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東京との国境に位置する埼玉の八潮市には、
ラブドールの特殊部隊が配置された関所・八潮秘宝館がある。
「特に何も無い」「ダサイタマ」「そこらへんの草でも食ってろ」などと、
古よりディスられがちな彩の国の希望の光となり得る、しこたま異彩を放つ個人宅である。
去る2018年10月~11月にかけて、過去最大の日程で“秋の臨時開館”が行われた為、
定点観測の如くまたもやお邪魔してきました。
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■これまでの八潮秘宝館シリーズ
・八潮秘宝館訪問記~ラブドールが佇む狂った楽園~
・八潮秘宝館訪問記Ⅱ~劇的に進進進化を続ける狂った楽園~
・八潮秘宝館訪問記Ⅲ~懐かしの別府秘宝館と人造乙女ミリタリー祭~
・陸軍北上病院訪問記~八潮秘宝館の東北遠征イベントレポート~
・八潮秘宝館訪問記Ⅳ~幼児プレイルーム・未熟園再稼働~
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正直、一応オカルトサイトなので、
「秘宝館をやたら取り上げるのはいかがなものか」という、どうでもいい葛藤をする時期もあった。
しかし、よく考えたら「オカルト」とは即ち“隠されたもの”という意味なので、
秘められたものを追う事に何の問題もないと力強く開き直り、今回もお送りしたいと思う。
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八潮秘宝館 |
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年明け以来、約10ヶ月ぶりの八潮秘宝館。
感覚的には、ついこの前来たばかりのつもりでいたが、月日が経つのは速いものである。
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入口にはこんな看板が。
これまでしわくちゃになりながらも、しぶとく使用されていた張り紙から、
いい感じにアップデートされていた。 何気に「町会組長」なる意外な札も掲げられ、早速の微妙な変化に期待が高まる。
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到着の電話をすると、館長・兵頭さんがこれまた意外な所から登場。
てっきりいつも通り、家の外からも聞こえる勢いで階段を高速で駆け下り、
ガチャッと扉を開けてくれるのかと思っていたが、どうやらたまたま外で作業中だったらしい。
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まずは人体実験部屋の1階。
旧日本軍がミリタリー系の美少女アニメ設定で再現されたような、パラレルワールド的空間である。
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いつも最初どんなリアクションを取ってたか忘れて、もはや「おうふっ」ってコメントしか出てこないぞい・・・。 |
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そう、特殊看護部隊×別府秘宝館部隊の構成は前回同様だが、所々に変化が見受けられる。
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以前は軍医がいた椅子には、海軍の指揮官と思しき女性が腰掛けていた。
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新要素であるスキンヘッドなお姉さん。 改造手術前の被験者か、生まれたてのクローンみたいな感じだ。
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壁際の天井近くには、さり気なく棚が増設されていた。
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さらに、通路には人形のヘッドや薬品のビンなどを収めた、露骨にイカれた感じの棚が設けられ、
しかもピンクと緑のライトで妖しく照らされていた。
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ご町内の人々は、町会組長の家のこの有様を知っているのだろうか・・・。 |
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一体何処で入手したのか、
医療資料のスケスケ人体図も隣で怪しく光り、お化け屋敷感に拍車をかけていた。
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独身男性宅のはずだが、トイレの扉には何故か女性のピクトグラム。
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階段から通路を見下ろすとこんな感じ。
この辺りは同館で最も薄暗く不気味な場所だと思うが、
緑のライティングの安らぎ効果のおかげか、不思議と落ち着く。
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そんなこんなで、メインの2階へ。
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階段を上がったところにある、館長の肖像画とデスマスク。
周辺にはやはり色々とよく分からないグッズが追加されていた。 |
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何故この家は普通にウンチが飾ってあるんだ。
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大小様々なドールが佇む、オトナのクレイジーパラダイス。
これまでで最も人口密度が高い状態かもしれない。
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以前に引き続き、当たり前のように女性下着が吊るされていた。 もし近隣で下着泥棒が出現した場合、こちらが疑われないか心配になるくらいの量である。
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「ドキッ!女だらけの水泳大会~ポロリもあるよ!~」的な並び。
出来ればもっと知的な表現をしたいが、実際おっぱいがいっぱいである。
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目力があり、独特な雰囲気が印象的なロリ系ドール。
初めて見かけるカワイコちゃんだ。
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素人目に見ても、これだけ顔の造形が他と少し違うような・・・。 |
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この娘はキャットドールといって、中国メーカーが日本人向けに造ったものなんですよ。 ちなみにそこは、意外にも若い姉妹が経営しているらしいです。 |
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今回の臨時開館は、2年前に岩手県の廃墟で誘拐(盗難)されたラブドールを、一部ながら奪還できた事を祝して行われたものらしい。
この通称「スミレ部隊玉砕事件」については、東スポの記事(1)にも詳しく書かれているが、前々から同館に来る度に話題となる関心事項であった。
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部屋の片隅に座る彼女こそ、無事に生還した1体だという。 言わば今回の催しの主役的存在である。
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盗んだ犯人がネットオークションに出していたんですよ。
滅多に出回らない希少なヘッドなので、すぐに分かりました。
詳しくは東スポの記事(2)を読んでください。 |
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彼女が手にするトライデントには、自身を誘拐した犯人の顔写真のプリントが突き刺してあった。
なかなか皮肉とエッジの効いた公開処刑方法である。
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しっかし普通、廃墟にラブドールなんかあっても不気味で、
苦労して何体も持って帰ろうなんて発想に至らぬと思うがなー。
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犯人は地元の若者だったんですが、転売したら良い値で売れると直感的に思ったんでしょう。
それに目玉が取り換えられていたりしたので、やんちゃそうな見た目の割に、
多少はドールに関する素養もあったのかもしれません。 |
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実際には無修正で犯人の顔写真や氏名が載っていたのだが、人形泥棒とはいえ個人情報を晒すのはコンプラ的にアレなので、ここでは一応加工しておく。
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生還したドールのパーツが置かれたテーブルもこれまた独特で、
不穏な雰囲気を盛り上げていた。
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すっかりお馴染みの存在となったジャイアントパンダ。
回を重ねる毎にどんどん前線に出てきている気がする。
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続いてベッドルームへ。
この日は少し前まで、兵頭さんにメディア関係の打ち合わせが入っていた都合上、
来館者が他にいない貸切状態で、かなりゆっくり撮らせて頂けた。
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オブジェは増加の一途のようだが、
生活スペースが大胆に削られ展示範囲が拡大した為、
以前よりも足の踏み場がある通りやすい状態になっていた。
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ひょうきんな子供の横には、
R2-D2みたいなビールマシンが新たに並んでいた。
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いつもコスチュームが変わるベッドの彼女は、今回は水玉水着の猫耳ガールとなっていた。
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頭上のブランコには、今回も片足欠損の赤ずきんちゃんが腰掛けていた。
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ベッドの横には、ぶっちぎりで時代の先を行く感じの、ゾウさんを被ったマネキンがいた。
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前回はショートヘアだった胸像も、ゆるふわパーマな感じにイメチェンしていた。
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サブスペースには、相変わらず怪しいグッズの数々が並ぶ。
兵頭さんが近所のABS卸売りセンター等でグッと来た品を買い集める他、
未だに処分に困った物などが人づてに集まってくるらしい。
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家の前に勝手にラジカセが置いてあった時は笑いましたね。
2個あったので、1個だけ直して部屋に置いてますけど。 |
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ベッドの奥は、ポップな保健室といった感じになっていた。
前回の幼児プレイルーム仕様で印象的だったママは、こちらにリプレイスされたようだ。
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それにしても、たまたまここを通りすがった人は、窓の奥にこんな世界が広がっていようとは、夢にも思わないだろう。
ちなみにこの建物、店舗を思わせる1階の造りからも薄々察せられるが、元々は肉屋だった物件らしい。
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何気にオリジナルグッズの販売コーナーも設置されていた。
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一定額以上お買い上げの方には、
なんともれなく、館長の幼児プレイ動画がオマケでついてくるらしい。
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どうしても、己の痴態を見せたくてしょうがないようじゃな。 |
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兵頭さんの新作写真集『金剛寺ハルナとその姉妹―大東亜戦役篇秘話~第840特殊看護部隊 斯クモ闘ヘリ~』(R-18)。
これが噂の、わざわざラブドールを地方の廃墟まで持ち込んで撮影したという、数年がかりの創作活動の成果である。
せっかくなので、資料として一冊買わせて頂いた。
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そして、まさにこのページの写真撮影後、
兵頭さんがしばらく目を離した隙に、ドール達がごっそり盗まれたのだという。
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オモチャだらけの居間で、遅めの昼食を取る兵頭さん。
この生活感溢れるアングルだけ見ると、完全に人ん家といった雰囲気である。
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とうとう客だけ家に残して、外にメシを買いに行きやがった・・・。 |
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目の前のスーパーが定休日だったので、近所の総菜屋でカツを買ってきました。 |
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ところで、このお宅にはもう何回もお邪魔しているが、
よくよく話を伺うと、兵頭さんの私生活について意外な事実が判明した。
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本邦初公開、これが八潮秘宝館のバックヤードにして、兵頭さんの寝室(玄関前)である。
人形などの展示スペースを優先した結果、主人の方が物置みたいな場所に追いやられるという、可笑しさと切なさが込み上げる光景だ。
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ベッドの上には、兵頭さんや人形の衣服などがハンガーにかけられていた。
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玄関の外から覗くとこんな感じ。
いつも閉ざされていた扉の先が、まさかこんな風になっていたとは。
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てっきり2階のコタツで寝てるとばかり思ってた・・・。 |
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ホコリが舞ったりするのが嫌なので。
ワンルームくらいあるので、全然ここで寝起きできるんですよ。 |
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ぶっ翔んでる埼玉の八潮秘宝館。
例の如く、訪問から数ヶ月経ってからの更新となってしまったが、
兵頭さんのブログを見た限り、最近まではこんな感じだったらしい。
空間演出の元ネタである、映画『ブレードランナー』の設定と同じ2019年を迎えた今年も、
ますます同館から目が離せない。
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