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去る6月24日、岩手県北上市にて、ヤバ過ぎるラブドールDIY住宅で毎度お馴染み、八潮秘宝館の東北遠征イベントが開催された。 以前から館長・兵頭喜貴さんにお話を聞いて気になっていた為、「こりゃたまらんらん」とちょっくら行ってきました。
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陸軍北上病院 |
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久々に民話の里の遠野周辺を探索した後(記事はまた別途)、夕方頃に我々はカーナビが指し示すイベント会場に到着したのだが・・・。
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どう見ても廃墟です。本当にありがとうございました。
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少し離れたところに正門があった。
今回会場となったのは、喜久盛酒造(株)という場所である。
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やはり埼玉の本館同様、「本当にここでいいのか?」という不安な気持ちになりながら入ると、
“陸軍北上病院”の表記がある張り紙があって一安心。
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空きスペースなら何処でもOKとの事なので、奥の方のこんな場所に駐車。
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木材がジェンガのように崩れてきたら一溜まりもないような・・・。 |
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というか、目の前には明らかに屋根だった部分が崩れていた。
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それにしても、周囲にあるのがどれも味わい深い建物ばかりで、期待と不安がシーソーゲームである。
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こちらの喜久盛(きくざかり)酒造さんは、1894年(明治27年)に創業を始めた老舗の酒蔵である。
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以前はここの本社内で酒造りを行っていたものの、2011年3月11日の東日本大震災で甚大な被害を受けた為、
同社の製造機能はすぐ近くの花巻市にある別の蔵に移転しているそうだ。
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敷地内にある建物は今も一部現役らしいが、ほとんどが半壊しているように見え、廃墟の様な雰囲気を漂わせている。
ここ何年かは、サブカル系にも理解がある蔵元のご厚意で、兵頭さんのイベント会場として場所を提供されているようだ。
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所々にある張り紙の案内に従い順路を進む。
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車を駐車した最奥部から“コ”の字状に右折と直進で移動。 敷地の広さを感じさせられる。
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今にも剥がれ落ちそうな屋根の一部が風に揺れていた。
主催者側に徹底した安全対策が求められる昨今、
こんなに大らかなイベント会場はそうそうないだろう。
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敷地内の一番奥の建物、本社蔵の従業員休憩室が今回のイベント会場だ。
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大量に詰まれた酒瓶のケース。
いかにも酒蔵っぽい演出でいい感じだ。
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見覚えのある春日部ナンバーの軽ワゴンがあった。
どうやら兵頭さんが遥々埼玉からラブドールを搬送してきたようだ。
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酒蔵の建物内部。
かなり雑然として傷みも激しいようだが、確かに何かの撮影に使えそうなロケーションだ。
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受付で入場料1000円を支払い奥へ進む。
設営のお手伝いに来てた女性の方に何故かキムチを振舞って頂いたので、キュウリをかじりながらの見学である。
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通路には、妖しいライティングに照らされるドールが3体あった。
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今回のテーマは病院という事で、
八潮秘宝館の1階にあった特殊看護部隊のお姉さん達が選抜されたようだ。
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兵頭さんと2ヶ月ぶりの再会。
わざわざ岩手まで駆けつけた事を呆れて喜んでくださった。
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とは言え、
実際の廃墟的空間でインスタレーションアートを目の当たりにし、
とても酒蔵とは思えないサイバーパンクな雰囲気に十分テンションはアゲアゲにさせられた。
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ご機嫌麗しゅうムツミ隊長。
何かでっかい台帳を広げていた。
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ここだけ切り取ってみると、完全にSMクラブといった感じである。
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磔にされた全裸美女が一際アブノーマルな異彩を放つ。
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一昨日から泊り込んでました。
前線基地を整えたり、小道具を現地調達したりしてました。
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隣の部屋は搬入の苦労が偲ばれるベッドが置かれ、
患者と看護婦のドールによって構成されたいかにも病院っぽい空間となっていた。
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これ片付けるのも大変でしょうけど、いつまでこっちにいるんですか? |
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実は今、後輩の監督と記録映画を撮ってるんですよ。 なので28日まではこっちにいます。 |
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それにしても、廃墟みたいな建物の奥で、人々が嬉々としてラブドールを眺めに集う様子は非常に怪しく、組織的ヤバい集団とみなされエロ等準備罪で摘発されそうな雰囲気だ。
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建物内部は自由に見学していいとの事なので、少し探検してみた。
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ヤバい場所があるという話を聞き、蔵元の社長さんに案内されて階段を登る。
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酒蔵の2階、タンクの上に当たる場所だ。
だが床がだいぶ痛んでおり、迂闊に歩くと底が抜けるかもしれないというデンジャラスな状態だった。
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凍てついた河の薄い氷の上を歩かせる処刑方法を思い出すな・・・。
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何か昔そんなシーンのある映画がありましたね・・・。 |
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17時、ステージでアーティストの方の演奏が開始。
漫画家でミュージシャンの宮西計三さんによるギターの弾き語りがトップバッターだ。
なんとも形容しがたい独特過ぎる世界観の歌唱に、観客達は否応なく引きずり込まれた。
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しばらくすると、
もう1人の朗読パフォーマンスが加わった奇妙なセッションへと発展。 ちょっとした何かの儀式のようにも思え、
我々は息を呑んで見守る他なかった。
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熱気に包まれるライブ会場。
こうして見るとだいぶ空いていて、貴族の兵頭さんを楽しませる贅沢な会みたいにも見えるが、
実際は入口付近や壁際に結構な人数の観客がいた。
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ただ皆、照れ屋なのか全体を見渡したいのか、
真ん中の方に行くのは何故か遠慮し、一定の距離を置いていたのが印象的であった。
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聖書やニーチェとか崇高な感じのものを朗読してたのかと思いきや、
置かれた本の表紙はまさかの『クレヨンしんちゃん』。
そして次の段階では、床に伏せてゴリゴリと何かを摺り始めた。
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先の展開が全く予想出来ない手に汗握る感じがありますな・・・! |
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お客さんだと思っていた人が、
途中で急に立ち上がってパフォーマンスに参加し出したりと、現場はとてもカオスな空間となった。
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いつの間にかベッドのドールの上には、何か文章が書かれた紙が貼り合わされたものが布団のようにかけられ、いよいよ呪詛感が漂う。
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クライマックスには人形に火をつけそうな勢いじゃな。 |
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さっきの人またクレヨンしんちゃん読んでるし。
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その後もアーティストが代わる代わる演奏を続け、
あっという間に2時間が経過した。
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19時から兵頭さんによる2時間のトークタイムとなったが、
残念ながら我々はレンタカーの返却時間が迫っていたので途中退場。
(その後も夜更けまで懇親会が行われたらしい) |
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