感覚的には、ついこの前来たばかりのつもりでいたが、月日が経つのは速いものである。


入口にはこんな看板が。
これまでしわくちゃになりながらも、しぶとく使用されていた張り紙から、 いい感じにアップデートされていた。
何気に「町会組長」なる意外な札も掲げられ、早速の微妙な変化に期待が高まる。


到着の電話をすると、館長・兵頭さんがこれまた意外な所から登場。
てっきりいつも通り、家の外からも聞こえる勢いで階段を高速で駆け下り、 ガチャッと扉を開けてくれるのかと思っていたが、どうやらたまたま外で作業中だったらしい。

いらっしゃい。モデルガンを塗装してました。

相変わらず自由なライフスタイルっすな。


まずは人体実験部屋の1階。
旧日本軍がミリタリー系の美少女アニメ設定で再現されたような、パラレルワールド的空間である。

いつも最初どんなリアクションを取ってたか忘れて、もはや「おうふっ」ってコメントしか出てこないぞい・・・。

細かい部分に結構手を加えているんですよ。


そう、特殊看護部隊×別府秘宝館部隊の構成は前回同様だが、所々に変化が見受けられる。


以前は軍医がいた椅子には、海軍の指揮官と思しき女性が腰掛けていた。


新要素であるスキンヘッドなお姉さん。
改造手術前の被験者か、生まれたてのクローンみたいな感じだ。


壁際の天井近くには、さり気なく棚が増設されていた。



さらに、通路には人形のヘッドや薬品のビンなどを収めた、露骨にイカれた感じの棚が設けられ、 しかもピンクと緑のライトで妖しく照らされていた。

ご町内の人々は、町会組長の家のこの有様を知っているのだろうか・・・。

多分、もう割りと勘付かれていると思います。



一体何処で入手したのか、 医療資料のスケスケ人体図も隣で怪しく光り、お化け屋敷感に拍車をかけていた。


独身男性宅のはずだが、トイレの扉には何故か女性のピクトグラム。


階段から通路を見下ろすとこんな感じ。
この辺りは同館で最も薄暗く不気味な場所だと思うが、 緑のライティングの安らぎ効果のおかげか、不思議と落ち着く。


そんなこんなで、メインの2階へ。


階段を上がったところにある、館長の肖像画とデスマスク。
周辺にはやはり色々とよく分からないグッズが追加されていた。


何故この家は普通にウンチが飾ってあるんだ。

まさか、幼児プレイ(※前回参照)でしたやつじゃ?

違いますよ、作り物ですよ。


( ゚д゚)

好きなだけゆっくりしてってください。


大小様々なドールが佇む、オトナのクレイジーパラダイス。
これまでで最も人口密度が高い状態かもしれない。


以前に引き続き、当たり前のように女性下着が吊るされていた。
もし近隣で下着泥棒が出現した場合、こちらが疑われないか心配になるくらいの量である。


「ドキッ!女だらけの水泳大会~ポロリもあるよ!~」的な並び。
出来ればもっと知的な表現をしたいが、実際おっぱいがいっぱいである。

今何体くらい人形あるん?

もうちょっと分からないです。色々多くなり過ぎて。



目力があり、独特な雰囲気が印象的なロリ系ドール。
初めて見かけるカワイコちゃんだ。

素人目に見ても、これだけ顔の造形が他と少し違うような・・・。

この娘はキャットドールといって、中国メーカーが日本人向けに造ったものなんですよ。
ちなみにそこは、意外にも若い姉妹が経営しているらしいです。


今回の臨時開館は、2年前に岩手県の廃墟で誘拐(盗難)されたラブドールを、一部ながら奪還できた事を祝して行われたものらしい。
この通称「スミレ部隊玉砕事件」については、東スポの記事(1)にも詳しく書かれているが、前々から同館に来る度に話題となる関心事項であった。


部屋の片隅に座る彼女こそ、無事に生還した1体だという。
言わば今回の催しの主役的存在である。

それにしても、よく取り返せたもんじゃな。

盗んだ犯人がネットオークションに出していたんですよ。
滅多に出回らない希少なヘッドなので、すぐに分かりました。
詳しくは東スポの記事(2)を読んでください。


彼女が手にするトライデントには、自身を誘拐した犯人の顔写真のプリントが突き刺してあった。
なかなか皮肉とエッジの効いた公開処刑方法である。

しっかし普通、廃墟にラブドールなんかあっても不気味で、 苦労して何体も持って帰ろうなんて発想に至らぬと思うがなー。

犯人は地元の若者だったんですが、転売したら良い値で売れると直感的に思ったんでしょう。
それに目玉が取り換えられていたりしたので、やんちゃそうな見た目の割に、 多少はドールに関する素養もあったのかもしれません。


実際には無修正で犯人の顔写真や氏名が載っていたのだが、人形泥棒とはいえ個人情報を晒すのはコンプラ的にアレなので、ここでは一応加工しておく。


生還したドールのパーツが置かれたテーブルもこれまた独特で、 不穏な雰囲気を盛り上げていた。


すっかりお馴染みの存在となったジャイアントパンダ。
回を重ねる毎にどんどん前線に出てきている気がする。


続いてベッドルームへ。
この日は少し前まで、兵頭さんにメディア関係の打ち合わせが入っていた都合上、 来館者が他にいない貸切状態で、かなりゆっくり撮らせて頂けた。


オブジェは増加の一途のようだが、 生活スペースが大胆に削られ展示範囲が拡大した為、 以前よりも足の踏み場がある通りやすい状態になっていた。


ひょうきんな子供の横には、 R2-D2みたいなビールマシンが新たに並んでいた。



いつもコスチュームが変わるベッドの彼女は、今回は水玉水着の猫耳ガールとなっていた。



頭上のブランコには、今回も片足欠損の赤ずきんちゃんが腰掛けていた。


ベッドの横には、ぶっちぎりで時代の先を行く感じの、ゾウさんを被ったマネキンがいた。


前回はショートヘアだった胸像も、ゆるふわパーマな感じにイメチェンしていた。


サブスペースには、相変わらず怪しいグッズの数々が並ぶ。
兵頭さんが近所のABS卸売りセンター等でグッと来た品を買い集める他、 未だに処分に困った物などが人づてに集まってくるらしい。

家の前に勝手にラジカセが置いてあった時は笑いましたね。
2個あったので、1個だけ直して部屋に置いてますけど。

結局引き取ってるんかーい。



ベッドの奥は、ポップな保健室といった感じになっていた。
前回の幼児プレイルーム仕様で印象的だったママは、こちらにリプレイスされたようだ。


それにしても、たまたまここを通りすがった人は、窓の奥にこんな世界が広がっていようとは、夢にも思わないだろう。
ちなみにこの建物、店舗を思わせる1階の造りからも薄々察せられるが、元々は肉屋だった物件らしい。


何気にオリジナルグッズの販売コーナーも設置されていた。

普通の家にはまず存在しないコーナーが・・・。

まあ、普通の家じゃないですからね。


一定額以上お買い上げの方には、 なんともれなく、館長の幼児プレイ動画がオマケでついてくるらしい。

どうしても、己の痴態を見せたくてしょうがないようじゃな。

新作の写真集とかもあるので、よかったら是非。


兵頭さんの新作写真集『金剛寺ハルナとその姉妹―大東亜戦役篇秘話~第840特殊看護部隊 斯クモ闘ヘリ~』(R-18)。
これが噂の、わざわざラブドールを地方の廃墟まで持ち込んで撮影したという、数年がかりの創作活動の成果である。
せっかくなので、資料として一冊買わせて頂いた。

ロケ地はM尾鉱山じゃな。この前ワシも行ったぞい。

はい、奥の学校とかあった方で撮りました。


そして、まさにこのページの写真撮影後、 兵頭さんがしばらく目を離した隙に、ドール達がごっそり盗まれたのだという。

なるほど、これは曰くつきのページじゃな。

スミレ部隊が玉砕する直前の、貴重な写真ですよ。



オモチャだらけの居間で、遅めの昼食を取る兵頭さん。
この生活感溢れるアングルだけ見ると、完全に人ん家といった雰囲気である。

とうとう客だけ家に残して、外にメシを買いに行きやがった・・・。

目の前のスーパーが定休日だったので、近所の総菜屋でカツを買ってきました。


ところで、このお宅にはもう何回もお邪魔しているが、 よくよく話を伺うと、兵頭さんの私生活について意外な事実が判明した。

普段は玄関の、ここで寝てます。

マジカヨ。


本邦初公開、これが八潮秘宝館のバックヤードにして、兵頭さんの寝室(玄関前)である。
人形などの展示スペースを優先した結果、主人の方が物置みたいな場所に追いやられるという、可笑しさと切なさが込み上げる光景だ。


ベッドの上には、兵頭さんや人形の衣服などがハンガーにかけられていた。


玄関の外から覗くとこんな感じ。
いつも閉ざされていた扉の先が、まさかこんな風になっていたとは。

てっきり2階のコタツで寝てるとばかり思ってた・・・。

ホコリが舞ったりするのが嫌なので。
ワンルームくらいあるので、全然ここで寝起きできるんですよ。


ぶっ翔んでる埼玉の八潮秘宝館。
例の如く、訪問から数ヶ月経ってからの更新となってしまったが、 兵頭さんのブログを見た限り、最近まではこんな感じだったらしい。
空間演出の元ネタである、映画『ブレードランナー』の設定と同じ2019年を迎えた今年も、 ますます同館から目が離せない。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んだ人は、多分こんな記事も読んでいます。

Back number

Archives

News Headline

ページのトップへ戻る
inserted by FC2 system